高尾先生×カニササレアヤコさんが語り合う「生理時の不調、ためらわずに相談してみて」。 高尾先生×カニササレアヤコさんが語り合う「生理時の不調、ためらわずに相談してみて」。

高尾先生×カニササレアヤコさんが語り合う「生理時の不調、ためらわずに相談してみて」。

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働く女性にとって、日々の健康管理は安定した心と体で仕事に向き合うために不可欠な要素。でも、生理による不調で仕事に集中できない日もあれば、乳がんや子宮筋腫などの病気で長期にわたり仕事を休まざるを得ない人も。そんな女性ならではの不調や病気の不安と、どのように付き合っていけばいいのでしょうか?

平安装束をまとい、雅楽器の笙(しょう)を使った「雅楽ネタ」を得意とするお笑い芸人カニササレアヤコさんも、生理中の体調変化で、仕事や雅楽のパフォーマンスが低下してしまう経験をしてきた1人。女性特有の体調管理の難しさや、病気のリスクについて、婦人科医の高尾美穂先生と一緒に考えました。

生理の不調で、仕事も雅楽も納得のいくパフォーマンスができない!

白衣を着た高尾先生とカニササレさんの正面を見据えたツーショット。

──カニササレさんは生理のときに、どのような不調がありますか? 仕事や日常生活にも影響があったりされるのでしょうか?

カニササレ:私の場合は、PMS(月経前症候群)で日中ものすごく眠くなってしまうんです。週2回はプログラミングのお仕事もしているのですが、その仕事中や笙のお稽古中に寝てしまったことが……(苦笑)。

あとは、生理になると筋肉の動きに違和感が出てしまい、雅楽器の演奏が思ったようにできないこともストレスで。藝大受験のときがまさに生理中で、この日のために積み上げてきたものが、自分の努力ではどうにもできないことで台無しになりそうになった苦い思い出があります。

高尾:私はスポーツドクターもしているのですが、カニササレさんの悩みは、女性アスリートの生理の悩みと共通点が多いですね。

最近は、大事な大会で納得できるパフォーマンスをするために、ピルを使って自分で体調をコントロールしている女性アスリートが増えてきました。でも、一般の人でピルを使っている割合は、臨床現場で見ている限りでは1割に満たない程度だと思います。

生理のつらさを緩和する方法はいろいろある!

ソファに座って話すカニササレさん。

カニササレ:実は私、生理による体調不良に悩んだ結果、今は子宮内避妊システム(IUS)を使用しているんです。生理時の症状がものすごく軽減されたので、本当にやってよかったです!

高尾:それはいい選択をしましたね。子宮内避妊システムは、子宮内に挿入するとホルモン剤が5年間放出されて妊娠を防ぐしくみです。避妊のために開発されたものですが、子宮内膜を薄くするため、生理痛や過多月経にも有効であることから、ピルと同様に生理のつらさを緩和する一手として期待されています。

カニササレ:使う前は、子宮内避妊システムは経産婦さんが避妊のために使用するイメージがあったんですよ。でも使ってみたら、生理の出血や痛みがなくなって、本当にラクになりました。実はピルも何種類か試したんですが、薬が自分の体に合っているか1つ試すのに3か月かかるので、子宮内避妊システムを選びました。

高尾:子宮内避妊システムのいいところは、生理の出血が減ってわずらわしさが軽減することに加え、ピルの服用よりも全身への影響が少ないことが挙げられます。生理周期自体は維持されており、除去すれば自然な妊娠も可能です。

子宮内避妊システムは国内外で避妊効果が承認され、過多月経の治療の選択肢としても推奨されているものなのですが、日本には昔から、体の自然の流れに女性が自分で手を加えるのはよくないという独特の考え方が残っていて、活用が進まない一因になっていました。若い世代を中心に、そうした考え方が少しずつ変化してきているのはうれしいですね。

我慢しないで!痛みや不安は大きな病気のサインかも。

──カニササレさんのように、自分で解決方法にたどりつける人がいる一方、生理による体調不良に悩みながらも、「生理だから」という理由で誰にも相談せずに我慢して仕事をしている人も少なくありません。

高尾:生理痛や過多月経がつらいなら、婦人科を受診して、エコーで子宮や卵巣の検査をしたほうが絶対にいいです。もしそのまま放置して長期間経過すると、子宮内膜症で即手術、となることも十分あり得ます。

近年は、早い段階で低用量ピルなどのホルモン治療をはじめ、10年後に子宮内膜症を発症する確率を減らす、という予防医学的な治療方法に移行してきています。生理痛や過多月経は、治療のきっかけを知らせてくれる大事なサインなんです。

「痛み止めでなんとかしのげる」「オンライン診療でピルをもらえるから病院には行かなくてもいいか」ではなく、一度はちゃんと受診して検査をし、自分の体の状態をきちんと知っておいてほしいですね。

早期発見は、命を守ると同時に、人生の選択肢を残すことにもつながる。

ソファに座って話す高尾先生。

カニササレ:2、30代だと、自分は年齢的に病気にはならないと思ったり、生理痛がまさか将来そんなに大ごとになるとは考えないかもしれません。

私も以前、会社の健康診断に婦人科の検査が無料オプションであって、たまたま受けたら異常が見つかったことがありました。自覚症状がまったくなかったので、とても驚きました。

高尾:無料で受けられるのは、いい会社ですね! たとえ有料であっても、会社の健康診断にあわせて定期的に検査をするのはとてもいいことです。そもそも健康診断の検査項目は、働く男性を前提としている内容なので、働く女性が増えた現代では、ややそぐわない部分もあるんですよね。

──企業健診にオプションがついていない方やフリーランスの方などは、自治体が実施している乳がんや子宮頸がんの検診を利用してもいいですよね?

高尾:はい、ぜひ活用してほしいですね。子宮頸がん検診は20歳以上が対象で2年に1回、乳がん検診は40歳以上が対象で2年に1回、定期的に検査を受けておくのがいいと思います。対象年齢と負担額は自治体によりますが、検診は一部の自己負担(無料~2,000円程度)で受けられますよ。

乳がんの場合、40代以上の罹患率が高いため自治体の乳がん検診は40歳以上が対象になっていますが、母親や姉妹など近しい親族が乳がんになっている人の場合、2、30代でも罹患するリスクは高くなるといわれています。そういう方は、2、30代でも定期的に検査を受けたほうがいいでしょう。

カニササレ:早く見つかれば、それだけ治る確率も上がるんですよね?

高尾:はい、命を守ると同時に、早く見つかるほど治療の選択肢が広がる、という点も大事です。特に子宮頸がんは、治療して子宮を残せるかどうかが、人生における妊娠・出産の選択肢を残すことに直結しますから、非常に重要なことなんです。

女性は急な治療が多いから、医療保険で不安に備えることも大事。

──若くても女性特有の病気になるリスクはあるということがよくわかりました! もし、女性特有の病気になって手術や入院をした場合、医療保険で保障してもらえることがあるのはご存じですか?

カニササレ:はい、治療ってお金も時間もかかりますし、その負担が減らせるのはいいですよね。どんな治療をするかがその後の人生のクオリティーに直結するので、頼もしいと思います。

高尾:女性の場合、急に手術が必要になるケースがとても多いんですよ。特に卵巣嚢腫や子宮内膜症のチョコレートのう胞の手術、子宮頸がんの円錐切除などは、若い世代でもよくあります。

経験する病気自体に男女で性差があって、かかる種類も時期も違うため、女性のほうが若い年代において、治療費でまとまったお金が必要になる可能性が高くなります。なので、医療保険などで日ごろから備えておくと、いざというときの安心材料になるかもしれませんね。

生理について自然とコミュニケーションがとれる世の中に。

ソファーに座って語り合うカニササレさんと高尾先生。

──先ほど高尾先生から、若い世代を中心に生理に対する考え方が変わりつつあるというお話がありました。カニササレさんは普段から、同世代の友人と生理に関する話をしたり、情報交換をしたりしていますか?

カニササレ:ごく親しい友人とはしますね。子宮内避妊システムを入れたのも、友人が先にやっていて「よかったよ」という感想を聞いたのがきっかけなんです。身近な人の経験や言葉だと自然に頭に入ってくるし、安心感もあるので、参考になります。あとはSNSで調べて情報を得たりしています。

高尾:身近な人と生理について話したことが、一歩を踏み出すきっかけになるのは、とてもいいことですよね。特にここ5年くらい、女性アスリートやインフルエンサーが、生理との付き合い方を彼女たちの言葉で積極的に語ってくれるようになったことで、世の中全体が以前より生理について話しやすい雰囲気になってきたと感じています。

そうした情報が男性側にも入ることで、つらそうにしている女性に「何かできることある?」と心配りをしてくれるような、自然なコミュニケーションがとれる世の中になるといいなと思います。

カニササレ:若い世代の中には、年齢的にも自分の健康にあまり意識を向けずに無理して働いている人も多いと思います。でも、高尾先生のお話を聞いて、気になることがあったときはためらわずに婦人科を受診してほしいと思いました。

大ごとになる前に病気に気づいて、自分の体と向き合うきっかけを見逃してほしくないですね。今日はとても貴重な経験になりました!

高尾:生理の話はプライベートなことなので、誰にでも話せることではありません。その相手が私たち婦人科医であればうれしいです。科学的な視点できちんとお話ししますので、心配なことがあれば一度、婦人科に足を運んでみてください。

カニササレさんのように伝える力のある人が、ご自分の経験を発信して、同世代の女性の貴重な情報源になってくれると心強いですね。

カニササレ:はい、私もできることから発信していけたらと思います!


カニササレアヤコ 
平安装束をまとい、雅楽器の笙を使った独自の「雅楽ネタ」を得意とするお笑い芸人。東京藝術大学邦楽科で音大生として学ぶかたわら、IT企業にも勤務。アプリ開発などを手がけるエンジニアとしても活躍している。 
 

高尾 美穂 
婦人科医、スポーツドクター、産業医。ヨガ指導者としても活躍。近著に『女性ホルモンにいいこと大全 オトナ女子をラクにする心とからだの本』(扶桑社)など。女性の心や体の悩みに寄り添うあたたかい人柄や言葉が、多くの女性から支持されている。 


※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。 
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(登)C23N0135(2023.10.3)
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#健康 #健康管理 #からだの悩み #女性に多い病気 #妊娠・出産
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