サトミツのお悩み相談室。悩める新人へ「結論は急がなくてもいい」。
『ヒルナンデス!』や『オードリーのオールナイトニッポン』など数多くの人気番組で構成作家を担当しているサトミツこと佐藤満春さん。海外ドラマ『24 -TWENTY FOUR-』の主人公ジャック・バウアーのモノマネで人気を博したお笑いコンビ・どきどきキャンプの「じゃないほう芸人」と呼ばれ、その後は趣味であるトイレと掃除のスペシャリストとして、さまざまな番組や講演会から出演依頼が殺到するパラレルワーカーに。
サトミツさんが現在の地点にたどり着いたのは、さまざまなことを諦めながら、求められることに応えてきた「消去法の結果」だったとのこと。そんな彼に、20〜30代の会社員の方々から寄せられたお悩みにお答えいただきながら、仕事との向き合い方や、職場での人間関係の割り切り方などについて教えてもらいました。
消去法で目指した「芸人」への道、与えられた「放送作家」の役割。
──放送作家やラジオパーソナリティー、お笑い芸人など様々な分野で活動をされているサトミツさんですが、どのようにして現在のキャリアに辿り着いたのでしょうか。
もともと僕は、すごく暗い幼少期、思春期を過ごしていました。真面目だけど、勉強はできないし運動もできない。友達も少なく、とにかくラジオだけ聴いていた人生だったんです。大学はギリギリ入れたのですが、就職活動の時期になっても特にやりたい職業もなくて。
周囲はみんな、「とにかく何でもいいから内定を」みたいなムードでしたが、まったくその気になれず……。それでも、お笑いとラジオはずっと好きだったし、芸人になったら30歳くらいまでは売れなくても許してもらえそうだなと思い(笑)、消去法でお笑い芸人を目指したんです。
──消去法ですか(笑)。
それが2001年だったかな。2007年に『爆笑レッドカーペット』という番組がスタートしてテレビにちょっと出られるようになり、ようやくバイトも辞めました。ただ、そもそも芸人として向いてなかったのに、テレビで活躍することは難しいと思い知らされる日々。
そんなときに同じ事務所のオードリーが『M-1グランプリ』で準優勝して『オールナイトニッポン』のレギュラーが決まったんです。僕はとにかくラジオの仕事がしたかったので、最初は見学させてもらうつもりで現場にお邪魔しました。
当時のスタッフさんたちは、「そんなにラジオが好きだったら見習いとして来ちゃえば?」と、僕をチームの一員として受け入れてくれて。そこで放送作家という役割を与えられたというか。
──お笑いやラジオなど夢中になれるものを追いかけていたら、まわりから向いている役割を与えられて今の場所に辿り着いたわけですね。
いや、そんなポジティブな話でもないんです(笑)。やれることは本当に限られているし、今やっていることも本当に向いているとは限らない。ただ、今もありがたいことに放送作家としてのお仕事はいただけているので、「芸人よりは向いていたのかな」くらいの話で。
放送作家の仕事って、こちらから「この番組をやりたい」と思ってできるわけではないんです。いただいた仕事を引き受け、一生懸命やるだけ。僕の働きを相手がどう思うかをコントロールできないからこそ、自分のことを信用して使ってくれた人が「佐藤に頼んでよかった」と思ってくれたら満足というか。それに応えていくしかないんですよね。
お悩みその1:仕事はあくまで仕事。自分の居場所はどうつくる?
──そんなサトミツさんに、実際に20代〜30代の会社員の方々から寄せられたお悩み3つにお答えいただきたいと思います。
就職してから、自分の居場所と感じるようなところがありません。学生のころはサークル活動に熱中していて、そこが居場所だと感じていました。しかし、仕事は、あくまで仕事。特段熱意を持てるわけでもなく、かといってほかにやりたいこともなく、このまま1人で日々を消化していくのかなと思うと悲しくなります。サトミツさんはバラエティーのひな壇ではなく、「放送作家」に居場所を見いだしましたが、どのようにその活路を見つけたのでしょうか?