仲人Tが指南「婚活はまず人柄。うまくいくかの見極めはお金の価値観」。
結婚を意識したら避けて通れないのが、お金の話。とはいえ、「年収や貯金以外に何を聞けばいいの?」「婚活段階でどこまでお金の話をするべき?」「お金の価値観が合わない相手とは結婚するべきではない?」など、わからないこともたくさん。
そこで、成婚退会率(結婚相談所で出会った人と婚約や結婚をして退会する確率のこと)60%超えの結婚相談所「結婚物語。」で、チーフアドバイザーを務める仲人Tさんにインタビュー。仲人Tさんといえば、男女の繊細な心の動きを知り尽くした的確なアドバイスとマッチングで、数多くの男女を結婚へと導く敏腕仲人。歯に衣(きぬ)着せぬ婚活アドバイスや成功体験談をつづっている婚活応援ブログも大人気で、婚活業界では知る人ぞ知る存在です。
そんな仲人Tさんに、婚活や結婚におけるお金の価値観の重要性について、たっぷりお聞きしました。
結婚相談所で出会ったカップルは、なぜお互いのことを深く理解している?
──一般的な恋愛結婚の場合、結婚相手のお金の使い方や考え方、収入や貯金というのは、交際中に徐々に知っていくケースが多いと思います。結婚相談所では、真剣交際に進んだお客さまに対し、お金の話についてどんなアドバイスをしているんでしょうか?
結婚相談所の多くは、仮交際から真剣交際にステップアップした時点で、お金を含め、お互いのさまざまな価値観をすり合わせるためのリストをお客さまに渡しています。
リストの内容は、収入や貯蓄の金額、ローンがあるかないか、結婚式や新婚旅行の予算といったお金そのものに関する項目はもちろん、どこに住みたいか、家は戸建てかマンションか、子どもは何人欲しいか、結婚したら家計管理は夫と妻のどちらがするか、子どもが生まれても女性に働いてほしいか、親の介護はどうするのかといった、家計管理につながるさまざまな価値観を知るための項目もあります。
結婚相談所に入会している方は、「結婚」という目的意識がはっきりしているので、交際からプロポーズまでが平均3~6か月くらいと、かなりスピーディーに進みます。一般的な恋愛結婚の人よりもお互いを知る期間が短いぶん、結婚後に価値観のズレが生じないよう、交際中にしっかりすり合わせをして、お互いのことをさらけ出すようにアドバイスしています。
すべての価値観が合う必要はない。どこまで受け入れられるかが重要。
──価値観をすり合わせるリスト、かなり具体的な内容で驚きました!
リストがあるとお互いのさまざまな価値観についてしっかり話し合えるので、「好き」という気持ちだけで突っ走ることがなくなるんですよ。そういう意味では、結婚相談所で出会ったカップルは、一般的な恋愛をしているカップルに比べて、お互いのことをよく知っていると思いますね。
ただ、リストの内容全部について、お互いの価値観が一致していないとダメというわけではありません。そもそも、すべての価値観が同じ人なんていませんから。
じゃあ何が大切かというと、まず1つは自分と相手の価値観の違いを知ったうえで、譲れるもの、譲れないものを見極めること。もう1つは、話し合いの中で、お互いの意見をどこまで受け入れられるキャパシティがあるかを知ることなんです。実際の結婚生活で、いつも片方が自分の意見を押し通していたら、相手はいずれしんどくなりますから。
「家と子どもと食」の価値観がズレるカップルはうまくいかない!?
──仲人としてたくさんのカップルを見てきたご経験から、価値観の中でもここがズレると難しいな、という例はありますか?
ずばり、「家と子どもと食」です。