

ダイエット中もお酒をやめたくない方へ!管理栄養士が教える簡単飲酒メソッド。
「やせたいけれど……お酒はやめられない。やめたくない‼︎」そんな一見わがままな願いでも、実はかなえる方法があります。ご自身も25キロ以上のダイエットに成功したことのある、管理栄養士・NPO法人女性ウェルネス食推進機構理事長の伊達友美さんは、「お酒を飲みながらでもやせられる方法はある」と断言! お酒を飲んでも太りづらくなる方法をアドバイスします。
目次
- お酒を飲みながらでもダイエットはできる!
- 【飲む前】飲み会前に野菜ジュース1本を飲む。
- 【飲むとき】飲んでいるときに意識したい3つのこと。
- 【飲んだあと】翌日のリカバリー方法を紹介。
- 【Q&A】お酒とダイエットのよくある疑問。
- 【まとめ】「心の栄養」もチャージして健やかなダイエット生活を。
お酒を飲みながらでもダイエットはできる!

私は35年間食事指導をしてきましたが、これまで一度も、お酒が好きな人に「お酒をやめてください」といったことはありません。お酒を飲みながらでもダイエットはできます。
お酒だけで太るというよりは、何かほかに原因があることが多いですね。たとえば、アルコールの食欲増進効果で食事もとりすぎてしまったり、飲み会以外でも食べすぎていたり。
ただ、余分に食べすぎたり飲みすぎたりしても、そのぶんカロリーを燃焼させられれば帳尻はあいます。ダイエットには「基礎代謝を上げる」ことがとても重要なんです。
具体的には、たんぱく質・ビタミン・ミネラルなど、代謝をよくするために必要な栄養素をしっかりとりましょう。そして、代謝を促進する「オメガ3系脂肪酸」などの良質な油をプラスしていくのです。代謝を上げることができれば、ダイエット中だって、お酒をやめる必要はありません。
【飲む前】飲み会前に野菜ジュース1本を飲む。

お酒って、誰と飲むかで美味しさが変わったりしますよね。好きな人たちとの楽しい飲み会なら、お酒も美味しく飲めるので、思いっきり飲み食いを楽しんでもいいかと思います。ただ、義理で仕方なく参加する飲み会のお酒は、そんなに美味しくないはず(笑)。美味しくないお酒は飲みすぎないほうがいいですよね。対策をしていきましょう。
飲み会に行く前にコンビニに寄り、野菜ジュースを1本買って飲みましょう。もしくはおにぎりを1個食べるのもおすすめです。野菜ジュースは飲み会で不足しがちなビタミンなどの栄養を補給できますし、胃に何か入れておくことで、空腹感が緩和され、飲みすぎや食べすぎを防ぐことができます。
【飲むとき】飲んでいるときに意識したい3つのこと。

飲んでいる間は、飲むこと、食べること、おしゃべりを楽しむことに集中したいですよね。以下の3つだけを意識してください。
お酒と一緒に水分をとる。
飲酒には、脱水症状を引き起こすリスクがあります。「お酒は液体なのに?」と疑問に思われるかもしれませんが、お酒を飲んだところで水分補給にはなりません。なぜなら、アルコールは利尿作用が高く、飲んださきから尿として水分が出ていってしまうからです。
どんなお酒を飲んでいても、チェイサーをかたわらに置きながら飲む習慣を身につけてください。
体を冷やさない。

お酒を飲んで血中アルコール濃度が高まると、血管は水分を取り込んで濃度を下げようとします。これがむくみの原因となり、冷えを招きます。冷えやむくみは代謝を下げますから、やせにくくなってしまいます。
お酒自体が冷たいとますます体が冷えてしまうので、キンキンに冷えたビールや、氷が入った冷たいお酒ばかりはやめましょう。チェイサーにも氷を入れないように。シメには、温かい汁物を飲むといいですよ。
いい油をとる。
お酒を飲むときにおすすめなのが、いい油をとること。たとえば、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった「オメガ3系脂肪酸」の油は、中性脂肪と悪玉コレステロールを減らす働きがあります。さらに、善玉コレステロールを増やす効果も。
なので、おつまみにイワシやサバなどの青魚を選んでいきましょう。オメガ3系脂肪酸の油は酸化しやすいため、フレッシュなものを生で食べるのがおすすめ。可能であれば、お刺身で食べるのがベストです。
【飲んだあと】翌日のリカバリー方法を紹介。

飲酒によって体は脱水傾向にあるので、まず起きたら水分をたくさんとりましょう。「まだ胃が重い」と感じるのであれば、無理に朝ご飯を食べる必要はありません。もし何か食べるとしても、果物やお味噌汁など、胃の負担にならないものにするといいでしょう。
ランチは軽いものをとるなどして、前日飲み食いしすぎたカロリーのぶんを調整しましょう。
【Q&A】お酒とダイエットのよくある疑問。
ここでは、お酒とダイエットのよくある疑問についてお答えしていきます。
お酒でカロリーを摂取するぶん、食事を減らして帳尻をあわせてもいい?

「お酒を飲むかわりに、食事を極端に減らしたり抜いたりして、摂取カロリーの帳尻をあわせる」という人もいるようですが、それはおすすめしません。
アルコールのカロリーは1gあたり7キロカロリーといわれていますが、すぐに代謝されてなくなってしまうエネルギーです。「エンプティカロリー」とも呼ばれるような「体に蓄えられないカロリー」なので、お酒のカロリーはあまり気にする必要はないのです。
普段、なんとなく食べているもののカロリーのほうがよほど体に影響を与えるのに、そちらは気にしないで、お酒のカロリーだけを気にしすぎるのは、矛盾しているかもしれませんよ。
また、やみくもに食事を減らすと何が起きるかというと、栄養素不足で基礎代謝が下がってしまうんです。私も過去「食べないダイエット」にハマって、1日500キロカロリーしか食べていなかった時期があります。基礎代謝が大幅に下がっていたので、そのあとたった1000キロカロリーぶん食べただけで太ってしまいました。
シメのラーメンがやめられなくて、どうすれば?

お酒を飲むとアルコールを分解するために肝臓で糖が使われるので、低血糖になりやすく、それを補給しようと体が炭水化物を求めます。それが、飲んだあとの「シメのラーメン欲」の正体です。
ラーメンのスープには塩分も多く含まれますし、大っぴらに推奨できるものではありません。でも、飲み会で楽しく飲んだあと、「美味しいラーメン食べたい!」というのであれば、がまんせずに食べていいと思います。塩分も糖分も、翌日以降の食事で摂取量の帳尻をあわせればいいだけです。
ただ、惰性や習慣で「なんとなく、そこまで味わっていないけれど食べている」のであればやめるべきでしょう。飲んだあと、シメのラーメンを食べたいと思ったその気持ちがどの程度のものなのか、自分の心に尋ねてみてください。
【まとめ】「心の栄養」もチャージして健やかなダイエット生活を。
私は、食べものや飲みものを口にする目的は2つあると考えています。1つは体に栄養を補給するため。もう1つが心に栄養を補給するため。体か心、このどちらかに栄養をチャージするものであれば、基本なんでも食べていいと考えています。
お酒は体にいいとはいえませんが、飲むことで気分がよくなるのであれば、それは「心の栄養」です。ダイエット中だとしても、あなたにとって必要なものですから飲んでいいのです。
「本当にその1杯を飲みたいと思っているのか?」「本当にそれを食べたいと思っているのか?」こう自分に問いかけてみる習慣をつけると、お酒とうまくつきあいながら、ダイエットも成功させられるのではないでしょうか。
写真/PIXTA イラスト/こつじゆい
【監修者】伊達 友美
管理栄養士、日本抗加齢医学会認定指導士、NPO法人女性ウェルネス食推進機構理事長。制限するダイエットではなく、栄養をプラスして代謝を上げる「プラス栄養メソッド(R)」を提唱。ダイエット・食事カウンセラーとして、これまで35年にわたって食事指導を行う。『ダイエットカウンセラーが教えるお酒を飲んでも太らないうまい食べ方』(青春文庫)など、著書多数。
※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。
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