「明日働けなくなったらどうしよう?」と悩む山本さほさんのイラスト。 「明日働けなくなったらどうしよう?」と悩む山本さほさんのイラスト。

マンガ家・山本さほがFPに相談。「フリーランスに必要なリスク対策は?」

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#保険
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組織に所属せずに個人で仕事を請け負う“フリーランス”という働き方。頑張り次第で収入を増やせる可能性がある反面、自分以外に代わりがいないため、「働けなくなってしまったら収入がゼロになる」という不安も……。こうしたフリーランスならではのリスクに備えるにはどうしたらいいのでしょうか。

今回、マンガ家として活躍する山本さほさんが、フリーランスのお金にまつわるお悩みを、ファイナンシャルプランナー(FP)でフリーランス・副業メディアでの編集長経験も持つ齊藤颯人さんに相談! フリーランスが知っておくべきお金との向き合い方、リスクへの対処法についてアドバイスをしてもらいました。

会社員とフリーランスでは貯金の仕方も異なる!?

豚の貯金箱に貯金をする山本さほさんのイラスト。

山本:インターネット上で発信していたマンガが出版社の人の目に留まり、声をかけていただき、2014年にマンガ家としてデビューするまでは趣味でマンガを描いていました。それまでは、百貨店でアパレルショップの店長として働いていたんです。

当時、マンガ家の先輩から、「マンガ家として食べていく大変さ」を聞いていたので戦々恐々でしたが、ようやく10年目が見えてきて、ひとまずホッとしています(笑)。

齊藤:マンガ家になられる前は、会社に所属していたんですね。フリーランスになって、働き方やお金に対する意識もずいぶん変わったのではないですか?

山本:変わりましたね。当時の月収は20万円程度で、正直、それほどお給料は高くなかったと思います。それでも安定した収入があるというのは、精神的な安心感が大きかったなと実感しています。

齊藤:たしかに、フリーランスの場合は、会社員と違って、毎月の収入が変動しますよね。どのフリーランスの方に聞いても「計画的に貯蓄をしていくことは難しい」と皆さんおっしゃいます。山本さんはいかがですか?

山本:まさにその通りですね。会社員時代は、お給料の中から、月に3万円ずつ自動で積み立てるようにして貯金をしていました。でも、フリーランスになってからは定期的に収入があるわけではないので、毎月決まった額を貯金するというのは難しくなりました。

本が出版されて印税が入ってくると、なんだか気が大きくなっちゃって、ちょっといいお寿司屋さんに行ってみたり(笑)。

気が緩んでパーッと使ってしまうと、翌年に支払う税金額が増えている分、逆に収支がマイナスになることも……。ですから、一時的な収入の増減に一喜一憂せず、生活レベルを上げないように心がけています。フリーランスはいつ収入が途切れるか分からないですからね。

齊藤:しかも、会社員と違って報酬が振り込まれるまでにタイムラグがあることがほとんどですから、家計の管理が混乱しがちですよね。

山本:私も実は過去に手痛い失敗が……。会社員を辞めて最初の原稿料が振り込まれるまでに4か月のタイムラグがあり、その間、収入はゼロ。生活がカツカツになって、会社員時代の貯金をすべて使いはたしてしまいました。

そうした経験から、「日ごろからの備えが大事」と痛感し、収入が比較的安定している今のうちにできるだけ貯めておこうと、NISAや株式投資で運用をしたり、自営業者の退職金代わりになると聞いて「小規模企業共済」にも加入したりしています。株は、米国株を貯金感覚で買い増していますね。

齊藤:すばらしいです。資産運用もきちんとされていらっしゃるのですね! 私のところにご相談にいらっしゃるフリーランスの方は「貯金をしていない」「貯金ができない」といった方も多くいらっしゃるので。

山本:いえ、もともとお金のことに疎く、マンガ家仲間やFPさんにおすすめされたことを手あたり次第やっているだけで(笑)。細かい雑務や面倒くさいことがすごく苦手なので家計管理はかなり雑……。家計簿もつけていないような私ですが、おすすめの家計管理の方法はありますか?

齊藤:まずは、「事業で使ったお金とプライベートのお金をしっかり区別すること」が大前提です。事業用のお金は、クラウド会計ソフトなどで帳簿をつける。プライベートは別のアプリで管理する。このように、はっきりと分けて混同しないようにしておきましょう。

“家計健康診断”といった感覚で、何にどれくらいお金を使っているのかを把握することからはじめてみてください。

山本:今まで事業とプライベートを一緒くたに管理していましたが、別々にするのがいいんですね。会計ソフトやアプリだったらすぐできそうなので、さっそくやってみます!

「もし明日、働けなくなったら」にどう備える?

保険を勉強する山本さほさんのイラスト。

齊藤:貯金や家計管理以外に、フリーランスの方からの相談で非常に多いのは、「病気やケガなどで働けなくなったらどうしよう」というお悩みです。特にマンガ家さんは、過酷なスケジュールで健康を害される方も多いので、リスクに備えておくことが大切ですね。山本さんは、不安になられたことはございますか?

山本:「もし、明日から働けなくなったらどうしよう」という不安は、常にありますね。実は先月、健康診断で引っかかったばかりなのもあって、あらためて考えていたところです。

マンガ家は、座りっぱなしで徹夜も多く、まわりでも病気になったり倒れたりなどという話をよく聞きます。私もそうなったときどうしようと思い、民間の「団体所得補償保険」に加入しています。病気などでマンガが描けなくなったときに一定額を補償してくれる保険のシステムなのですが、こういうものは、自分から積極的に調べないと分からないので、情報収集が大事ですね。ほかにも、民間の医療保険とがん保険にも入っています。

齊藤:会社員と違い、多くのフリーランスが加入できる国民健康保険には原則、傷病手当金などがないので、民間の医療保険でカバーしておきたいところ。山本さんはしっかり対策をとられていますね! ただし、複数の保険に入っている場合、保障内容の被りや過剰な部分がないか、確認しておきましょう。

山本:保険は、窓口の人にすすめられるまま契約したという感じで、保障の内容までは実はよく分かっていません。さっそく、確認してみます! でも、被りや過剰な部分があるのは何がいけないのでしょうか?

齊藤:複数の保険それぞれにお金を支払っているかと思いますが、保障内容に被りがあると過剰な保障になってしまうケースが多く、必要以上に高い保険料を支払っていることになるんです。保障が手厚い分、保険料も高くなりますから、自分にとってどれくらいの保障が必要なのかを決めたうえで保険を選ぶという意識を持ってみてください。

山本:なるほど。ほかにも、フリーランスが検討しておくべきものはありますか?

齊藤:「賠償責任保険」への加入を検討する方も多いですね。たとえば、マンガ家なら著作権侵害の問題などで賠償を命じられるといったリスクに備えられます。

また、このような問題で弁護士に依頼したときの弁護士費用が補償される保険もあるなど、フリーランスにとっての万が一の場面に備えられます。こうした商品を選択肢に入れておくのも有効ですよ。

山本:知らなかったです! 契約トラブルの話は知人からもよく聞きますが、保険でそうしたリスクに備えられるのは心強いですね。

「家を買うか、借りるか」問題。フリーランスにおすすめなのは?

家を買うか借りるか検討している山本夫婦のイメージイラスト。

山本:個人的な話ではあるのですが、家を買うか、借りるかで悩んでいます。私は今30代後半で、もし家を購入して35年ローンを組んだとしたら、支払い終えるのは70代。しかも、私が知る限り、35年間現役でマンガ家を続けている方は数えるほどしかいないので、現実的なのかと悩んでいるんです。そもそも、フリーランスは持ち家と賃貸、どちらがいいのでしょうか?

齊藤:その方の価値観によって異なるので、答えるのが難しいというのは大前提なのですが、一般的に、フリーランスの場合、「賃貸の方が家賃を経費にしやすい(※)」というメリットがあります。

ただ、家というのは、その方のライフスタイルや人生観に大きく関わる問題なので、それぞれのメリットとデメリットを考えながら選択するのがいいですね。

持ち家の場合なら「老後の住み処が確保できる」「自分たちの資産になる」「家を好きなようにカスタマイズできる」「住み続けることで地元ができる」などのメリットがあります。対して、賃貸なら、「好きなところに住める」「物件に問題があったり、ご近所トラブルが発生しても引っ越せば解消する」「住宅ローンや固定資産税に縛られない」などの利点があげられます。

要は、どっしりと自分の“城”を構える安心感や、家や内装のグレードなどにこだわるなら持ち家。税負担を軽減させつつ、いざというときに家賃や居住地を調整できる機動力を持ちたいなら賃貸がいいのではないでしょうか。

山本:ありがとうございます。すごく参考になりました。夫も作家でフリーランス同士なので、家については相手の価値観も聞いて2人ですり合わせをすることからスタートしてみます! これからのお金についてもどうするかを話し合ってみたいと思います。

齊藤:山本さんはすでにきっちりとリスクへの対策もとっていらっしゃるので、大丈夫だと思いますよ! 何かあればいつでも相談してください。

(※)住宅ローンや固定資産税も一部経費にできるが、家賃に比べると経費化できる割合は少なくなりやすい。


山本 さほ
1985年生まれ。幼少時代からの親友「岡崎さん」との友情や子ども時代の思い出を描いた自伝的作品『岡崎に捧ぐ』をnoteに掲載し、大きな話題になる。その後、2015年より『ビッグコミックスペリオール』(小学館)で連載を開始。『この町ではひとり』(小学館)は2020年4月まで連載。現在、『無慈悲な8bit』(KADOKAWA)を連載中。

齊藤 颯人
トージンFP事務所代表。フリーランス・副業メディアで編集長を務めるほか、歴史・マネー系を中心に書籍・週刊誌・Webメディアなどで記事執筆・監修なども行う。主な執筆書籍に『胸アツ戦略図鑑』(サンクチュアリ出版)、『一冊でわかる鎌倉時代』(河出書房新社)など。


※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。
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(登)C23N0168(2023.11.9)
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