おひとりさまの老後、どんな準備をしておこう?50代から考える老後を楽しく暮らすヒント。 おひとりさまの老後、どんな準備をしておこう?50代から考える老後を楽しく暮らすヒント。

おひとりさまの老後、どんな準備をしておこう?50代から考える老後を楽しく暮らすヒント。

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※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」、生命保険料を「保険料」と記載している部分があります。

時間とお金を自分のために自由に使えるおひとりさま。これまではマイペースに過ごしてきたものの、人生の後半戦に差し掛かると、ふとした瞬間に「このままずっと1人だったら、老後はどうなるのかな……」と不安になることもあるかもしれません。でも、準備できることはいろいろあります。今回は、楽しくおひとりさまの老後を暮らすために、準備できることを、『ひとり老後を快適に暮らす本』(アニモ出版)の著者であるファイナンシャルプランナーの豊田眞弓さんに聞きました。

目次

日本のおひとりさまの現状。

日本のおひとりさまの現状。

「おひとりさま」という言葉が定着して久しいですが、日本では年々、配偶者がおらず1人暮らしのいわゆる「おひとりさま」が増えています。65歳以上の高齢者もその例外ではありません。

65歳以上のおひとりさまは増えている。

内閣府がまとめた「令和3年版高齢社会白書」によれば、65歳以上のおひとりさまは増加傾向にあります。

65歳以上の一人暮らしの者は男女ともに増加傾向にあり、昭和55年には男性約19万人、女性約69万人、65歳以上人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%であったが、平成27年には男性約192万人、女性約400万人、65歳以上人口に占める割合は男性13.3%、女性21.1%となっている。

65歳以上の一人暮らしの者の動向

出典:内閣府「令和3年版高齢社会白書 第1章 第1節 3」

厚生労働省「平成30年版 厚生労働白書 本文掲載図表 1-1-2 50歳時の未婚割合の推移」のデータによると、生涯未婚率が高まっていることがわかります。また、「私は独身ではないから関係ない」と思っている人も、これから先、離婚したり、配偶者に先立たれたりすると、おひとりさまになる可能性はあります。決して、人ごとではないと言えるでしょう。

参考:厚生労働省「平成30年版 厚生労働白書 本文掲載図表 1-1-2 50歳時の未婚割合の推移」

おひとりさまのリスクとは?

若いころは、パワフルに働いて、気楽な1人暮らしを楽しむことができていたかもしれません。しかし老後は、病気やケガのリスクが高まることや、ゆくゆくは仕事をリタイアして働けなくなることなどから、さまざまなリスクに直面する可能性が高まります。

漠然とした老後の不安も、今のうちからどんなことが起こりうるのかを知って、きちんと対応できるようにしておけば安心です。今は自治体の制度や民間のサービスも充実しているので、いざとなったら手配できるよう、少しずつ準備をはじめていきましょう。

安心して老後を迎えるための準備5選。

安心して老後を迎えるための準備5選。

では、ここから、おひとりさまの老後のために、準備をしておきたいポイントを具体的に見ていきましょう。

準備1:病気やケガの入院に備える。

医療保険に加入するなど、病気やケガの入院に備えておきましょう。もちろんこれは、老後に限った備えではありませんが、高齢になればなるほどリスクは高まるので、しっかり考えておきましょう。

準備2:身元保証人を決めておく。

入院や手術の際には、一般的に身元保証人が求められます。多くの病院で求められるケースが多い身元保証人の役割は、入院や手術の費用を連帯保証すること、退院するときの身元引受人になること、死亡した場合の手続きや荷物の引き取りを行うことなどです。入院時の保証人は預かり金(保証金)で代えられる場合もあります。

これは、病院に限ったことではなく、高齢者施設などに入居するときも同様です。親族との関係が良好な場合は、親族に頼めるでしょうが、「親族がいない」「親族との関係が悪く、頼めない」などといった場合もあるかもしれません。最近は、民間の身元保証会社がたくさんあります。また、社会福祉協議会の中には、これに準じたサービスを行っているケースもあります。元気なうちに探しておくと、いざというときに安心です。

準備3:モノを減らす。

家の中にモノがあふれていると、日々の掃除をするのが大変です。高齢になって体力がなくなると、なおさらでしょうし、自分が亡くなったあとは、遺品整理で親族などの手を煩わせることにもなります。老後に向けて、少しずつモノを減らして、すっきりシンプルに暮らすのがおすすめです。

準備4:見守りサービスを利用する。

高齢のおひとりさまの生活でもっとも心配なことの1つは、急病で倒れたり、室内でケガをして動けなくなったりしたときのこと。こうした緊急事態が生じたときにあると安心なのが、警備会社が提供している高齢者向けの「見守りサービス」です。緊急通報機器の非常ボタンを押したときや、動きを感知するセンサーによって一定時間動きがないと判断されたときに、警備員が駆けつけてくれます。

自治体の多くは、費用を補助する形で、65歳以上の高齢者が数百円程度の負担で利用できる見守りサービスを用意しています。ほかにも、弁当や乳酸菌飲料を手渡すことで見守りを行うサービスを提供している自治体もあります。自分が暮らしている自治体や民間のサービスを調べておくといいでしょう。

準備5:自分の貯蓄や資産を把握する。

50代になったら、自分の持っている金融資産やそのほかの資産、負債などを把握しましょう。年金と今の資産では、将来の老後資金がたりないと感じたら、「iDeCo」や「つみたてNISA」、そのほかの方法で老後資産づくりを検討しましょう。70代まで働ける体力づくりも大事ですが、年齢が上がれば一般的に収入は減っていきます。そのため、定年を控えた50代は、老後資金を貯める最後のチャンスと心得ましょう。

老後をさらに楽しもう。交流の場を広げるためのヒント5選。

老後をさらに楽しもう。交流の場を広げるためのヒント5選。

上記で、おひとりさまの老後を安心して暮らすための準備方法がわかりました。ここからは、老後を楽しみながら幸せに生きていくためのヒントをご紹介します。

ヒント1:友達と交流する。

一緒に食事をしたり、楽しい時間を共有したりできる友達は、おひとりさまの老後に欠かせない存在です。また、何かあったときにはお互いに助け合ったり、相談に乗ったりすることもできます。同じ地域に住む友達と交流するだけでなく、連絡が途絶えがちになっている学生時代の同級生などとも再び交流してみるとよいでしょう。今はSNSがあるので、離れている友達ともコミュニケーションが取りやすい時代です。SNSにログインしているかどうかで、お互いの「安否確認」をし合うこともできます。

ヒント2:習いごとや趣味をはじめる。

70代まで多少の仕事を続けるとしても、若いときに比べると自由になる時間が取れます。忙しかった日々から卒業し、自分の好きなことに思いきり熱中できるかもしれません。定年前から習いごとや趣味をはじめておき、定年退職したら、さらに打ち込むのもいいでしょう。自分と同じことに興味や関心を持つ仲間が増えれば、コミュニケーションの輪も広がります。趣味や特技を極めることで、人に教える方向へ進み、収入につながる場合もあります。

ヒント3:ボランティアをする。

ボランティアを通して行う社会貢献は、仕事とはまた異なる価値を与えてくれるでしょう。また、ボランティアで出会う人々は、多様な経験や背景を持っている場合が多いため、自分の視野を広げ、人間として成長するきっかけを与えてくれることもあります。ボランティアといっても、町内自治会の活動やマンションの理事会幹事、市民団体の活動などいろいろあります。スポーツボランティア、災害復興ボランティア、子どもを支援するボランティア、国際協力ボランティア、環境ボランティアなど、たくさんの分野があります。無償のものだけでなく有償のものもあります。老後にボランティアをするならどんな分野がいいのか考えておくことは、現在の生き方も実り豊かにしてくれるかもしれません。

ヒント4:筋力を鍛える。

高齢になって筋力が衰えると歩くのが億劫になって、外出する機会が減ってしまいます。自分がやりたかったことを誰に遠慮することもなく、思いきり楽しむためにも、また、生きがいやお金のために働き続けるためにも、50代のうちからしっかり筋力を鍛えておきましょう。運動習慣のない人は、ウォーキングなど無理のないことから少しずつはじめてみるといいでしょう。

ヒント5:アサーティブ・コミュニケーションを身につける。

いつも自分の言いたいことをうまく言えず、遠慮してばかりでは、せっかく人と交流しても楽しめず、不満やストレスがたまっていくばかりです。その逆で、一方的に自分の意見を押し通していると、人から疎まれます。そこで大事なのが、「アサーティブ・コミュニケーション」です。相手を尊重し、思いやりながらも、率直に自分の意見を相手に伝えるコミュニケーション方法で、 会社の人材育成や社員研修でも取り入れられています。老後を迎える前に、習慣として身につけておくと、おひとりさまの老後がより楽しいものとなるでしょう。

写真/Getty Images イラスト/こつじゆい


豊田 眞弓
FPラウンジ代表。経営誌やマネー誌のライターを経て、1994年より独立系ファイナンシャルプランナーとして活動。個人相談や講演のほか、ウェブサイト・雑誌などに多数のマネーコラムを寄稿。「子どもマネー総合研究会」理事のほか、「親の介護・相続と自分の老後に備える.com」を主宰。亜細亜大学などで非常勤講師も務める。


※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。
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(登)C21N0127(2022.2.15)

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