節約生活のコツ10選!すぐはじめられる&ライフスタイル別に解説。
節約生活というと、ケチケチしたイメージがあるかもしれません。しかし、爪に火をともすような生活をしなくても、日常生活を少し変えればできる節約もあります。そんな気楽にはじめられる節約生活のコツを、ファイナンシャルプランナー(FP)の氏家祥美さんが解説します。
目次
- すぐにできる節約生活のコツ。
- ライフスタイル別節約生活のコツ:1人暮らしの場合。
- ライフスタイル別節約生活のコツ:夫婦+子ども1人の場合。
- ケチケチせずに節約生活を続けるコツ。
- 【まとめ】節約生活のコツをつかんで、夢を実現しよう。
すぐにできる節約生活のコツ。
「節約する!」と決意したら、まず行いたいのが支出の見直しです。毎月、どのくらい、何に使っているのかを把握しましょう。
すぐにできて節約効果が高いのは?
「日常的に出ていくもの」「その支出が習慣になっているもの」です。たとえば、なんとなく続けているサブスクリプションサービスや出社前に必ずコンビニに立ち寄って買うペットボトルの飲み物、ATMの手数料など。以下にすぐ手軽にできそうな節約と、手続きは必要だけれど効果が見込める節約術を5つずつ挙げました。節約できる金額は目安です。
取材をもとにミラシル編集部で作成
どんなものから節約すればいい?
「家計のなかで目立って大きい支出から節約したほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、決してそうとは限りません。手をつけるのは、それがなくなっても、あるいは減っても日々の生活に大きく影響がない、自分にとって優先順位の低いものからです。
外食費にしても、食べ歩きが趣味で、それを楽しみに生活しているのであれば、一概に「無駄なお金」とはいえません。QOL(Quality of life:生活の質)に影響のない部分に手をつけるのが節約生活成功のコツです。
そして同時に、水道代や光熱費、通信費や保険料などの固定費の節約を行い、家での食費を抑える工夫をするなど、節約行動を広げていきましょう。
ライフスタイル別節約生活のコツ:1人暮らしの場合。
節約のポイントは、年齢や家族構成、生活スタイルによって変わってきます。1人暮らしの場合、生活費と趣味や遊びのお金との境目が曖昧なだけに無駄遣いしがち。しかし、だからこそ、節約モードに入ると意外と早く効果が現れます。
自転車が趣味のAさんのプロフィール。
参考:e-Stat「家計調査(家計収支編)詳細結果表(2023年)」単身世帯 男女、年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出
FPのアドバイス:趣味のお金は減らしすぎず、メリハリをつける。
独身で可処分所得が多いこともあり、趣味にかなりのお金をかけているようです。自転車関連の支出をなくせば大きく節約できるわけですが、「生きがい」といえるほどの楽しみになっているわけですから、それをゼロにする必要はありません。妥協できるレベルを設定していきましょう。
自転車のカスタマイズにはお金がかかりますので、パーツのカスタマイズは「いくらまで」と年間予算を決める、あるいは、年に1回だけにするなど、自分で制限を設けることも大切です。
そして、自転車以外のこだわりのない部分での支出を抑えていきましょう。家にいる時間が少ないのであれば、家賃の安い部屋に住み替えるというのも1つの手です。
食費は、地方での食べ歩きはこれまでどおり楽しみつつ、外食や食事のデリバリーを減らすのもいいでしょう。私が相談を受ける方に多いのは、音楽・動画配信サービス、新聞電子版のほか、オンラインの英会話などを契約していてあまり使っていないケースです。
サブスクリプションサービスは便利な半面、うっかり放置してしまい、料金を払い続けるということになりがちです。「チリも積もれば」でけっこうな支出になることも。使わないのであれば、思い切って削ってしまうのはいかがでしょうか。
ライフスタイル別節約生活のコツ:夫婦+子ども1人の場合。
“子どもが幼いうちがお金のためどき”といわれるけれど、休みの日にはつい外食してしまいがち……。子育て世帯の場合、将来のイメージを具体的に描くと節約モードのスイッチが入りやすくなります。
夫婦共働き、子ども1人のBさん家族のプロフィール。
参考:e-Stat「家計調査(家計収支編)詳細結果表(2023年)」世帯人員別1世帯当たり1か月間の収入と支出
FPのアドバイス:目標を決めて節約ポイントを明確にする。
私の経験からも、「ダブルインカムで世帯収入は多く、お金に困ってはいないけれど、なぜか余裕がない」という家庭は少なくありません。そういうご家庭にアドバイスするのが「目標を持つこと」です。
子どもにはどんな教育を受けさせたいのか。そのための教育費はいくらかかるのか。理想のマイホームはどんな家なのか。その家を手に入れる際、何年ローンで月々どのくらいの返済になるのか。未来のロードマップをしっかり描くことで、必要なお金も具体的になり、意識が大きく変わりますよ。
目標が定まったら、具体的に家計を見直していきましょう。宅配でこだわりの食材や雑貨などをつい買いすぎていませんか? 会員制大型スーパーに行ってはレジャー感覚でお金を使っていませんか? 積もり積もると、月の食費が10万円以上になってしまうことも。
実際に使っている食費を見直して、適正な額を出していきましょう。つい多めに買ってしまいがちな宅配の注文は予算を決めるのがおすすめ。食費全体で2万円ほどは減らせそうです。おでかけのついでの外食をゼロにする必要はありませんが、回数を減らしてはどうでしょう。
また、週末しか車を使わないなら、カーシェアに切り替えるのも節約の1つ。車の維持費と、駐車場代だけでも月3万円くらい節約できます。
習い事を掛け持ちしているというお子さん、多いですよね。本人が興味を持ち、意欲的に取り組んでいるのであれば別ですが、本人も乗り気ではなく惰性で続けているのであれば、見直すのもいいかもしれません。
そのほか、サブスクリプションサービス代なども含め、家計の“ブラックボックス”がないかを確認してください。もともとの収入は少なくないわけですから、目標を持って行動を変えれば、すぐに貯蓄にまわす余裕が生まれるでしょう。
ケチケチせずに節約生活を続けるコツ。
とはいえ、無理をしすぎても節約は続きません。自身の生活スタイルにあわせて節約するにはどうしたらいいのでしょうか?
収支をしっかりと把握する。
まずは、家計全体の収支を把握しましょう。生活や人生の楽しみに必要がない「無駄遣い」から節約していくわけですが、何が無駄遣いかは人それぞれです。やめても、QOLが下がらないものを探してみてください。
家計を見直す場合、「日用品費」「雑貨費」などと細かく分けるのはむしろ逆効果。実はトータルではけっこう使っていたなんてことになりがちです。食費も家での食費と外食を分けず「食費」と大きく考えて、そこからどこまで減らせるかを考えたほうが節約しやすくなります。
大きく節約できる部分と毎日の積み重ねで節約できる部分を把握する。
電気・水道・ガス、通信費や家賃など、固定費の見直しは一見面倒です。しかし、場合によっては大きく節約でき、一度最適化してしまえば、日々考える必要がないので節約には効果的です。
一方で、1回あたりは少額だけれど、日々の積み重ねでトータルにすると意外に大きいというものもあります。たとえば、毎日通勤途中で買うのが習慣になっているコーヒー、コンビニでつい買ってしまうレジ横のスナック。それらがとても大切なものであれば別ですが、惰性で買う習慣になってしまっているものは、節約できる支出になります。
明確な目標を持つ。
「ずっと憧れていた家具を買うための資金をためる」
「子どもが高校を卒業するまでに教育費として400万円ためる」
「5年間でマイホームの頭金を準備する」
このように、節約の目的を明確にすると、がんばる意味が生まれます。無駄な支出も減らせるのではないでしょうか。
参考:文部科学省「令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額(定員1人当たり)」の調査結果について
【まとめ】節約生活のコツをつかんで、夢を実現しよう。
「節約なんて楽しくない」という人は、発想を変えてみましょう。節約は、夢や目標を実現するためにお金をつくる手段です。自分にとって不要と感じるものに使うお金を減らして、より価値があるものにお金をまわしていきましょう。
写真/Getty Images イラスト/こつじゆい
【監修者】氏家 祥美
FP事務所ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー。「幸福度の高い家計づくり」をモットーに、2005年よりFP相談を行う。ストレスなくためられる「家計のしくみづくり」が好評。大学の非常勤講師やキャリアコンサルタントとしても活動している。
※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。
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