チートデイは太るだけって本当?元プロボクサーの医師に聞いてみた!
「チートデイ」という言葉を聞いたことはありませんか? ダイエット中、普段の食事制限を緩め、好きなものを食べてもいいとされる日を指します。チートデイをうまく取り入れることで、ダイエットの停滞期を抜け出せるとも言われています。
しかし、「カロリーをたくさん摂るチートデイって本当に効果はあるの?」「逆に太るだけでは?」と疑問に思う人も少なくありません。そこで、産婦人科医であり、元プロボクサーで減量経験もある高橋怜奈先生に、医学的な視点からチートデイのメリットや正しい取り入れ方について伺いました。
目次
チートデイには意味があるの?

「チートデイは意味があるの? それとも太るだけで意味はないの?」
結論から言うと、意味はあります。
ただし、「あくまで精神的なメリットに限った話ですが」と高橋先生は強調します。
チートデイの目的は「モチベ維持」にあり。
「ダイエット中でも、『この日だけは好きなものを食べられる』という目標があることで、日々のモチベーションを維持しやすくなります。適切な頻度でチートデイを設けることでストレスを減らし、長期的なダイエットの成功につながることもあるでしょう」(高橋先生)
では、体への影響はどうなのでしょうか?
チートデイの効果は諸説ありますが、高橋先生は「医学的には、チートデイに身体的なメリットはほぼない」と指摘します。
「栄養が不足している人が一時的に補うのであればよいのですが、そもそもダイエット中の食事管理が適切であれば、チートデイを設けて栄養を補う必要はありません」(高橋先生)
チートデイに賛否が分かれる理由。
チートデイには「有効」という意見もあれば、「必要ない。太るだけ」という意見もあります。それはなぜなのでしょうか?
高橋先生によると、「チートデイのやり方次第で効果が変わるからです」とのこと。
適切に取り入れれば、停滞期の打破や精神的なリフレッシュにつながります。しかし、無計画に行うとダイエット効果は得られず、むしろ逆効果となることも……。チートデイを有効活用するためには、計画性が重要なのです。
正しいチートデイは効果的に働く。
高橋先生はチートデイを成功させるポイントとして、
(1)衝動的に食べない
(2)いつ・何を・どれだけ食べるかをあらかじめ決めておく
この2点を挙げています。
せっかくチートデイを設けるなら、計画的に実行して、ダイエットのモチベーションアップにつなげたいものです。
「『チートデイに何を食べようか』と考える時間も、楽しみの1つになりますし、食事制限を乗り切る助けになるはずです」(高橋先生)
こんなチートデイは太るだけ。

チートデイをうまく活用できる人にはメリットがありますが、計画性のないチートデイはかえってダイエットの妨げになってしまいます。NGなチートデイとは、どのようなものなのでしょうか?
食べすぎた日を「チートデイ」と呼んでいる。
「今日は食べすぎちゃったから、チートデイってことにしよう」
こんなふうにあと付けで、チートデイにしてしまうのはNGです。計画性がないと、食欲がセーブできなくなり、なし崩し的にチートデイの回数が増えてしまうことも。結果的に、ダイエットの妨げになってしまいます。
チートデイが必要ないのに取り入れている。
「極端な食事制限をせず、栄養バランスの取れた理想的なダイエットができているならば、そもそもチートデイは必要ありません。無理なカロリー制限と急激なカロリー摂取を繰り返すよりも、大切なのは日々の食生活を整えることです」(高橋先生)
最初にも触れたように、ダイエット中も適切な栄養管理ができていれば、特別にチートデイを設けて栄養を補う必要はないのです。
ちなみに、プロボクサーやボディビルダーなどのアスリートは、試合やコンテストの前にチートデイを設けることは多くありません。あくまでご褒美目的として、試合後やコンテスト後に設けることはあるそうです。
「厳しいカロリーバランスを維持しているアスリートがチートデイを取り入れると、逆に食欲が増してしまい、結果的に減量がうまくいかないこともあるからです」(高橋先生)
一般の人でも、チートデイを取り入れないほうが、食欲を過度に刺激することなくダイエットがうまくいくケースもあるそうです。
チートデイが多すぎる。
チートデイをひんぱんに取り入れていると、ただの食べすぎになってしまいます。
「多くても週に1回程度が適切です。週に1回であれば、多少食べすぎても問題ありません。翌日から通常の食生活に戻せば、体重が増加することもなく、ダイエットにも大きな影響は出ないでしょう」(高橋先生)
しかし、週に2回以上のチートデイを設けると、単なるカロリー過多になり、ダイエット効果が損なわれてしまいます。
極端な食事制限とチートデイの暴飲暴食を繰り返す。
極端な食事制限と暴飲暴食を繰り返してしまうと、食欲のコントロールが効かなくなり、過食症や拒食症など摂食障害を引き起こすリスクが高まります。
「特に、『チートデイで食べすぎたから、明日から絶食しよう』と考えるのは危険です。極端な食生活の乱れは、心身に大きな負担をかけ、摂食障害につながることもあります」(高橋先生)
高橋先生自身、過去に無理なダイエットを経験したことがあるそうです。
「高校時代、ご飯を食べずにクッキーだけで済ませるなど、極端な食事制限をしていました。ところがある日、友人からもらったチョコレート菓子を一口食べた瞬間に、抑えていた欲求が爆発し、ダイエットに挫折してしまったんです。極端な食事制限は、体に悪いうえにストレスをためるだけなので、やめておきましょう」(高橋先生)

太るだけにしない!チートデイを効果的に活用する方法。

チートデイを上手に取り入れることで、ダイエットのモチベーション維持や精神的なリフレッシュにつながります。では、チートデイを効果的に活用するには、どうすればいいのでしょうか。
チートデイを後悔しない。
「チートデイの目的は、リフレッシュしてダイエットのモチベーションを高めること。後悔せずに楽しく食べてほしい」と高橋先生は言います。
食べたあとに「食べすぎちゃった……」と後悔するのはNG。せっかくのチートデイなら、おいしく食べたことを前向きにとらえ、「また次のチートデイまで頑張ろう!」と気持ちを切り替えられると、ストレスなくダイエットを続けられるのではないでしょうか。
野菜を先に食べて罪悪感を減らす。
基本的に、チートデイで食べてはいけないものはありません。甘いものもジャンクフードもOKですが、食べすぎるとあとで罪悪感に苦しむことも。その防止策として、食べる順番や組み合わせを工夫するとよいそうです。
「ジャンクフードやドーナツなどの脂質の多いものを食べる前に、まず野菜類を摂りましょう。胃もたれを防ぎ、満足感がアップするのでおすすめです」(高橋先生)
チートデイのメニューにタンパク質や炭水化物を取り入れる。
チートデイでも、栄養バランスの取れた食事が基本です。そこに、タンパク質や炭水化物を多く含むメニューを取り入れたいところです。
「たとえばパスタや赤身の肉を使った料理などはいいですね。先ほど挙げたように、食べてだめなものはありませんが、炭水化物やタンパク質の多い食事で体に栄養を補給し、翌日からリセットしていくようにしましょう」(高橋先生)
チートデイの曜日を決め、メリハリをつける。
チートデイは多くても週に1回程度、計画的に取り入れることが大切です。さらに、曜日を決めておくと、衝動的な食べすぎを防ぐのに役立ちます。
「『日曜日はチートデイ』などと決めておくと、1週間のメリハリがつき、ダイエットのモチベーション維持にもつながります」(高橋先生)
食べきれないほどの食事を用意しない。
チートデイの翌日は、通常の食生活に戻すことが大切です。そのためにも、必要以上に食べ物を買い込んでしまわないように注意しましょう。
「食べきれなかったものは冷凍保存したり、見えない場所に保管したりして、翌日に持ち越さないように工夫するのがポイントです」(高橋先生)
もし、翌日になっても食欲が抑えられず、ダイエットのリズムが崩れてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?
「運動や筋トレを取り入れてみましょう。摂取したカロリーを運動で消費することで、罪悪感も薄れ、気持ちをリセットしやすくなります。『食べたものは血肉になる』とポジティブに考えることも大切です」(高橋先生)
【まとめ】ダイエットに近道なし。チートデイは正しく活用しよう。
チートデイを計画的に取り入れれば、ダイエットのモチベーションを高めるだけでなく、精神的なリフレッシュにもなります。週1回程度、適切な頻度で実施することで、停滞期を乗り越え、健康的にダイエットを継続しやすくなるでしょう。
ただし、無計画なチートデイや、極端な食事制限と組み合わせるのは危険。リバウンドや摂食障害のリスクを高める危険性もあります。チートデイを取り入れるなら、普段の食生活とのバランスを意識しながら賢く活用することを心がけたいですね。
写真/PIXTA
【監修者】高橋 怜奈
山王ウィメンズ&キッズクリニック大森 院長。医学博士。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。元プロボクサーであり、ダイエットや無理のない減量、食事療法、運動療法のアドバイスにも定評がある。産婦人科医YouTuberとして医療情報の発信をYouTubeやTikTokで行うほか、テレビや雑誌などで女性のデリケートな悩みに答える。
※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。
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