

料理研究家・コウ静子が教える「パパ&ママのいたわりレシピ」vol.3
子育て中のパパやママは、どうしても自分のことが二の次、三の次になってしまいがち。「あれ、体の調子がおかしいな……」と感じても、そのままにしてはいませんか?
そんなときは、食で改善! 料理研究家・国際中医薬膳師のコウ静子さんに、身近な食材でつくる、パパやママに起こりがちな、体のちょっとした不調を整えるのに役立つレシピを教えていただきます。(全3回)
3回目に取り上げるのは、「慢性的な疲れ」。元気が出ないときにおすすめの食材や、レシピを活用したスープストックについてもご紹介します。
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vol.3「慢性的な疲れ」。
元気を取り戻したいときには「サムゲタン」がおすすめ!
「いつも寝不足」「なんだかだるい」「ゆっくり休めない」……そんな声が、育児に家事に、仕事に追われるパパやママから多く聞こえてきます。なかなかとれない体の疲れには、どんなごはんがおすすめなのでしょうか? |

韓国料理の「サムゲタン」を知っていますか? 「サム」は高麗人参(こうらいにんじん)、「ゲ」は鶏肉、「タン」はスープの意味です。寒い時期に食べるもの、というイメージが日本ではあるかもしれませんが、韓国では夏の滋養強壮に、熱々の「サムゲタン」を食べる慣習があります。
疲れやすくて元気が出ない状態は、中医学や薬膳(=中医学の理論に基づく料理)では「気」(生命を維持して活動させるエネルギー)が不足した、「気虚(ききょ)」の状態。「気」を補い、体を温める鶏肉や高麗人参・にんにく・なつめ・もち米など滋養に富んだ食材を煮込んだ「サムゲタン」は、季節を問わず、疲れた体を元気にさせたいときのメニューにぴったりなのです。
「サムゲタン」は、高麗人参やなつめといった特殊な材料を使う、家ではつくれない料理だと思う人もいるかもしれません。でも、食材の薬膳的な役割に目を向けて、代わりになる使いやすい食材に置き換えて、もっと自由につくっていいのです。
高麗人参やなつめは、同じく「気」を補う、じゃがいもやゆで大豆、夏のとうもろこしなどで代用すれば気軽につくれますよね。鶏肉は、丸鶏や骨つき肉でなくて大丈夫です。もち米は「気」を補うだけでなく、体を温める作用もあるので、ぜひ使ってください。
今回ご紹介するのは、通年、スーパーで手に入る食材で簡単につくれる、「サムゲタン」をアレンジしたレシピです。たくさんつくったら、スープを取り分けてストックしておくと便利ですよ。冷蔵・冷凍した場合の保存期間の目安についてもお伝えします。