みのミュージックを形づくるコレクション。生活の本質を豊かにする「お守り」とは?
流動的で先が見えない「不確実な時代」を生きる私たち。ときに自分の生きる道に迷い、不安に駆られることも。そんな現代において、唯一無二の存在感を放っているのが、ミュージシャンで音楽評論系動画クリエイターのみのさんです。
ロックバンド「ミノタウロス」としてミュージシャン活動を行うかたわら、音楽を中心に映画や文学、ファッションなど、敬愛するさまざまなカルチャーについて評論するYouTubeチャンネル「みのミュージック」は、登録者数40万人超え(2024年2月時点)。豊富な知識に裏づけられた独自の世界観は、多くのミュージシャンやアーティストからの幅広い支持を得ています。
クリエイターとして日々、コンテンツを発信し続けるみのさん。モチベーションの支えとなっているのが、音楽機材やレコード、古本、ヴィンテージの洋服といったコレクションの数々。忙しい日々のなかでも、生活の本質を豊かにしてくれる「お守り」的な存在だといいます。
コレクションすることが目的ではない。先走る「好き」のきっかけはレコードとの出会い。
──YouTubeチャンネル「みのミュージック」でもたびたびご自身のコレクションを紹介し、コレクターとしても知られていますね。
僕自身はコレクションすることを第一義にはしていなくて、好きが高じて気づいたら集まっちゃった、という感じ。だから、コレクターさんたちのように「ヤバいモノを集めたい」という気持ちはないんですよ。
とはいえ音楽機材は仕事道具でもありますし、必要に迫られて買っていたらギターだけでも約30本、これにアンプ、マイク、エフェクターも数えきれないくらいに増えてしまい、家に置ききれなくて倉庫を借りています。あとはレコード、CD、書籍、服も多いですね。
──身のまわりにモノが増えはじめたきっかけは何ですか?
27歳ぐらいのときに、新曲のレコード盤を出すことになったのがきっかけです。サンプルで音を確認しなきゃいけないのに再生するものがなくて。音楽をつくる人間としてこれはまずいと思い、レコードプレーヤーを一式そろえたのがはじまりでした。