子どもの教育費を払いながら、老後資金も貯めたい!家計管理が苦手な中年夫婦のありがちNG行動をお金の専門家が解説。 子どもの教育費を払いながら、老後資金も貯めたい!家計管理が苦手な中年夫婦のありがちNG行動をお金の専門家が解説。

家計管理どう工夫?教育費を払いながら、老後資金も貯める方法。

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※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。   
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」、生命保険料を「保険料」と記載している部分があります。

40代〜50代は、子どもの高校や大学進学などで教育費がかかったり、さらに自分たちの老後資金の貯蓄が必要だったり、お金の管理が大変になってくる年代です。「共働きで収入はそれなりにあるはずなのに、なぜか家計に余裕がない……」「大きな買い物はしていないのに、気づくとお金がなくなっている……」。そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか? 浪費が激しく、貯蓄がうまくできていない家計をどう立て直し、管理したらいいのか、ファイナンシャルプランナー・橋本絵美さんに聞きました。

目次

家計の管理が「火の車」に陥りやすい、あるある3パターン。

家計の管理が「火の車」に陥りやすい、あるある3パターン。

40代〜50代で子どもがいる夫婦は、子どもの高校や大学進学のための教育費を払いながら、自分たちの老後の資金を貯めていかなければいけない年代。何かと出費がかさむ時期で、家計全体の収入がいくらあって、何にどれだけ使っているのかわからず、気づけば毎月家計の収支がギリギリ……なんてことはありませんか?

家計の管理がうまくいかない原因として考えられるのが、「現状把握ができていない」ことです。特に現状を把握できていない夫婦は、次の3つのパターンに当てはまることが多いです。

パターン1:夫婦別財布。

共働きの場合、夫婦別財布で、相手にいくら収入があり、何にどれだけ使っているのか具体的に知らないご夫婦もいらっしゃるのでは? 夫婦別財布だとお互いになんとなく相手が貯めているだろうと思い込み、ふたを開けてみたら思ったより少ない……なんてこともあります。それぞれが管理すると、家計全体の現状を知ることが難しくなりがちです。

パターン2:通帳とクレジットカードがやたら多い。

通帳やクレジットカードが多くなると、どこからどれだけ引き落とされるのかが、わかりにくくなります。たとえるなら、風呂おけにたくさんの穴が開いているようなものでしょうか。さらに、クレジットカードの支払いは後払いが多いので、お金を使っているという意識が薄れ、自転車操業になりがちです。

パターン3:浪費と思わない小さな出費が多い。

子育て中の家庭では高校や大学の進学費用など、教育費の負担が大きくなりがちですが、家計に対して問題となるのは、実は日々の小さな支出です。通勤前にカフェラテを買うのが習慣になっていたり、コンビニでおやつを毎日買ったりしていませんか。1日500円でも1か月(30日)で1万5,000円。夫婦それぞれがその金額を使っていたら月3万円になります。お金を使っている意識が薄いぶん、問題だと言えます。

まずはここから改善!共働き夫婦の家計の見直し3ステップ。

まずはここから改善!共働き夫婦の家計の見直し3ステップ。

老後を見すえて無駄遣いをやめよう!節約しよう!といきなり言っても、実行し続けることはなかなか難しいものです。出費が多い40代〜50代だからこそ、小さな取り組みからはじめましょう。夫婦で納得して、段階を踏みながら家計を管理していくのがおすすめです。

ステップ1:現状を把握する。

何より大切なのは現状の把握です。   
一度、夫婦で通帳とクレジットカードをすべて出し合い、明細を見ながらその内容を確認してみてください。使途不明な支出を含め、何にいくら使っているのかを確認します。

ステップ2:固定費を削減する。

現状を把握したあと、行うべきは固定費の削減です。何気なく買っているカフェラテやおやつなど、習慣になってしまっている日々の小さな浪費をいきなりやめようとするとストレスがかかり、リバウンドしがち。一方、通信費や水道・光熱費などの固定費は手続きさえすれば簡単に削減できます。固定費が減って、お金への意識が高まると、自然と日々の出費も減っていきます。

スマホ代や自宅のインターネットなどの通信費を見直す。

総務省「情報通信白書」(2020年度版)によると通信費の家計に占める割合は、2010年の2.64%に対し、2019年で3.45%と増加傾向にあるようです。   
スマホ代は料金プランの見直しや、格安SIMへの乗り換えで削減できます。ぜひ検討してみてください。家族全員分を見直すと、大きな節約につながります。   
また、自宅でパソコンやタブレットなどを使うのに、インターネット回線が必要だと思い込んでいませんか? 自宅でパソコンやタブレットを使う頻度が少ない場合は、もしかするとわざわざインターネット回線を契約しなくても、スマートフォンからのテザリングで十分かもしれません。格安SIMで大容量のプランを契約し、スマホのデータ通信を使うことで間に合う人もいます。

参考:総務省「情報通信白書」(2020年度版)図表1-1-1-5 消費支出に占める移動電話通信料の割合

水道・光熱費を効率よく支払う方法。

額としては大きくないかもしれませんが、水道・光熱費の見直しも重要です。電気とガスは契約変更するだけで安くなることがあります。シミュレーションサイトには、キャッシュバックのキャンペーン情報がまとめられていて、活用するとさらにお得になる場合も。   
また、水道代はたとえば東京都水道局の場合、口座振替にすると月50円引きになります。クレジットカード払いにすれば、各クレジットカード会社のポイントがつきます。支払い方法も固定費見直しのポイントの1つです。

参考:東京都水道局「手続き・料金」

使っていないサービスの「年会費」、「サブスクリプションサービス」はありませんか?

なんとなくつくったクレジットカードをそのまま持っている人は、私が相談を受けた中にはそれなりに多くいらっしゃいました。現在、年会費があるクレジットカードを利用している人は、年会費無料のものに変えると節約できます。さらに、目安として1%以上ポイントが付くカードにすることをおすすめしています。

また最近多いのが、映像や音楽の配信サービスやスマホアプリのサブスクリプションサービスです。月数百円だとしても、利用していないもの、利用頻度の低いものは見直しましょう。

ステップ3:変動費を削減する。

固定費の見直しができたら、いよいよ、変動費の削減です。ポイントは、予算を立てること。そして、支払い手段の一本化です。コンビニやカフェで使うキャッシュレス決済先を1つに決め、予算分だけチャージしておくのです。こうすることで、使いすぎを防ぐことができます。

食費は「3日サイクル」で減らせる!

食費の見直しは、まず食材ロスをなくすことを考えましょう。おすすめなのが「3日サイクルの買い物」です。たとえば1週間に1回のまとめ買いだと、その間に足りなくなると困ると考え、たくさん買ってしまいがち。逆に、毎日買い物に行くと、その日の特売などに釣られて余計なものを買ってしまう。でも、3日おきだと、次の買い物がすぐだから、「今日はあるものでなんとかしよう」と無駄な買い物を減らす意識が高まります。

また、ネットスーパーもおすすめです。購入履歴が残り、買い物かごに入れると自動で合計を計算してくれるので、買いすぎの防止になりますし、予算も管理しやすいからです。買い物に行く手間がなく、時短になるのも、共働き子育て家庭にとってはメリットだと言えるでしょう。

夫婦で老後資金を貯めるために意識改革を。

夫婦で老後資金を貯めるために意識改革を。

何もせず勝手にお金が貯まってくれるほど、貯蓄は甘くありません。先々を見すえて、「老後資金のためにいつまでにいくら貯める」と、夫婦で貯蓄の目的と目標を共有しましょう。目的が明確になれば、期間と必要な額が具体化できます。

目標を明確にする。

何のために、いつまでに、いくら貯めたいか。目標は具体的にしていくことが大切です。たとえば、45歳の夫婦が老後資金のために20年間で1,000万円貯めたいのであれば、年間50万円の貯蓄が必要になります。だとしたら毎月約4万2,000円を捻出する必要があり、それには固定費の見直しで1万5,000円、食費を5,000円削減して貯蓄にプラス……といったように、目標から具体的な行動へと落とし込んでいけます。

貯まるしくみづくり。

何のために、いつまでにいくら貯めるかが決まったら、次は貯めて増えるしくみづくりです。そのしくみのポイントとなるのが、「『先取り』『自動』で『別の場所』」と私はお伝えしています。   
余ったら貯めるのではなく、貯蓄分を「先取り」して「自動」で「別の場所」によけてしまいましょう。   
給与引き去りされる財形貯蓄や銀行の定期預金も手段の1つ。利回りと所得税や住民税が控除されるかどうかを少し意識して、運用益が非課税になるつみたてNISA、老後資金のためであれば60歳までは基本的に引き出しや中途解約ができないiDeCoなども選択肢になるでしょう。

参考:金融庁「つみたてNISAの概要」   
参考:厚生労働省「iDeCoの概要」

個人年金保険も活用しよう。

子育て中、教育費の大きな負担もあるとなかなか大変ですが、老後資金も貯めていきたいもの。老後に備えるためには個人年金保険もおすすめです。個人年金保険は、保険料を60歳や65歳といった一定の年齢まで納めたり、一括で支払ったりすることで、契約時に決めた年齢に達すると、年金または一時金を受け取ることができます。まさに「『先取り』『自動』で『別の場所』」ですし、保険料は一般生命保険料控除とは別に、所定の要件を満たすことで個人年金保険料控除を活用することができます。

参考:国税庁「No.1140 生命保険料控除」

【まとめ】夫婦で現状を把握し、小さな家計の見直しが、老後の準備につながる。

一度、貯めるしくみをつくってしまえば、突発的な出費があったとしても、老後資金は生活費とは別に管理しているから大丈夫と安心できます。重要なのは、夫婦2人で現状と目標を共有し、互いに納得すること。節約や貯蓄が「我慢」ではなく、目標達成への手段になると、ストレスなく続けることができます。小さな見直しで貯まる家計にすることで、子どもの教育費を払いながら、老後の準備もあわせて進めることができるでしょう。

写真/Getty Images イラスト/こつじゆい


橋本 絵美   
はしもとFPコンサルティングオフィス代表。ファイナンシャル・プランナー、お片づけプランナー。  
慶應義塾大学商学部卒。2男4女を育てるママFP。子どもは宝であり、安心してもう1人子どもを産めるようにサポートしたいという思いからFPとなる。実践にもとづく「貯まる家計のしくみづくり」が好評。


※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。   
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※ 税務の取り扱いについては、2022年2月時点の法令等にもとづいたものであり、将来的に変更されることもあります。変更された場合には、変更後の取り扱いが適用されますのでご注意ください。詳細については、税理士や所轄の税務署等にご確認ください。

(登)C21N0143(2022.3.18) (登)C22N0205(2022.12.14)
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