吉田尚記の悩まない子育て。わが子の話を聞く、ラジオ仕込みの会話術。
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子育ての要とも言える、親子のコミュニケーション。程よい距離で互いに信頼関係を築くには、どうすればいいのでしょうか? そこで、一児の父であり、会話に関する著書も手がけている、ニッポン放送の人気ラジオパーソナリティーの吉田尚記さんに、子どもとのコミュニケーションを楽しみ、親子関係を良好に保つヒントを伺いました。
深夜放送担当でいつも朝帰り。アイドルアニメオタクのお父さん。
──深夜のラジオ番組を担当されていた都合で、夜は仕事で、朝帰りで娘さんの登校を見送る日々だったようですね。
ちょうど娘が生まれた日の1週間後から深夜のレギュラー番組がスタートして、番組はそこから15年間続きました。その間は私が朝方帰宅して、晩酌しながらテレビを見ていると、娘が起きてきて、朝ご飯を食べて学校に行くという生活でしたね。
娘が小学校の作文で、「うちのお父さんは朝からお酒を飲んでいる」と書いて、学校から「大丈夫ですか?」と連絡がきたこともありました(笑)。
──朝の時間が親子のコミュニケーションタイムだったのでしょうか?
はい。妻と3人で床に座ってテレビを見て、「これおもしろいね」「この人知ってる?」とか、他愛もない話をしていました。短い時間ながらも、いろいろな話をした気がします。
──娘さんが小さいころからよく会話をされていたんですか?
そうですね。私がアニメ好きなこともあり、小さいころから娘と同じものを見るのが楽しくて。娘がアイドルアニメにハマッたら、休みの日に連れ立ってライブに行っていました。
娘の小学校の行事に行ったとき、「アイドルアニメの話ができるお父さんが来たよ!」とクラスメートたちが色めき立ったこともありましたし。オタクでよかった(笑)。
「子どもは親の作品じゃない」。叱らない、吉田家のコミュニケーション。
──お父さんと一緒に自分の好きなものを楽しめるなんて、娘さんもうれしかったでしょうね。娘さんとの接し方に何かこだわりはありますか?
こだわりと言えるものはないかもしれません。そもそも「親だからこうあるべき」みたいな考えがあまりないんです。うちは親も子どもも対等でありたいと思っていて、私も妻も「こうしたほうがいい」と子どもに意見を押し付けたり、叱ったりはしないんですよ。
──それは驚きです。子育てに叱ることはつきもののような気がしますが。
子どもは親の作品じゃないし、「自分が何か言っても、言われた通りにはしないだろう」くらいにしか思っていないんです。だからあくまで“体臭”くらいの、自分の影響が自然と表れるものと捉えていますね。こうした考え方は、アドラー心理学との出会いや、ラジオパーソナリティーとして、多くの人と接してきた経験によるものかもしれません。
実際、今娘は高校生(取材時は高校3年生)になりますが、関係は良好ですし、目立った反抗期もなかったです。
アドラー心理学との出会い。子育てに困っても悩まない心構え。
──アドラー心理学と出会って、考え方が変わったのでしょうか?