入院期間に関わらずまとまった給付金がもらえる? 第一生命社員が医療保険の素朴な疑問を解説。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。
入院期間に関わらずまとまった給付金が受け取れる一時金タイプの医療保険をご存じですか? この一時金タイプは比較的新しい保険で、入院日数や入院費・手術費など実際にかかった医療費に関係なく一時金が支払われます。
一時金タイプなら、入院期間に関わらずまとまった金額が受け取れるというメリットがありますが、でも本当に何の制限もなく受け取れる? 受け取れないこともある? ……そんな医療保険にまつわる素朴な疑問に、第一生命の社員がまるっとお答えします。
「総合医療一時金保険」に関する疑問に答えてくれるのは、第一生命保険株式会社 コミュニケーションデザイン部の古舘 愛さん。一時金とはどういうものかという基本的なことから、一時金が支払われるのはどんな場合が多いのかなど、具体的な例も交えて教えてもらいました。
【古舘 愛さん】
保険営業を4年経験。営業時代に担当したお客さまは100人以上! 現在はデジタルを生かした新たな接点でのお客さま対応を担当。
「一時金」って何?
――そもそも「入院一時金」とはどういうものですか?
医療保険の基本的な入院保障には大きく分けて2つのタイプがあります。1つは「入院1日につきいくら」というように入院日数によって決まる「日額給付タイプ」。もう1つは、病気やケガで入院をした際に、決まった金額をまとめて受け取ることができる「一時金給付タイプ」です。
これまで入院についての保障は入院日数によって給付金額が決まる「日額給付タイプ」が主流でした。一方で近年の医療進歩によって入院日数が短くなってきており、もちろんそれ自体は喜ばしいことなんですが、受け取れる給付金の額が結果的に少なくなるという傾向が表れてきたんです。
――加入者としては、なんとなく損をした気持ちになりますね。
そこで登場したのが、入院日数に関係なく、あらかじめ決めておいたまとまった金額の給付金を受け取ることができる「一時金給付タイプ」です。請求してから数日で口座に一時金が入金されるので、急な病気やケガの場合も心に余裕をもって対応していただくことができるということで、近年、特に人気が高まっています。
――まとまったお金とは、具体的にいくらぐらい受け取れるのでしょうか?
一時金は加入時に決めた「基準給付金額」にもとづいて支払われます。たとえば、基準給付金額を30万円で契約している方の場合、日帰り入院でも30万円が支払われます。(※)入院すると医療費のほかにも交通費や着替えの購入費など、さまざまな出費が予想されます。そんなときでもまとまったお金があれば安心ですよね。
※ただし、睡眠時無呼吸の診断・検査等のための入院のうち、入院日数が2日以内、かつ、睡眠時無呼吸と医師により診断されなかった入院はお支払いの対象とはなりません。
――「日帰り入院」ということは、泊まらなくても「入院」になるということですか?
入院日と退院日が同一の日である場合を「日帰り入院」といいます。お支払いの対象となる「入院」に該当するかどうかは、医療機関の領収書などで入院基本料の算定有無などを参考に第一生命が判断しますが、たとえば朝、ケガで入院をして手術をし、その日の夜に退院した場合、入院と手術、両方の一時金を受け取ることができる場合もあるんです。
※ただし、睡眠時無呼吸の診断・検査等のための入院のうち、入院日数が2日以内、かつ、睡眠時無呼吸と医師により診断されなかった入院はお支払いの対象とはなりません。
――入院にかかった費用が受け取る予定の一時金より安い場合でも、全額受け取れるのでしょうか?
はい、全額受け取ることができます。第一生命が販売する医療保険の入院保障は「損害保険」のように、損害に対してかかった実費で支払い額が決定するのではなく、実際にかかった費用に関係なく、基準給付金額にもとづいて支払われます。受け取ったお金は入院費用などの治療費だけでなく、入院後の生活費に充てるなど、お客さまの自由に使っていただくことができます。
ちなみに第一生命のジャスト「総合医療一時金保険(無解約返還金)(2021)」には、入院だけでなく手術をした際にもらえる「手術給付金」もついています。手術給付金の金額は契約時に基準給付額の10%か50%のどちらかを選ぶことができます。
たとえば、基準給付金額30万円、手術給付金50%の契約をしている方が入院して所定の手術をしたとすると……
このように、合計45万円の給付金を受け取ることができます。
※ 給付金が支払われない場合がありますので、詳細は「重要事項説明書(注意喚起情報)」「ご契約のしおり」「約款」をご確認ください。
20代に多い手術給付金請求の意外な理由とは!?
――20~30代では入院や手術といっても、まだあまり実感がわかない人もいると思います。実際にどんな場合に手術給付金を請求するケースが多いのでしょうか?
20代の方ですと、お支払いの対象となる手術の年間推計回数の上位5位は以下のようになっています。
5位の外耳道異物除去術は、イヤホンを外した際に先端部が耳の中に残ってしまい、自分では取れなくなってしまったものを除去するなど、若い世代ならではのケースも見受けられます。
――イヤホンの除去も手術になるんですね! なるほど、それなら若い世代でもありえますし、そういった場合でも一時金が受け取れるのはうれしいですね。逆に、支給の対象外となるケースもありますか?
たとえば、人間ドックのような治療をともなわない検査目的の入院、あるいは美容を目的とした手術や正常分娩による入院の場合は一時金の対象にはなりません。あくまでも治療を目的とした医療機関での入院や手術が対象となります。(※2)
※2公的医療保険の医科診療報酬点数表において手術料の算定対象となる手術のうち、つぎに該当する手術は、手術給付金のお支払いの対象となりません。
①創傷処理②皮膚切開術③デブリードマン④骨または関節の非観血的整復術、非観血的整復固定術および非観血的授動術⑤涙点プラグ挿入術⑥鼻腔粘膜および下甲介粘膜の焼灼術(レーザー等による焼灼術を含む)または高周波電気凝固法による鼻甲介切除術⑦抜歯手術
――治療を目的としているかどうか、当事者には判断できない場合もありそうです。一時金の対象となるかどうかを自分で調べる方法はありますか?
確認方法はいくつかありますが、入院の場合、医療機関の診療明細書に「入院基本料」の算定があれば、ほとんどが請求対象になります。また、手術の場合、第一生命ホームページの「手術給付金お受取額シミュレーション」で確認することができます。
ちなみに第一生命では、申請前でも明細に書いてある手術名や入院の理由と、お客さまの生命保険の証券番号をお伝えいただければ、数日以内には請求の対象となるか調べてお返事しています。詳しくは担当の生涯設計デザイナーにお問い合わせください。
また、1年に1回「安心の定期点検®」というものも実施しています。対面や電話、またはアプリを使ったオンラインで、生涯設計デザイナーがお客さまにヒアリングさせていただくのですが、「こんな簡単な手術は対象外だよね」と思っていた方が、実は給付対象だったことがわかって手術給付金を受け取れたというケースもあるんですよ。
基準給付金額の設定はいくらが妥当?
――聞けば聞くほど加入したほうがいい気がしてきました! 実際に加入を検討する場合、基準給付金額はいくらぐらいの契約をしておけば安心ですか?
私が20代から30代の方におすすめしているのは30万円の契約です。基準給付金額は契約時にお客さまが選ぶことができます。
――30万円がまとめて受け取れるのは心強いですが、一方で健康保険や高額療養費制度があることを考えると、そこまで必要なのかなという気もします。入院すると、どんなところで費用がかかるんでしょうか?
医療技術の発達によって平均入院日数は短くなっていますが、入院1日あたりにかかる医療費や諸費用の自己負担額、入院前後の通院治療費は実は増加しているんです(※3)。第一生命の調査によると、医療費とは別にかかる諸費用は、パジャマなどの衣服代や食事代、自分や家族の交通費、松葉杖などの機材やお見舞いのお返しなどがあります。
※3 参考:厚労省 令和3年度 医科医療費の動向
医療費以外にかかる諸費用は総額で平均9万円近く。医療費を含むと平均27万1,000円、14日未満の短期入院でも23万4,000円(※4)がかかるといわれていますので、諸経費も含め、入院にかかる金額をすべてカバーできる30万円がおすすめというわけです。
入院が長引いた場合、「一時金給付タイプ」では損をする?
――入院や手術を何度もした場合、その都度一時金は受け取れるのでしょうか?
はい、基本的に保険加入中であれば2回目以降も受け取ることができます。ただし、前回の入院から規定の日数が経過していない場合は受け取ることができません。入院給付金の支払限度の型が1回型の場合、最初の入院の退院日の翌日からその日を含めて60日以上経過してからの入院が給付対象となります。(※5)
――短期入院でもOKで何度も受け取れるのは便利ですが、たとえば1回の入院が長期になった場合、「一時給付金」の30万円では足りなくなることがありそうです。
そういった方のために、一時金の支払い回数は1回型だけでなく、複数回受け取れる2回型・4回型も選べるようになっています。たとえば、一時金30万円の2回型を契約している方が入院した場合、まず1回目の30万円が支払われます。その後、入院日数が30日に達した場合は、2回目の30万円が支払われます。
支払い例
(基準給付金額30万円の場合)
入院日数 | 1日 | 30日 | 60日 | 90日 |
1回型 | 30万円 | |||
2回型 | 30万円 | 30万円 | ||
4回型 | 30万円 | 30万円 | 30万円 | 30万円 |
※上記は支払事由に該当する場合の給付金額を示しています。
支払い回数が増えると保険料は上がりますが、20代の方の場合は、それほど保険料に差はありません。25歳の男性を例に、1回型と2回型の保険料を比較してみると……
25歳・男性の保険料の例
(基準給付金額30万円、手術給付金10%の場合)
支払限度の型 | 1回型 | 2回型 |
月額保険料 | 2,475円 | 2,598円 |
保険契約の型:A型/契約時から10年間(※6)/基準給付金額:30万円/入院給付金の支払限度の型:1回型、2回型/「入院中の手術」の給付割合:基準給付金額の10%/保険料払込免除特約付加なし/健康診断基本割引保険料適用
20代の方でしたら1回型と2回型の月額保険料の違いは100円程度ですから、2回型に入れば、短期入院も長期入院もフォローできるのでおすすめしています。
※5総合入院給付金の支払事由に該当する入院を2回以上したときは、その原因が異なる場合であっても、継続した「1回の入院」とみなします。ただし、前述のとおり、総合入院給付金が支払われることとなった最初の入院の退院日の翌日から数えて60日を経過した後に開始した入院については、別の入院とします。
※6満期時に契約を更新する場合、更新後の保険料は更新日における被保険者の年齢および保険料率によって再計算するため、同じ保障内容であったとしても、更新前の保険料とは異なります。なお、更新日に健康診断割引特約を取り扱っているときは、更新前の割引料率が更新後も適用されます。
若いからこそ入っておきたい、ドンっともらえる一時金保険。
20代、30代にとって「入院」は身近なものとしてイメージしづらいかもしれません。でも今回の取材で、日帰り入院などを含めてさまざまなリスクがあること、また、1回の入院にかかる平均費用が30万円近いことを知り、貯蓄がまだそれほど多くない若い世代こそ、もしもの備えをしておくべきだと実感しました。
ケガや入院で急な出費があるだけでなく、そのせいで仕事を休むことになり、収入が減ることも考えられます。「一時金給付タイプ」の医療保険なら、入院時に経済的な心配をせずに治療に専念できるだけでなく、給付金は生活費に充てるなど、自由にお使いいただくこともできます。もしものときに賢く備えてみませんか。
取材・文/濱中香織 イラスト/米澤美紀
※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。
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※本ページは、2023年4月時点の商品の概要を説明したものであり、契約にかかるすべての事項を記載したものではありません。検討にあたっては「保障設計書(契約概要)」など所定の資料を必ずお読みください。また、契約の際には「重要事項説明書(注意喚起情報)」「ご契約のしおり」「約款」を必ずお読みください。