

教育費をシミュレーション!大学まで進学するとお金はいくらかかる?
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「子どもの成長はうれしいけれど、教育費がどれくらいかかるか心配」「かなりの金額がかかると聞くけれど、どうやってためていけばいいの?」子どもの教育費に関して、そんな不安の声をよく耳にします。「でも、教育費は病気など不測の事態に比べて、いつごろ、どれくらいの金額が必要なのかが把握しやすいんですよ」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さん。
「子どもの将来はまだ決まっていないけれど、いろいろなシミュレーションを見てみたい」という方のために、進学パターン別の教育費のシミュレーション例と、教育費をどのように準備すればいいのかを氏家さんに伺いました。
目次
- 教育費をシミュレーション!子育てっていくら必要なの?
- 教育費を具体例でシミュレーション。
- 教育費の全体像をシミュレーションで把握したら早めに備えよう。
- もしものときに慌てないよう、計画的かつ着実に準備しよう。
教育費をシミュレーション!子育てっていくら必要なの?

「人生の3大支出」の1つといわれることもある教育資金。「子どもを1人、大学まで行かせるには〇万円必要」などという雑誌記事を読んで、不安になる方も多いのではないでしょうか。
義務教育の期間だけでも約373万円。
「不安になるのは、必要な金額がわからないから。すべて公立に通ったとしても、今の日本では、義務教育の期間だけでも約373万円、多くの人が通う幼稚園や高校を含めると、すべて公立に通ったとしても、約574万円が必要になります」(氏家さん)
教育費に関する情報は、国が発表しているデータを参照すると、いつごろまでにいくら用意する必要があるのかという目安がわかります。まずは、子どもの希望も踏まえたうえで進学コースを想定し、かかる金額の概算を算出します。そして、それを何年かけて準備していくのかを考えてみましょう。
大学を卒業するまでにかかるお金は、少なくとも約817万円。
「お子さんの進学コースにもよりますが、教育費が一番必要なのは大学受験を迎えるときです。入学金や授業料など、ある程度まとまったお金を準備しておかなくてはなりません。ちなみに、生まれてから大学を卒業するまでに必要な教育費は、幼稚園から大学まですべて国公立を選んだとしても約817万円(※)かかります。『何年後までにこれだけためなければならない』ということがわかれば、どのように準備していくかという計画も立てやすいと思います。準備期間は長いほど、ためるのが楽になるので、計画は早く実行したほうがいいでしょう」(氏家さん)
※ 大学の検定料を除いた金額。
参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
参考:e-Govポータル「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
教育費を具体例でシミュレーション。

子どもの希望や目標によって、どのような進学コースで学ぶかというパターンはさまざま。進学コースによって必要な教育費は大きく変わります。ここでは、氏家さんにいくつかの進学のモデルケースごとに、必要な金額をシミュレーションしていただきました。
教育費シミュレーション・ケース1:私立大学(文系)に通う場合
(私幼→公小→公中→公高→私大(文系))。
子どもが1人、私立幼稚園→公立小学校→公立中学校→公立高校→私立大学(文系)というパターンで進学した場合の例です。
幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 合計 | |
種類 | 私立 | 公立 | 公立 | 公立 | 私立(文系学部) | |
金額 | 92万4,636円 | 211万2,022円 | 161万6,317円 | 154万3,116円 | 407万9,015円 | 1,027万5,106円 |
※ 大学の検定料を除いた金額。
このケースで進学した場合、高校卒業までに619万6,091円が必要になります。その後、大学4年間で407万9,015円がかかり、合計では1,027万5,106円が必要になります。
教育費シミュレーション・ケース2:専門学校に通う場合
(私幼→公小→公中→私高→私専門)。
子どもが1人、私立幼稚園→公立小学校→公立中学校→私立高校→専門学校(2年制専門学校(理容、美容系・昼間部))というパターンで進学した場合の例です。
幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 専門学校 | 合計 | |
種類 | 私立 | 公立 | 公立 | 私立 | 私立(2年制専門学校(理容、美容系・昼間部)) | |
金額 | 92万4,636円 | 211万2,022円 | 161万6,317円 | 315万6,401円 | 255万円 | 1,035万9,376円 |
※ 専門学校の検定料を除いた金額。
幼稚園から中学校卒業までにかかる金額は、ケース1と同じ。その後、私立の高校に進学すると高校卒業までに780万9,376円が必要になります。その後、2年制の専門学校に通って学んだ場合に必要な学費は255万円。専門学校2年間の学費は大学に進学するケースよりも少ないとはいえ、私立高校に進学したこともあり、ケース1よりも高額な合計1,035万9,376円が必要になります。
教育費シミュレーション・ケース3:子ども2人がそれぞれ別の大学に通う場合
(私幼→公小→私中→私高→国公大(文系)・私大(芸術系))。
子どもが2人いる場合には、必要な金額は2人分になるので、より計画的に準備することが必要です。
上の子は私立幼稚園→公立小学校→私立中学校→私立高校→国立大学(文系)と進み、下の子は、高校までは同じコースで、大学は私立大学(芸術系)で学ぶというケースです。
幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 合計 | |
上の子 | ||||||
種類 | 私立 | 公立 | 私立 | 私立 | 国立(文系学部) | |
金額 | 92万4,636円 | 211万2,022円 | 430万3,805円 | 315万6,401円 | 242万5,200円 | 1,292万2,064円 |
下の子 | ||||||
種類 | 私立 | 公立 | 私立 | 私立 | 私立(芸術系学部) | |
金額 | 92万4,636円 | 211万2,022円 | 430万3,805円 | 315万6,401円 | 585万7,330 | 1,635万4,194円 |
2人の合計金額 | 2,927万6,258円 |
※ 大学の検定料を除いた金額。
私立の中学校・高校に通うとなると、必要な教育費は多くなり、高校卒業までにかかる教育費は1,049万6,864円になります。その後、国立大学の文系に進んだ上の子の場合、大学卒業までに必要な金額の合計は1,292万2,064円です。
下の子の場合、実習系の授業が多い芸術系の私立大学は学費が高いので、大学卒業までに必要な金額は1,635万4,194円。2人合わせた金額の合計は、2,927万6,258円となります。
参考:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」
参考:e-Govポータル「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
参考:文部科学省「令和3年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
参考:公益社団法人 東京都専修学校各種学校協会「令和3年度専修学校各種学校調査統計資料」
※ 幼稚園の利用料は状況により異なります。詳しくは内閣府のHPにてご確認ください。
※ 家庭の状況によっては、幼児教育・保育の無償化制度や高等学校等就学支援金制度などで負担を軽減できる場合もあります。
※ 専門学校は、理容、美容系の2年制の専門学校を想定し、1年分の授業料・実習費・設備費・その他を合計したものを2倍し、それに入学金を加えて算出。
教育費の全体像をシミュレーションで把握したら早めに備えよう。

ここでご紹介したシミュレーションのように、選ぶ進路によって違いはあれど、教育費にはかなりの金額が必要です。でも、子どもが小さいときの子育て期間は、いろいろなイベントがあって忙しく、子どもがやりたいと言い出した習い事など、目先のことにお金をかけてしまいがちですが……。
教育費はいつ必要になるかが把握できる。早めの対策を。
「実際に教育費が必要になるタイミングで困ることがないように、あらかじめ必要な金額を想定して、計画的に準備していきましょう。ご紹介したシミュレーションは、あくまでモデルケースなので、進学コースによって増減はありますが、将来お子さんが『大学に進学したい』と希望することを想定し、最低でもケース1の約1,000万円は教育費がかかるものとして考えておくとよいでしょう。幼稚園から高校までの教育費は、そのときどきの家計から捻出できても、大学資金は金額が大きく急に準備するのは難しいので、なるべく早い時期から大学資金を想定したお金をためるしくみをつくり、淡々と、コツコツと準備していくのがいいでしょう」(氏家さん)
さらに、教育費を準備するための工夫として氏家さんはこう話します。
「ポイントは、支給される児童手当に、家計から1万円ほどプラスして毎月ためていくこと。学資保険(※)やNISAなどを利用するのもおすすめです。無理のない金額で、定期的にコツコツ準備することが大切ですね。“どんな大学のどんな学部にも行けるように”と、学資保険の受取額を高額に設定すると、月々の保険料負担が多くなり、継続して支払うことができなくなってしまうこともあるので要注意です」
※ 学資保険の学資金・満期保険金の受取総額は保険料の総額を下回る場合があります。また、解約返還金は多くの場合、保険料の累計額を下回ります。
学資保険は一番お金が必要になる大学での教育費に!
そして、氏家さんによると、学資保険には意外なメリットがあるとのこと。
「学資保険は、用途が教育資金と明確なため、心理的に解約がしにくいんです。それに、子どものための保険だから、ほかの資金と混ぜて考えずに済みますよね。複数のお子さんがいる場合、それぞれの子どもを被保険者として学資保険に加入しておけば、上の子に使いすぎて下の子の教育費が足りなくなるということも防げます。そういった観点から、学資保険は手が付けにくいという性質が一番のメリットだと思います」
また、“幼児教育・保育の無償化”の時期にあたる小学校入学前は、少し家計に余裕が出る時期です。このタイミングを利用して、積極的に教育資金を準備するようにしましょう。
「大学進学資金は急に準備できないため、私立大学文系に4年間通った場合の平均金額である約400万円は高校3年生の秋までに用意しておきましょう。さらにプラスアルファで準備しておけば、大学から理系に進みたいということになっても対応できますし、もし使わなければ老後の資金として活用することもできます」(氏家さん)
そして、奨学金について氏家さんはこう話します。
「学費の全額を奨学金で支払うとなると、卒業後、奨学金の返済のためにお子さんの生活に支障が出るおそれがあります。基本部分は保護者が用意して、それを超える部分については奨学金を充てるといいでしょう」
もしものときに慌てないよう、計画的かつ着実に準備しよう。

すべてを急に用意することが難しい教育費。なるべく早くから長期間にわたって、計画的に準備することが大切です。まずは、大学に進学する場合に必要な金額を目標にして、しっかりと準備しておきましょう。
それ以上の金額に備えておくためには、家計に無理のない範囲で、学資保険やNISAなどの金融商品を利用するのがおすすめです。
教育費は、いつごろどれくらい必要かを予測することができます。たとえば、中学受験をするなら、小学校高学年では塾代などがかかり、必要になる金額が増えることも、ある程度計算できます。そういうシミュレーションを早いうちから行って、必要な金額を把握しておけば、いざ必要になったときにも慌てることはありません。
子どもの希望をかなえ、悔いのない学生時代を送ってもらうために、成長やライフスタイルに合わせて計画的に教育資金を準備していきましょう。
写真/Getty Images、PIXTA
氏家 祥美
FP事務所ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー、セカンドキャリアアドバイザー。旅行会社、FP会社で働いた後、2010年に現在の事務所を開業。金融リテラシーの普及に努め、高校の家庭科の教科書では経済パートの執筆も行う。
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