新社会人・女性。初めての保険選びについてFPに聞いてみた。 新社会人・女性。初めての保険選びについてFPに聞いてみた。

新社会人・女性。初めての保険選びに必要な知識をFPに聞いてみた。

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※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」、生命保険料を「保険料」と記載している部分があります。

学生から社会人になるなど、ライフステージが変わると、周囲の環境も自分自身の考え方も少しずつ変化してくるもの。「社会人になったタイミングで保険に加入した」という友人の話もちらほら聞こえてきて、自分自身でも万一の病気などのリスクに備えるため、保険について考えるように。でも、そもそもどんな保険に入ったらいいの……?新卒の20代女性がそんな悩みを解決すべく、初めての保険選びについて、キャリアプランを含めたアドバイスに定評があるファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに伺いました。

目次

20代女性、初めての保険選び。どう検討したらいいの?

ひと口に“保険”といってもさまざまな種類があって、どれが自分に合っているのか、見極めるのは難しいものです。では、初めの一歩で入るべき保険はどんなものでしょうか。

──友人が「次の休日に保険の相談をしに行く」と言っているのを聞き、自分も何か検討したほうがいいのかなと思いはじめました。でも、種類や商品がいくつもありますよね。どう検討したらいいのでしょうか。

独身のうちに入る民間の保険は“自分自身のため”のものだと考えるとよいでしょう。まずは、自分自身の病気やケガのリスクをカバーできるベーシックな医療保険を選ぶとよいでしょう。新社会人のうちはまだ収入も少ないですから、保障の充実した保険の場合、月々の保険料が高額になる結果、家計の負担になってしまうことも考えられます。病気にかかるリスクが少ない20代のうちはベーシックな保険に加入しておいて、将来的にそこに必要な保障をプラスしていくようにすると、無駄がなく、また継続しやすくなります。
総務省の家計調査によると、働いている独身女性(34歳以下)の実収入は平均29万5,001円。うち保険料にかける金額は平均5,518円でした。そこから考えると、毎月の保険料は手取り月収の2%程度に抑えるのが望ましいといえるでしょう。

参考:総務省「家計調査 家計収支編 単身世帯」(2021年)

女性特有の疾病は20代から罹患リスクがある。

──とはいえ、今のところ健康にすごせているので、民間の医療保険の必要性をまだ感じられない部分もあります。

たしかに、たとえばがんの多くは40代以降に罹患率が高くなっていきます。しかし、女性特有のがんはほかのがんとは違い、特に乳がんは20代後半から罹患率が上がりはじめ、40代後半まで急増する傾向にあります。子宮頚がんについても、乳がんほどではないものの30代での罹患が急増し、ピークは45歳ごろです。

年齢階級別罹患率【乳房2018年】

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)

年齢階級別罹患率【子宮頸部2018年】

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)

メンタル疾患も珍しくない。

──なるほど。ほかにも、若くても民間の医療保険が必要になるかもしれないケースはありますか?

メンタル疾患にかかったケースですね。
メンタル疾患では入院日数が長くなる傾向にあります。厚生労働省の調査によると「精神及び行動の障害」での入院日数平均は約277日。入院日数が長いということはそれだけお金もかかるということなので、メンタル疾患への備えも考えておきましょう。

参考:厚生労働省「患者調査の概況」(2017)

必要な保険を考えてみよう。

──たしかに、うつ病で休職した大学の先輩もいるので、入っておくといいのかも……。どんな医療保険に入るといいのでしょうか?

前述のとおり、まずはベーシックな医療保険に加入するのがいいでしょう。そこに、20代での発症が心配な女性特有の疾病をカバーする特約や、メンタル疾患をカバーする特約などがあればプラスしていきます。または、女性に多い病気を幅広くカバーする女性向け医療保険もおすすめです。

一般的に健康に対するリスクは年齢とともに高くなるため、年齢が低いほど保険料は安く抑えられる傾向にあります。お財布のことを気にせず気軽に加入しやすいという面でも、20代のうちの加入はおすすめですよ。

20代女性が保険選びで必ずチェックしたい4つのポイント。

20代女性がチェックすべきポイントを4つに分け、どこを注意して見るとよいか、またはいつ加入を検討するとよいかを、氏家さんにお教えいただきました。

ポイント1:乳がんや子宮頚がんなど女性特有の疾病に対する保障。

がん保険で備えるという選択肢もありますが、中には保障の対象外となる疾患もあるので、契約内容をよく確認する必要があります。女性特有の疾病に手厚い特約や、女性向け医療保険も検討してみるといいでしょう。

ポイント2:メンタル疾患に対する保障。

メンタル疾患というと、うつ病などを思い浮かべ、自分にはあまり縁がないかもと思いがちです。しかし、たとえば「海外出張の時差で眠れず、病院で睡眠薬を処方してもらった」といったケースでも、保険加入できなくなってしまう場合があるので、環境が変わったタイミングで不安を感じるなら、加入を検討してみてはいかがでしょうか。

ポイント3:妊娠・出産に対する保障。

20代、30代の女性にとって入院や手術のリスクが高まるのは、妊娠・出産期です。自然分娩を予定していても、いざ出産のときに緊急帝王切開になってしまった、というケースも考えられます。また、一度帝王切開で出産すると、以降の保険加入ができないこともあります。
妊娠がわかってからだと医療保険に加入しづらくなる可能性があるので、将来的に出産を希望しているなら、結婚のタイミングなどでの早めの加入をおすすめします。ただし、妊娠21週までなら妊娠中でも加入できる医療保険もあるため、必要に応じてチェックしておくといいでしょう。

ポイント4:女性に多い疾病での入院に対する保障。

バセドウ病や関節リウマチなど、女性がかかりやすい病気での入院・手術にも、女性向け医療保険で同時に備えられることもあります。ただし、カバーできる疾病の範囲は保険商品によって異なるので、確認が必要です。

【まとめ】「女性向け医療保険」か「ベーシックな民間医療保険+特約」で検討しよう。

新社会人の女性が初めて保険に加入する場合、20代は病気にかかるリスクが比較的少ないため、まずは「女性向け医療保険」か「ベーシックな医療保険+女性特有の疾病や精神疾患などに備えた特約」に加入するのがおすすめです。そして何より大事なのは、実際に保険が必要になる前に、検討・加入しておくことです。

写真/Getty Images


氏家 祥美
FP事務所ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー、セカンドキャリアアドバイザー。旅行会社、FP会社で働いた後、2010年に現在の事務所を開業。金融リテラシーの普及に努め、高校の家庭科の教科書では経済パートの執筆も行う。


※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。
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(登)C22N0057(2022.5.19) (登)C22N0205(2022.12.14)
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