胃もたれに食欲不振。若い人も要注意なスキルス胃がんを医師が解説。 胃もたれに食欲不振。若い人も要注意なスキルス胃がんを医師が解説。

胃もたれに食欲不振。若い人も要注意なスキルス胃がんを医師が解説。

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「いつも胃がもたれている」「ストレスのせいか、食欲がわかずあまり食べられない」など、日常的な胃の不調に悩んでいませんか? 胃薬を飲めば一時的には回復するから、とそのままにしている方も多いはず。ですが、もしかしたらその症状は、よくある“胃もたれ”ではないかもしれません。

今回お話をうかがった、消化管内科を専門とした医師の富田寿彦先生によると、胃もたれと思っていた症状が、「スキルス胃がん」と診断されるケースがあるとのこと。さらに「若い世代も要注意」というスキルス胃がんとは、いったいどんな病気なのでしょうか?

目次

20代など若い世代も要注意なスキルス胃がん。

スキルス胃がん、という言葉を初めて聞いた方も多いかもしれません。スキルス胃がんも胃がんの1種ですが、胃がんは高齢者に多く発症する傾向がある一方で、スキルス胃がんは20代~40代の比較的若い世代で発症するケースが多いと富田先生は言います。

見つけづらいのに進行が速い“厄介”な胃がん。

スキルス胃がんは、通常の胃がんと発症しやすい年代が異なる以外にも、いくつか特徴があります。

1つは、病変の広がり方です。胃がんは胃粘膜の表面に広がる特徴がありますが、スキルス胃がんは胃壁を硬く厚くしながら、胃壁の内部をはうように広がります。病変が内部で進行するため、表面に潰瘍ができるなど見た目上の変化が起きにくく、内視鏡検査でも見つけづらい、診断が難しい病とされています。

また、がんの進行が速い特徴も挙げられます。がんは、細胞や組織の特徴から、大きく分化型と未分化型の2種類に分けられます。分化型は進行が緩やかな一方で、未分化型は進行が速い傾向がありますが、スキルス胃がんはこのうち、未分化型が多いとされています。

さらに通常の胃がんよりも悪性度が高いうえに、早期発見の難しさから発見時には進行がんである場合が多く、どうしても予後が悪くなりやすい病気です。

スキルス胃がんの危険因子もピロリ菌感染。

通常の胃がんとは異なる特徴を持つスキルス胃がんですが、主な原因は明確にわかっていないものの、一般的な胃がんと同様に、ピロリ菌は危険因子(リスクファクター)です。また、喫煙や飲酒、若い世代のほか、最近の研究では遺伝的要因が発症に関与していることがわかっています。

胃粘膜がピロリ菌に感染すると、炎症が起きて慢性胃炎となります。この慢性胃炎の1つに、胃粘膜に鳥肌のような隆起が広がる「鳥肌胃炎」があります。この鳥肌胃炎は、未分化型がんが最初に発生する場所である「発生母地」になって、スキルス胃がんを引き起こす場合があります。

胃もたれや膨満感。主症状は身近なものばかり。

スキルス胃がんの主な症状としては、胃もたれ・膨満感・食欲不振・体重の減少などがあります。

胃もたれや膨満感。主症状は身近なものばかり。

通常の胃がんは胃粘膜の潰瘍から出血することで、吐血・貧血・血の混ざったタール状の便(炭のように黒い便)といった症状がみられますが、スキルス胃がんは潰瘍がないため、症状が出にくい特徴があります。これが発見を遅らせる一因となります。

またスキルス胃がんは胃粘膜全体を硬くするため、通常は食物が入ってくると膨らむ胃が膨らまなくなり、だんだんと食べられる量が減って痩せていく傾向があります。

症状に心当たりはない?診断されるまでの具体的な症状とは。

胃もたれに膨満感、食欲不振……。スキルス胃がんの主な症状は、どれも日常的にありそうな症状ばかり。今現在も、これらの症状に心当たりがある方は少なくないはず。

次は、富田先生のお話をもとにスキルス胃がんと診断されるまでのケースをいくつかご紹介します。具体的な症状を一緒にみていきましょう。

約3年前から日常的な胃の痛みがあった佐々木さん(仮名・20代男性)。

約3年前から日常的な胃の痛みがあった佐々木さん(仮名・20代男性)。

社会人1年目から約3年間、日常的な胃の痛みを抱えていた佐々木さん(仮名)。少し脂っこいものを食べただけ、ちょっとお酒を飲んだだけ、そのほかにも精神的なストレスを感じると、数時間後には胃が痛む……。いつもは胃薬を飲めば少しは楽になるのに、ここ数週間は痛みが引かないどころか、食欲も落ちてきました。

「もしかしたらよく聞く、逆流性食道炎かもしれない」と、消化器内科に相談することに。診察から数日後、内視鏡検査を受けたところ、胃の膨らみ具合に異常があったとの連絡が。見た目だけでは正確な診断ができないと、細胞の検査による精密な検査で胃の粘膜の下まで採取をしたところ、スキルス胃がんと診断されました。

食欲が落ち、痩せてきていた山口さん(仮名・30代女性)。

食欲が落ち、痩せてきていた山口さん(仮名・30代女性)。

20代は、週末に友人とカフェ巡りをするのが趣味だった山口さん(仮名)。30代になってからは、責任ある仕事を任されるようになり、やりがいを感じつつも残業は増え、休日出勤もしばしばという生活に。食生活も乱れがちになり、基本はコンビニで適当に、ときには1日1食で済ますこともありました。

ある日、体重計に乗るとだいぶ体重が減っていました。たしかに最近、食欲が落ちていましたが、「少し痩せるくらいがちょうどいいか」と深くは考えませんでした。

久しぶりの休日。友人と外食をしに行ったところ、5口ほど食べただけでおなかがいっぱいに。友人からも「かなり痩せたんじゃない?」と心配され、病院をすすめられました。ちょうどそのころ、会社の定期健診があったため、念のためとオプションで胃の内視鏡検査を受けた結果、スキルス胃がんが見つかりました。

胃の内視鏡検査で胃炎と診断された松本さん(仮名・30代男性)。

胃の内視鏡検査で胃炎と診断された松本さん(仮名・30代男性)。

第一子が生まれたばかりの松本さん(仮名)。育休を取得し、妻とともに初めての育児に奮闘。子どもを最優先として、自分の食事などは後回しにしていたところ、1か月ほど前から慢性的に胃もたれのような、胃痛を感じるようになっていました。

ある日子どもの健診で訪れた病院で、胃の内視鏡検査のポスターを見かけ、「仕事で忙しくなる前に診てもらうか」と、内視鏡検査を申し込みました。がんの家族歴がある松本さんは少しひやひやしたものの、結果は胃炎と診断され、経過観察となりました。

松本さんは胃炎であれば問題ないだろうと、仕事に復帰。しかし処方された胃薬を飲んでも、あまり効果はみられず、むしろ食欲も落ちはじめるように。胃の不調を上司に相談したところ、別の病院を受診するようにアドバイスを受けました。そこで再度内視鏡検査を受けたところ、スキルス胃がんが見つかりました。

まずは内視鏡検査を!スキルス胃がんの診断・治療法は?

ここまで、スキルス胃がんと診断されるまでの3つのケースをみていきましたが、いずれも目立った自覚症状がないことがわかります。「若いから」「よくある症状だから」といった自己判断は要注意かもしれません。

もし胃もたれなどの症状があった場合、まずは内視鏡検査を受けましょう。もしそこで異常があれば、胃粘膜の細胞を採取して検査を行います。

仮にスキルス胃がんと診断された場合、多くが発見時に進行がんの状態であるため、CTで胃の全体や腹膜への転移を確認するほか、PET検査やMRIで検査する場合もあります。その後、手術が可能なケースは胃をすべて取り除く全摘手術、または抗がん剤治療が行われます。全摘手術では2週間程度入院し、術後はリハビリを行います。

予測できない入院や手術。もし入院したら費用はどのくらいかかる?

予測できない入院や手術。もし入院したら費用はどのくらいかかる?

最後に、富田先生にスキルス胃がんの予防法をお聞きしました。「胃の不調がなくとも、一度は胃の内視鏡検査を受けて、ピロリ菌を除菌することが効果的」とのこと。もし感染していても除菌治療を行えば、スキルス胃がんだけでなく、通常の胃がん予防にもつながるとのお話でした。ピロリ菌については、こちらの記事でも解説しているのでチェックしてみてください。

今回解説いただいたスキルス胃がんの症状は、どれも日常的にありがちな身近なもの。これからの人生、スキルス胃がんに限らず、自分でいくら気をつけていても、いつ入院・手術につながるような病気やケガをするかは予測しづらいものです。

「仮に自分が何かの病気で入院することになったら……」と不安に思ったかもしれません。それでは、入院費用を含めるとお金がどのくらいかかるのか、一緒にみていきましょう。

金額感を把握しておこう!入院費まわりをチェック。

もしケガや病気で入院した場合、医療費の自己負担分のほかに諸費用がかかります。食事代、個室を希望した場合の差額ベッド代などは公的医療保険の対象外となるため、全額自己負担となります。また、家族がお見舞いに来る場合はその交通費のほか、病院で着る衣類や日用品なども必要です。

公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、1日あたりの自己負担費用は平均で2万700円。病状によって入院日数は変化しますが、長くなればなるほど費用がかさみます。

直近の入院時の1日あたりの自己負担費用。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」をミラシル編集部にて一部加工

※ 公的医療保険には、医療費の自己負担額に限度額を定める高額療養費制度等があり、実際に負担する金額はケースにより異なります。

意外にもかかる入院費。医療保険でもしもに備えよう。

入院中にはさまざまな費用がかかることがわかりましたが、まとまったお金をとっさに用意するのはなかなか難しいもの。こうしたもしもに備えるためにおすすめなのが医療保険です。

医療保険には、入院日数に応じて給付金が支払われる「日額タイプ」と、入院日数にかかわらず一時金が支払われる「一時金タイプ」があります。これまでは日額タイプが主流でしたが、それだけでは保障が十分ではない場合が増えてきています。

というのも、近年医療技術の進歩もあって、病気やケガによる入院の平均日数は以前に比べて短期化している一方で、先ほど説明した1日あたりの入院にかかる自己負担額の総額が増加傾向にあるからです。

参考:
厚生労働省「令和4(2022)年 医療施設(動態)調査・病院報告の概況」
公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」
公益財団法人 生命保険文化センター「平成22年度 生活保障に関する調査」
公益財団法人 生命保険文化センター「平成16年度 生活保障に関する調査」

一時金タイプの保険では、日帰り入院から一時金を受け取れる場合もあります。急な入院・手術であっても、費用面で備えられる安心感があるため、もしもの備えとして検討しておくとよさそうです。

※ 日帰り入院とは、入院日と退院日が同一の日である場合のことが一般的です。

急な入院となっても慌てないように。若いうちから事前の備えを。

20代~30代の若い世代だと、どうしても「がん」と聞くと遠い存在に思いがち。ただ、今回富田先生に解説いただいたスキルス胃がんは、若い世代でも気をつけたい病気であることがわかりました。若さを理由に症状があっても放置していると、スキルス胃がんに限らず、予期せぬ病気になっている可能性はゼロではありません。

もし自分が入院したとした場合を考えて、入院日数に関係なく、まとまった給付金が受け取れる一時金タイプの医療保険など、若い今のうちから検討してみませんか?

イラスト/オオカミタホ


富田 寿彦 
兵庫医科大学病院消化管内科医師/内視鏡センター長、兵庫医科大学医学部健康医療学教授。専門は、消化器内科一般、胃食道逆流症、バレット食道、機能性胃腸症の診断治療、消化器がんの内視鏡治療(粘膜下層切開剥離術)と化学療法、炎症性腸疾患(クローン病)の診断と治療。「誠心誠意」をモットーに、患者に寄り添った診療を行う。


※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。 
※ 掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。 
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(登)C23N0252(2024.2.20)
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