一戸建ての防犯対策を場所別に解説。空き巣や強盗に狙われやすい家の特徴とは?
最近ニュースでも耳にする機会が増えた「闇バイト」による空き巣や侵入犯罪。暮らしの安心を守るために、一戸建て住宅の防犯対策を見直す家庭も増えています。今回は、防犯アドバイザーの京師美佳さんに、空き巣に狙われやすい家の特徴や、場所ごとの具体的な対策について教えていただきました。一戸建ての設計や購入を考えている人、小さなお子さんがいるご家庭にも役立つヒントが満載です。
目次
- 一戸建ては狙われやすい!空き巣や強盗の最新データを解説。
- 空き巣や強盗に狙われやすい一戸建ての特徴。
- 一戸建ての防犯対策を場所別に紹介!
- 一戸建ての設計や購入の際、子育て世帯におすすめの防犯対策。
- 【まとめ】防犯対策は今や必要不可欠。家族みんなが安心・安全なマイホームで暮らそう。
一戸建ては狙われやすい!空き巣や強盗の最新データを解説。

出典:警察庁「住まいる防犯110番」データで見る侵入犯罪の脅威 ◆侵入窃盗の発生場所別認知件数(令和5年)
住宅などの建物に侵入して行われる犯罪は、まとめて「侵入犯罪」と呼ばれています。このなかには、凶器などで住人を脅して金品を奪う「侵入強盗(※)」や、盗みを目的とした「侵入窃盗」「住居侵入」などが含まれます。
警察庁では、侵入窃盗のうち、一般住宅を狙ったものを「住宅対象侵入窃盗」と分類し、さらに手口によって「空き巣」「忍込み」「居空き」に分けています。
※ 本記事内では「侵入強盗」も「強盗」と表記します。
警察庁のデータによると、侵入窃盗が最も多く発生しているのは「一戸建て住宅」です。その理由には、玄関・窓・勝手口など侵入経路が複数あることや、地面に近く逃げやすいこと、周囲の建物と距離があるため人目につきにくいことなどが挙げられます。こうした点から、一戸建てはマンションなどに比べて狙われやすい傾向にあります。
鍵のかけ忘れの「無締り」に要注意。
近年の侵入窃盗では、「ガラス破り」を上回り、鍵のかけ忘れの「無締り」が最も多くなっています。たとえば「ちょっとコンビニへ」「幼稚園のバスの送り迎えだけ」といったわずかな時間の外出や、在宅中に戸締まりを忘れてしまい被害にあうケースが目立ちます。数分の外出でも、在宅中でもしっかり鍵をかける習慣を徹底しましょう。

出典:警察庁「住まいる防犯110番」手口で見る侵入犯罪の脅威 ◆侵入窃盗の侵入手口
住人への被害が怖い強盗。近年の闇バイトでは侵入・窃盗経験のない若者による犯行も増えており、防犯への意識を一層高めることが求められています。警察庁のデータでは、令和5年に発生した一戸建てへの強盗の認知件数は83件。こちらも侵入手口のほぼ半数は「無締り」です。

参考:警察庁「令和5年の犯罪」『17 侵入強盗 発生場所別 侵入口・侵入手段別 認知件数』
空き巣や強盗に狙われやすい一戸建ての特徴。

一体どんな家が空き巣や強盗に狙われやすいのでしょうか。侵入者の心理や視点を考えながら、ポイントを見てみましょう。
人目につきにくい。
塀や庭木で外から見えにくくなっている窓や、庭に面した掃き出し窓などは、人目がつきにくく、狙われやすいポイントです。また、トイレや浴室などの窓も侵入経路にされがち。アルミ製の面格子は工具で簡単に外される可能性があるので、油断はできません。
家のまわりの手入れが行き届いていない。
玄関のまわりに物が散らかっており、庭木やプランターの手入れなどもされていない家は、家の管理がおろそかだと見られてしまいます。「施錠がルーズで防犯の意識も低いだろう」というイメージが持たれ、空き巣や強盗に狙われやすくなります。
留守であることがわかる。
厚いカーテンが日中もずっと閉まっていたり、夜になっても部屋の明かりがついていなかったりすると、留守だと知らせているようなもの。置き配の荷物がいつまでも玄関先にある、駐車場がいつも空いている、といった状態も同様です。
防犯対策が見当たらない。
防犯対策をしていない家ほど、空き巣や強盗に狙われやすくなります。本格的な設備がなくても、たとえば「防犯カメラ作動中」のステッカーを貼るだけでも、その家の防犯意識が空き巣や強盗に伝わって、狙われにくくなります。

1:塀や庭木などで人目がさえぎられている。
2:トイレや風呂場の窓の面格子がアルミ製。
3:庭木や装飾の手入れが行き届いていない。
4:いつも厚いカーテンが閉めっぱなし。
5:夜になっても電気がつかず暗いまま。
6:置き配の荷物が置きっぱなし。
7:防犯カメラやセンサーライトなどの防犯対策が見当たらない。
一戸建ての防犯対策を場所別に紹介!

空き巣や強盗がいやがる防犯対策の4原則は「音」「光」「時間」「人目」です。それを念頭に対策を考えてみましょう。
一戸建ての防犯対策【窓】。
→「時間」・「音」が有効!
侵入の手口で多いのが、窓を割って手を差し込みロックを解除する「ガラス破り」。これを防ぐには、ガラスを割る「時間」をかけさせることが一番大事です。侵入に5分かかると7割、10分かかると9割の犯罪者はあきらめるという警察庁のデータがあります。
参考:警察庁「住まいる防犯110番」侵入者プロファイリング ~心理と行動3~
窓の防犯対策としては防犯ガラス、防犯フィルムがあります。防犯フィルムを購入するときは、割るのに時間がかかる厚さ350μ(ミクロン)以上のものを選んでください。あわせて、補助錠の設置。窓ガラスに2か所以上ロックがあれば、空き巣が侵入をあきらめる可能性がぐっと高くなります。
「音」による対策も有効です。ガラスを割ると振動で音が鳴る窓用防犯アラームをつける場合は、100デシベル以上の大きな音が鳴るものを選びましょう。
一戸建ての防犯対策【玄関や勝手口】。
→「人目」・「光」が有効!
玄関や窓まわりには、人が近づくと自動で点灯するセンサーライトや、防犯カメラを設置するのがおすすめです。最近は、スマホなどからカメラの映像をリアルタイムで確認できるスマートカメラが主流となっています。双方向通話機能付きで声を出せるものもあり、「通報したぞ!」と侵入者を撃退する「攻めの防犯」に期待できます。
また、玄関の鍵も重要です。これから新しい一戸建てに住む人なら、スマホやカードキー、暗証番号で解錠できるスマートロックや電子錠がおすすめです。オートロック式なので閉め忘れも防げます。
一戸建ての防犯対策【庭】。
→「音」・「光」が有効!
庭は、上を歩くと大きな音がするガラス製の防犯砂利を敷くのが有効です。商品のパッケージに80デシベルの音が出ると書いてあるものを選んでください。センサーライトなら、明るさが自転車のライトほどの300ルーメン以上のものを選んでください。
一戸建ての防犯対策【室内】。
→「光」が有効!
夜になっても部屋の電気がついていないと留守だとわかってしまいます。現在販売されているリモコン付きシーリングライトには、タイマー機能がついています。帰宅が遅くなったり、しばらく家を空けたりするときは、タイマー点灯をセットしておくのがおすすめ。近所に買い物など数時間の不在なら、レースのカーテンを閉めるだけにして、在宅中なのか留守なのかわかりにくくする方法もあります。
一戸建ての防犯対策【その他】。
宅配便の受け取りを置き配で指定する人が多いですが、留守であることを知らせているようなもの。置き配にした荷物を盗まれる危険もあります。宅配ボックスを設置するか、店舗受け取りにしましょう。
最近の一戸建てで人気の「オープン外構」は死角がないのはいいのですが、その分簡単に玄関に人を近寄らせてしまいます。機能門柱を立ててインターホンを設置するなどして〈ここから先は敷地内である〉と心理的にアピールすることが大切です。

1:見通しがよく死角を作らない柵。
2:トイレや風呂場の面格子が頑丈なステンレス製。
3:手入れが行き届いた庭木や装飾。
4:数時間の外出ならレースのカーテンだけにして留守かどうかわかりにくくする方法も。
5:夜になるとタイマーでつく照明器具。
6:宅配ボックス。
7:防犯カメラやセンサーライトなど防犯対策をしている。
一戸建ての設計や購入の際、子育て世帯におすすめの防犯対策。

子どもができて一戸建ての設計や購入をするときに、特に留意したいポイントを挙げてみましょう。
一戸建ての設計や購入の際にしておきたい防犯対策。
新築やリフォームは、防犯対策を行う絶好のチャンスです。たとえば、ガラス窓に防犯フィルムを貼るよりも、最初から防犯ガラスにしたほうが見た目もきれいで半永久的です。センサーライトや宅配ボックスも、新築のときに設置するとすっきりと仕上がります。長期的な目線で見ると、工事や設置の費用がお得になりますよ。
子育て世帯がしておきたい防犯対策。
子どもが小学校以上になると、子どもだけで留守番をする場面が出てくると思います。その際に気をつけたいのが「インターホン対応」です。
空き巣犯は、家に誰もいないかを確認するためにインターホンを押すことがあります。誰も出ないと「留守だ」と判断され、侵入されるリスクが高まるのです。そのため、「絶対に出ちゃダメ」と教えるよりも、カメラ付きインターホンで応対する練習をしておくのがおすすめです。
たとえば、まずはカメラ越しに応対する。そして、あたかも親がいるように演技をして「ママは『忙しいからまたにして』と言っています」と答えるのがベストです。これをいきなりやるのは無理なので、子どもと繰り返し練習して実際にやってみるぐらいの準備をしておきましょう。
過去には2階の窓から子ども狙いの犯罪者が侵入したケースも報告されています。2階に子ども部屋を設ける家庭も多いと思いますが、外から見て子ども部屋だとわかるようなカーテンをつけたり飾りつけをしたりするのは、やめたほうがいいでしょう。
地域全体の防犯で、犯罪を起こさせないまちづくり。
空き巣や強盗は「人目」を嫌います。そこで大事になるのが、近所の人との日ごろのコミュニケーションです。訪問販売や宅配業者を装ってインターホンを押すような不審な人物の目撃情報は、必ず近所で共有してください。また違法駐車も放っておかず、警察に連絡して退去させるのがよいでしょう。犯罪者は、警戒されている、見られている、と思ったらそのエリアには近づかなくなります。
【まとめ】防犯対策は今や必要不可欠。家族みんなが安心・安全なマイホームで暮らそう。

今の時代、防犯対策をまったくしないという選択肢はありません。防犯対策を行うか行わないかで、空き巣や強盗にあうリスクが大違いです。水と安全はタダではありません。どれだけコストをかけるかは、その家の置かれた状況や考え方によって違いますが、自分たちにとってこれだけはやっておく、という防犯対策をそれぞれ考えてみてくださいね。
写真/PIXTA イラスト/こつじゆい
【監修者】京師 美佳
日本初の女性防犯アドバイザー。日本唯一の犯罪予知アナリスト。2001年錠前の認定資格取得、2002年防犯設備士資格取得、セキュリティ企業、防犯ガラスメーカーに勤務したのち、2005年京師美佳セキュア・アーキテクトを設立。講演、テレビ、新聞で防犯の啓蒙活動を行うかたわら、SNSや動画配信でも防犯知識の普及に努めている。
※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。
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