お金に幸福度を左右されない。はましゃか流「自営業の生き方」。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」、生命保険料を「保険料」と記載している部分があります。
自称「フリースタイル自営業」こと、マルチクリエイターのはましゃかさんをご存じでしょうか。大学在籍中にモデル業を務めながら、ライターとしても活動を開始。ジェンダーなど、社会問題に関するユニークな発信で注目を集める存在に。卒業後はフリーランスとして仕事の幅を広げ、イラストレーター・デザイナー・モデル・俳優・コメンテーターなど、肩書に縛られない活動スタイルを貫いています。
「“はましゃか屋”という看板を掲げて、行商人のように全国を旅したい」と語る自営業6年目のはましゃかさん。その独自の仕事観や、お金に対する考え方などについてお話を伺いました。
就活での挫折を経て「新卒フリーランス」の道へ。
――2018年の春に多摩美術大学を卒業して新卒でフリーランスになられたそうですが、はましゃかさんが会社員としての安定を取るのではなく、フリーランスの道を選ばれた理由はなぜでしょうか?
人からは「独立心あるね」と言われますが、全然違うんです(笑)。就職できるなら本当はしたかったんですけど、就職活動がうまくいかなかったんですよ。
――どのように、うまくいかなかったのですか?
エントリーシートなるものを期日までに作って提出するということが、できませんでした。
ただ、なんとか1社だけ、新聞社のデザイナー採用に締切ギリギリでエントリーシートを提出することができて。運よく面接に進めたはいいけど、今度はポートフォリオの作り方がわからない。それでイラストが盛りだくさんの、絵本というか、いまでいうZINEみたいなものを作って持っていったんですよ。「●●新聞社さんに入りたい、私」という思いを綴ったものです(笑)。しかも、本来は面接日の前に送っておかなければいけなかったものを、当日手渡しで。
――面接官は、どんな反応でしたか?
そのポートフォリオらしきものを渡したら、「うん、じゃあもらっておきますね。それで、聞きたいんだけど、本当にうちの会社で大丈夫そう?」と。「あなた、ほかにもっと輝ける場所があるんじゃない?」とも言われました。結局、不採用だったんですが、こんなことを繰り返していたら、絶対に就職できないだろうなと思って。
――それで、フリーランスの道を?
バイトも長続きしないし……。基本的に自分は誰かに雇われて、人に言われたことをうまくやることはできないんじゃないかと、もともと感じていました。
でも、継続はできない代わりに、「単発の仕事は得意だ」という意識はあったんですよね。派遣バイトみたいな、その日だけモデルの仕事をしたり、携帯ショップのキャンペーンガールを務めたり。初対面の人と話すのは得意なので、現場に1日だけ行って、その日に課せられたミッションをこなすというスタイルは性に合っていました。
「この単発バイトをもっと増やして、卒業してからも続けていけばいいんじゃないだろうか」。そう思ったことが、新卒でフリーランスになったきっかけでした。
スキルの雑貨屋として、行商人のように仕事がしたい。
――もともとデザイナーやアートディレクター志望だったそうですが、現在はグラフィック系の仕事に限らず、執筆・モデル・撮影・PRなど、多様なお仕事をされていますね。例えば執筆だけに絞るといった考えはないのでしょうか?