企業の求人に自ら応募。春香クリスティーンさんが芸能界から離れてわかった「働く目的」。
バラエティ番組や報道番組などで幅広く活躍し、多忙を極めていたタレントの春香クリスティーンさんが芸能活動の休業を発表したのは、2018年3月のこと。
休業中は、カナダへの留学に加え、陶芸工房やコールセンター、英文事務などさまざまな仕事に就き、プライベートでは結婚や出産も経験しました。
昨年、4年7か月ぶりに芸能活動を再開した春香さんに、休業のきっかけや芸能活動から一度離れることで得たものなどを聞きました。
「この先のキャリアが見えなくなった」休業に至る思い。
――芸能活動を休業したきっかけを教えてください。
自分が何のために働いているのかがわからなくなってしまったからです。20歳ごろからコメンテーターの仕事が増え、さまざまなニュースに対して自分の意見を発信する機会が多くなりました。
私はもともと何かを強く主張するタイプではありませんが、「コメンテーターをやるからには、私に言えることは何だろう」と考えているうちに、「私が発言することに、何の意味があるんだろう」と悩むようになってしまいました。
――そんなに追い詰められた状況でメディアに出演していたのですね。
そうですね。当時は仕事以外のときでも常に「オン」の状態で気を張って過ごしていました。その状況から脱することができる手段があったのかもしれませんが、当時はそこに目を向けられるだけの心の余裕がありませんでした。
――余裕がなくなってしまった原因は?
私は目の前の仕事に対して全力で向き合うタイプなのですが、そのぶん、1つの物事だけに没頭しすぎてしまう傾向にあります。ひとつひとつの仕事に対する達成感は得られたけど、長期的なキャリアビジョンを描くなど、物事を俯瞰して見ることができませんでした。
――目の前のことしか見えなくなってしまったのですね。
はい、「この先のキャリアが描けない状態のまま、今の仕事を続けることはできない」と思い、芸能界に戻ってくるかどうかも決めずに休業しました。
自己肯定感が低かった私が、休業中に自信を得るまで。
――休業中は芸能以外の仕事を経験されたそうですね。
自分の可能性を探すため、いろんな仕事に挑戦しました。ただ、キャリアアップのための転職というよりも、このまま自分にできることが何かわからないまま働くのはよくないと思ったのが理由です。
――まずはどんな仕事に就かれたのですか?
休業前からお付き合いしていた彼が住んでいた沖縄へ行き、陶芸の工房でアルバイトとして働きました。その時点で留学することが決まっていたので、勤務先と話をして、カナダで3か月間経営学を学んだ後、再び工房で働かせてもらったんです。陶芸の工房を選んだのは、その土地でしか経験できない仕事に就きたかったから。自分で求人を探して応募しました。
――一般の人と同様のフローで職に就かれたのですね! 職場の反応はどうでしたか?