TaiTanの仕事論。独立して働き続けるために大切なこと。
若手とは呼ばれなくなり、自分でできることもどんどん増えてきた30代前半。ステップアップのために独立も視野に入れているけれど、いざ1人で働こうとすると仕事の仕方やお金の不安が尽きない……。
そんな悩みを抱える方に向け、クリエイティブエージェンシー企業での勤務経験を経てクリエイティブディレクターとしても活動し、ラップトリオ・Dos Monos(ドスモノス)のラッパーやPodcast番組「奇奇怪怪」のパーソナリティーなど、マルチに活躍するTaiTan(タイタン)さんにインタビュー。事務所に所属するDos Monos以外の活動は、すべて自分でマネジメントを行っているというTaiTanさんに、独立した当初の思いや、インディペンデントに働くうえで大切にしていることを伺いました。
創作活動に人生を懸けたい。独立のきっかけとなったプロジェクト。
──かつては会社員としてクリエイティブエージェンシー企業に勤務されていたTaiTanさんですが、独立されたのはなぜですか?
2021年、入社3年目くらいのときに個人の活動として、Dos Monosと当時テレビ東京に勤めていたディレクターの上出遼平さんとで「蓋」という企画をやったんです。
その企画は、テレビでコンテンツが供給されなくなる午前3時~4時台の停波帯(※)の10分間を使って、監視カメラやパソコンのデスクトップなどの不可解な映像をランダムに流すもので。僕はクリエイティブディレクターとしてチームを組んでみんなと企画をつくっていったのですが、すごく手応えを感じました。
もともと創作活動に自分の人生を懸けたいと思っていましたが、「蓋」を経たことでその思いが確信に変わり、「そろそろ独立かな」と考えるようになったんです。
※ 停波帯:テレビ局が電波の送信を停止する時間帯のこと。
──どういうところに手応えを感じたんですか?
多くのアーティストたちは、みんな結構なお金をかけてミュージックビデオをつくりますが、そんななかで同じことをやっても目立てるわけがないですし、人の記憶に残らない。だからミュージックビデオをつくる予算やリソースがあるんだったらテレビ番組をつくっちゃおうと、従来の制作構造そのものを変える企画をやりたいと思いました。
メディアの使い方におけるオルタナティブな新しさの提示という意味でもわくわくしましたし、人生を通してこういうことをやり続けたいと実感したんです。
──クリエイティブエージェンシー企業に所属していてもそういった活動はできそうですが、個人で推し進めたいと考えたのはなぜですか?
個人という単位にこだわっているわけではなく、何かをやりたいと思ったときに、自分でイニシアチブをとって進められるかどうかを優先させたくて、結果的にそういう判断をさせてもらいました。もちろん会社員時代に培った人とのつながりなどに助けていただいていることはいまだにあります。
そもそもの企画のつくり方、ギャランティーの妥当性を伝えるためのプレゼンテーションの仕方、売り物をつくるとはどういうことなのかという感覚など、働いていくうえで当たり前に必要な能力やノウハウは会社員時代に教えてもらいました。
独立して強くなった「自分のブランドを育てていく」という思い。
──実際に会社を辞めたときはどのような心境でしたか?