共働き夫婦の子育て、無理なく家事・育児の負担を減らすコツ。 共働き夫婦の子育て、無理なく家事・育児の負担を減らすコツ。

共働き夫婦の子育て、無理なく家事・育児の負担を減らすコツ。

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夫婦共働きで子育てをする家庭は、「仕事と育児や家事を無理なく両立させたい」という悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。仕事や育児で慌ただしい毎日でも、家事を上手にやりくりして、家族で過ごす時間を大切にしたいですよね。

そこで、元育児情報誌の編集長でNPO法人ファザーリング・ジャパン理事、自身も3児のママである高祖常子さんが、共働き夫婦が仕事と家事を両立させるためのコツをレクチャー。できることから無理なくはじめてみましょう。

目次

共働き世帯は、全体の約7割。

2022年の総務省統計局「労働力調査特別調査」、総務省統計局「労働力調査(詳細集計)」によると、専業主婦世帯539万世帯に対し、共働き世帯は1,262万世帯。

1980年代には圧倒的に多かった専業主婦世帯ですが、共働き世帯は年々増加。1990年代に入るとほぼ同数となり、2010年ごろから共働き世帯はさらに増え、2022年の時点では約7割が共働き世帯となっています。

専業主婦世帯と共働き世帯

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「専業主婦世帯と共働き世帯 1980年~2022年」

共働き世帯が抱える子育ての悩み。

家計の安定や子どもの自立心を育むなど、さまざまなメリットがある共働き世帯。しかし、保育園・幼稚園の送り迎えや、勤務中にお子さんの急な体調不良の連絡が入ったときの対応など、共働き夫婦ならではの悩みも発生します。

家事・育児の偏り。

夫婦間、特に妻の悩みや不満の大半は家事・育児の偏りだと言われるほど、役割分担が偏っている家庭が多いのが現状です。

総務省が実施した「平成28年社会生活基本調査」によると、「6歳未満の子どもをもつ妻・夫の家事関連時間、仕事等時間(週全体平均)」は妻が1週間のうちで家事・育児をする時間の平均が6時間10分なのに対し、夫は1時間24分と、共働き世帯においても夫婦間で大きな差がでていることがわかりました。

6歳未満の子どもをもつ共働きの妻・夫の家事関連時間、仕事等時間(週全体平均)

出典:内閣府男女共同参画局「『平成28年社会生活基本調査』の結果から ~男性の育児・家事関連時間~」

残業できない。

保育園・幼稚園のお迎えがあることで、残業を思うようにできないという点もよくあるお悩みです。また、お子さんの体調が悪くなればフルタイムで勤務したくても早退せざるをえません。

今は働きやすさ、子育てのしやすさも職場選びの大切な基準です。

1人の時間がつくれない。

平日は朝から夜まで仕事や育児に追われ、休日はたまった家事をこなす。そんな日々のルーティンのなか、自分1人でゆっくり過ごす時間をなかなかとれず大変という声も、共働きの子育て世代からよく聞くお悩みです。

特に女性は家でくつろいでいるときでも、子どもと一緒にいると危険や不快なことはないかと常にアンテナを張っている状態です。夫婦で協力しあって、少しだけでも1人の時間をつくれると、子どもと過ごす時間をより楽しめるようになると思います。

不満が生まれない家事分担のコツ。

共働き夫婦での子育ての悩みの種といえば、家事の役割分担。うまくシェアして、一方に負担が偏らないようにするコツを解説します。

不満が生まれない家事分担のコツ。

Wワンオペで家族力を上げる。

「ワンオペ育児」と聞くと、夫婦どちらか一方、多くはママに育児の負担が偏ってしまう悪い言葉のイメージですよね。でも、パパもママもお互いに1人で育児と家事を回せる「Wワンオペ」状態が理想的です。

ママだけでなくパパも1人で保育園・幼稚園のお迎えから夕食の用意、お風呂、寝かしつけ、翌日の準備まですべてできる状態がつくれれば、ママに急な残業や出張が入っても対応できますし、たまにはママが友人と食事に行く時間もつくれます。

ときには家事分担を交換すると、Wワンオペの練習になるのでおすすめです。

緊急連絡先はパパが「ヒーロー登録」を!

保育園や幼稚園からの緊急連絡先を、当たり前のようにママにしていませんか? 緊急連絡先をママにしていると、保育園・幼稚園からの呼び出しに対応し会社を早退したり、小児科に連れて行ったり……というママの苦労をパパが知らないままになりがちです。そうすると、「どうして私ばっかり!」とママが不満を募らせる原因になってしまいます。

そこでおすすめなのが、緊急連絡先をパパにする「ヒーロー登録」です。実際にお迎えに行くのがママだったとしても、パパが最初に連絡を受けることで家族の状況を把握でき、意識や行動に変化が生まれます。

便利家電を家事の重要な戦力に!

自動お掃除ロボットや食器洗浄乾燥機、乾燥機能付き洗濯機など、便利な家電は共働き世帯に欠かせません。特に自動調理鍋は、ママの時短はもちろん、料理が苦手なパパでも夕食づくりができるようになるのでおすすめです。家電に任せられる家事はどんどん任せてしまいましょう。

夫婦でスケジュールを共有する。

何時にどこで働くのかといった仕事の内容に加えて、日ごろの保育園・幼稚園の送り迎え、イベント、予防接種、習い事の予定など、家族のスケジュールを共有すると便利です。大事な予定を忘れたり、夫婦間での共有の漏れを防げたりするほか、お互いの状況を把握しやすくなり、子どもが急に体調不良になっても夫婦どちらが対応するかを判断しやすくなります。

リフレッシュを兼ねて夫婦だけで話し合う。

家事や育児の分担に大切なのは、やはり夫婦間のコミュニケーションです。ただ、それを理解していても忙しくてなかなか話せない……という人も多いはず。だからこそ夫婦の時間をもつことがとても大切です。

女性は家事や育児の苦労を言わなくても察してほしいものですが、男性の多くは察することが苦手なもの。お互いに言葉にしなければ相手に伝わらないと考えるようにしましょう。

そのときにおすすめしたいのが、できれば短時間でも子どもを預けて、休日に夫婦でカフェやランチへでかけること。デート気分でいつもとは違う場所へ、少しおしゃれな服を着て出かけることでお互いにリフレッシュできて、前向きな気持ちが生まれます。

そうすることで、「今週は忙しいけれど来週は保育園のお迎えに行ける」など、前向きなアイデアや工夫を生む環境をつくることができるはずです。

もし、やることが多すぎてどうしても会話の時間がとれない……というのなら、それは仕事や家事・育児の負担が大きすぎる証拠です。がんばりすぎないで、手放せることはないか見直すことが大切です。

家事・育児の負担をさらに減らす工夫。

さらに夫婦の家事・育児の負担を軽くするなら、家事そのものを減らし、人手を増やすことも考えてみましょう。

家事・育児の負担をさらに減らす工夫。

いらない家事にサヨナラ!家事の量を減らす。

日ごろの家事を見直すと、手を抜いても差し障りない家事も多いもの。たとえば夕飯も、毎日スーパーで買い物する必要はありません。

食事の宅配サービスや夕食に便利なミールキット、冷凍食材の利用などを週に数回行うだけでも家事の負担は大きく減らせます。お金をかけずとも、週の数日、曜日で献立を決めるだけで買い物のストレスを減らせるでしょう。 

たとえば、水曜日は「お好み献立の日」などと設定して、週末に家族で水曜日の献立を決めることにしておけば、子どもも一緒に楽しめますね。洗濯や掃除も週末にまとめたり、汚れた洗濯物はかごに入れずにそのまま洗濯機に放り込んでしまったりすることも効果的です。家事自体の削減を考えてみましょう。

家事代行サービス、 地域の育児支援サービスなどを賢く使う。

家事代行サービスは、ご存じの方も多い一方で、コスト面の問題で利用を躊躇している家庭も多いのではないでしょうか。

たしかに、毎日依頼すると大きな支出につながりますが、出張や体調不良のときに掃除や片付けをお願いしたり、週末に料理のつくり置きをお願いしたりと、短時間の依頼でも効果的に利用できます。

また、地域によっては子育て支援のサービスを行っていることもあるので、一度ご自身のお住まいの自治体のホームページなどで調べたり、市役所の窓口で相談したりしてみましょう。

料金や内容、条件は自治体によって異なりますが、産前産後の体調が優れないとき、急な出張や入院など不在が数日続くときにリーズナブルに子どもを預かってもらえるので、たとえば、実家が遠いなど、気軽にサポートを得られない場合などは、積極的に活用したいサービスです。

男性が取得するものアリ!育休を取り入れる。

厚生労働省が実施している「令和2年度雇用均等基本調査」によると、女性の約8割が取得している育休(育児休業)ですが、男性の取得率は約1割程度です。そんななか、男性ももっと育児をできるように、国が主導して育休の取得を推進する動きがでています。

もともと企業独自の制度がある場合もありますし、2022年度からは、改正育児・介護休業法が段階的に施行されているため、さらに育休が取得しやすくなりました。夫婦ともにどんなタイミングや期間で育休を取得するか相談しましょう。人手が増えるだけで、家事はぐっとラクになります。

参考:厚生労働省「男性の育児休業取得促進等に 関する参考資料集 」         
参考:厚生労働省「育児・介護休業法について」

【まとめ】工夫次第でゆとりも生まれる。

何かと慌ただしくなってしまいがちな共働き夫婦での子育てですが、工夫次第ではゆとりを生み出すこともできるはず。将来の子どものための教育費や、老後の資産形成にも有利な共働きですから、上手にやりくりをして家族で楽しい毎日を過ごしてくださいね。

写真/Getty Images


高祖 常子         
NPO法人ファザーリング・ジャパン理事、子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント         
全国13万部発行の『育児情報誌miku』編集長として14年活躍。国や行政の委員を歴任し、現在は複数のNPO法人理事を務める。子育てと働き方を中心に幅広いメディアで編集・執筆活動を行うほか、全国で講演を行っている。


※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。         
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