個人年金保険の選び方とは?20代〜30代向けにメリット・デメリットを解説。 個人年金保険の選び方とは?20代〜30代向けにメリット・デメリットを解説。

個人年金保険の選び方とは?20代〜30代向けにメリット・デメリットを解説。

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※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」、生命保険料を「保険料」と記載している部分があります。

20代、30代のうちから考えたい将来の資産形成。iDeCoやつみたてNISAなど、さまざまな方法の1つとして個人年金保険があります。さらに、個人年金保険そのものにも数多くの種類があるなかで、加入を検討しはじめた20代、30代は、どんな点に着目して選べばいいのでしょうか? 種類や運用方法、メリット・デメリットをあげながら、“貯まる家計のしくみづくり”にまつわるアドバイスに定評のある、ファイナンシャルプランナーの橋本絵美さんに解説していただきました。

目次

そもそも個人年金保険ってどんなもの?

そもそも個人年金保険ってどんなもの?

個人年金保険は、将来のための資金を計画的に準備できる保険です。保険料を払い込み、契約時に決めた年齢に達したら、保険料に応じた給付金を年金形式で受け取れるのが特徴です。

たとえば老後資金を考えてみましょう。公的年金や企業年金だけでは老後の生活資金の収支がマイナスになりそうな場合などに、個人年金保険はそれを補填する手段の1つとなります。

契約時に定めた期間(20年、30年など)または年齢まで(60歳、65歳など)保険料を払い込み、その後、一定期間(5年、10年など)もしくは一生涯にわたって年金が受け取れる貯蓄性のある保険です。

個人年金保険の受け取り方って何があるの?

個人年金保険の受け取り方は確定年金・有期年金・終身年金の3種類に分けられます。

確定年金

確定年金とは、年金を決められた一定期間必ず受け取れるものです。年金の受取期間は5年、10年などと決まっており、年金受取期間中に被保険者が死亡した場合でも、相続人が残りの受取期間の年金相当額を一時金または年金として受け取ることができます。

有期年金

有期年金も、確定年金と同様に年金の受取期間が5年、10年などと決まっています。確定年金との違いは、被保険者が年金受取期間中に死亡すると、その時点で年金の支払いが終了することです。また、一部の有期年金には「保証期間」を設定しているものがあり、設定された保証期間中に被保険者が死亡した場合でも、相続人に一時金または年金が支払われるタイプもあります。

終身年金

終身年金とは、被保険者が生存している間は年金が受け取れる年金保険です。年金受取期間中に被保険者が死亡すると年金の給付は終了し、相続人が引き続き受け取ることはできません。ただし、設定された保証期間中に被保険者が死亡した場合、相続人に一時金または年金が支払われる保証期間付終身年金もあります。

個人年金保険には運用方法がいくつかある。

運用方法もいくつか種類があります。円建て、外貨建てのほか、変額保険などがあげられます。

円建て

円で保険料を支払い、円で運用、円で年金を受け取ります。

外貨建て

外貨で保険料を支払い、外貨で運用、外貨で年金を受け取ります。円で支払い、円で受け取ることはできますが為替手数料が必要となります。

変額保険

国内外の株式・債券などからなる複数のファンドを保険会社が用意し、契約者がファンドを選び、運用していく保険です。運用成績によって将来受け取る年金額は変動します。

個人年金保険のメリット・デメリット。

将来の資金づくりのために個人年金保険はおすすめの商品ですが、メリット・デメリットの両方があります。

メリット1 貯蓄が苦手でも将来の生活資金を計画的に準備できる。

個人年金保険を契約することで、銀行口座から保険料が保険会社に自動的に振り込まれ積み立てられます。銀行などの預金とは異なり、自由にお金を引き出すことができませんし、途中解約はできますが、早期に解約した場合は、払い込んだ保険料の総額よりも解約返還金(解約返戻金)が少なくなるなど、解約に対して一定のハードルがあります。このためコツコツ貯蓄をするのが苦手な方でも将来の生活資金にむけた準備を計画的に継続しやすいといえます。

メリット2 個人年金保険料控除が受けられる。

個人年金保険の保険料は、保険料払込期間が10年以上あること、年金受取人が契約者本人または契約者の配偶者であることなど、一定の条件を満たすと、所得税・住民税の個人年金保険料控除を受けることができます。

所得税は年間4万円(2011年12月31日以前に締結した保険契約などの旧契約では年間5万円)を上限に、住民税は年間2万8,000円(2011年12月31日以前に締結した保険契約などの旧契約では年間3万5,000円)を上限に所得から控除されます。

ただし、変額個人年金保険の保険料は、個人年金保険料控除ではなく、一般生命保険料控除の対象になります。

参考:国税庁「No.1140 生命保険料控除>生命保険料控除額の金額」

デメリット1 インフレに弱い。

個人年金保険の多くは、契約した時点で受け取れる年金の額が決まっているため、インフレによって急激に物価が上昇した場合に、受け取る年金の価値が目減りしてしまう可能性があります。

デメリット2 途中解約すると解約返還金が支払った保険料の総額より少なくなる。

個人年金保険は積み立てたお金を長期的に運用することで資産を形成していく保険商品です。契約者が支払う保険料は全額が積み立てに回るのではなく、保険運用に関わるコストが差し引かれます。そのため、途中解約すると支払った保険料の総額よりも解約返還金が少なくなる可能性があります。特に加入から10年未満の解約では、解約返還金が少なくなるケースが多いようです。

20代~30代が個人年金保険を選ぶときは、ここをチェック!

20代~30代が個人年金保険を選ぶときは、ここをチェック!

運用方法や、メリット・デメリットを紹介しましたが、どの個人年金保険を選んだらいいのか迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。比較、検討するうえで、チェックしておきたいポイントを紹介します。

「円建て」か「外貨建て」か。

「円建て」は為替変動リスクを負わないメリットがあるものの、低金利の現状では、リターンが限られています。

「外貨建て」は、日本円より相対的に金利が高い外貨で運用することで、より大きな利回りを期待できます。ただし、為替変動によって、受取額がさらに多くなる場合もあれば、期待したほどのお金が受け取れない場合もあり、支払った保険料の総額よりも給付金額(受け取る年金総額)が少なくなるリスクもあります。

年金額が「定額」か「変額」か。

契約時に年金受取額が決まっている定額個人年金保険に対して、変額個人年金保険は、将来の受取額が運用実績によって変化するため、支払った保険料の総額よりも給付金額(受け取る年金総額)が少なくなるリスクがあります。

返還率(返戻率)の高さ。

支払った保険料に対してどのくらいの給付があるかを表しますが、保険会社や商品によって呼び名や算出の方法が異なります。

また、外貨建てや変額個人年金保険の場合、提示された返還率は、あくまでも仮定した条件下でのシミュレーション結果にすぎません。募集案内などに示された数字だけを見て、高いからいい・低いから悪いと判断するのではなく、定額保険なら最低限、支払った保険料の総額よりも給付金額(受け取る年金総額)が少なくならないことを目指すとよいでしょう。

特約も必要に応じて付加しよう。

個人年金保険には特約があります。特約保険料がかからず、個人年金保険料控除を受けるために必要なものもあるので、必ずチェックするようにしましょう。

個人年金保険料税制適格特約(例:第一生命)

個人年金保険料控除を受けるために必須なのが、「個人年金保険料税制適格特約(例:第一生命)」です。

特約保険料はかかりませんが、付加するには次の要件をすべて満たすことが必要です。検討している契約が条件に合っているかを必ずチェックしましょう。

(1)年金受取人が、契約者または契約者の配偶者であること。
(2)年金受取人が、被保険者であること。
(3)保険料の払込期間が10年以上あること。
(4)年金の種類が確定年金または保証期間付有期年金の場合、年金支払開始日における被保険者の年齢が60歳以上であり、かつ年金支払期間が10年以上あること。

指定代理請求特約(例:第一生命)

指定代理請求特約(例:第一生命)は、年金受取人が被保険者で、被保険者本人が年金などを請求できない特別な事情(保険金等の請求を行う意思表示が困難であるなど)が起こったときに備えられます。こちらも特約保険料はかかりませんので、ぜひ付加しておきましょう。

「10年間は無理なく続けられる保険料」が活用のコツ。

個人年金保険は老後のためだけでなく、10年後、20年後の自分に向けての資産形成目的にも活用できます。

老後資金の準備は若いうちからはじめたほうが有利?とも思いがちですが、20代、30代の方は、結婚や子育て、マイホームの購入など、これからまとまったお金が必要になるライフイベントがたくさんあるかと思います。

前述したように個人年金保険は短期間での解約をすると、支払った保険料の総額よりも解約返還金が少なくなる可能性が高いです。20代〜30代のうちから個人年金保険をはじめるなら、少なくとも10年間は無理なく払えそうな保険料に設定しておくことがポイントでしょう。ライフスタイルの節目ごとに契約を見直し、その時点でよりよいものを追加できる余地を残しておくのが賢明です。

また、資産形成について考えるタイミングをきっかけに、お金全般に関する管理ファイルをつくることをおすすめします。

万が一のことが起こった場合、せっかく保険に加入していても請求しない限り、保険金は支払われません。自分がどんな保険に入っているのか、ネット銀行も含めて、どの銀行に口座を持っているのかなど、お金に関する情報をひとまとめにしておくといいでしょう。

必要な手続きなどを見落とさずに済みますし、ご自身に万が一のことが起こったときの備えにもなります。自分がケガや病気で動けなくても、情報がまとまっていれば家族にスムーズに対応してもらうことができるかもしれません。

【まとめ】特性を知って、資産形成に役立てよう。

20代~30代は引っ越しや転職、新しく家族ができるなど、ライフステージの変化が多い年代です。個人年金保険の特性を知って、うまく付き合っていくと、将来の資産形成に役立つでしょう。

写真/Getty Images イラスト/こつじゆい


橋本 絵美
ファイナンシャルプランナー
株式会社FPフローリスト所属。はしもとFPコンサルティングオフィス代表、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、二種証券外務員、お片づけプランナー。
福岡県出身。慶應義塾大学商学部卒。2男4女を育てるママFP。子ども=お金がかかるという考え方ではなく、子どもは宝であり、安心してもう1人子どもを産めるようにサポートしたいという思いからファイナンシャルプランナーとなる。実践にもとづく“貯まる家計のしくみづくり”と“子どもがいてもすっきり片づく部屋づくり”が好評。


※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。
※ 掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。
※ 記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。
※ 税務の取り扱いについては、2022年4月時点の法令等にもとづいたものであり、将来的に変更されることもあります。変更された場合には、変更後の取り扱いが適用されますのでご注意ください。詳細については、税理士や所轄の税務署等にご確認ください。

(登)C22N0035(2022.5.10)
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