学資保険はいつから入るのがいい?年齢別のメリットを紹介【FP監修】 学資保険はいつから入るのがいい?年齢別のメリットを紹介【FP監修】

学資保険はいつから入るのがいい?年齢別のメリットを紹介【FP監修】

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※記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。 
※文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。

子どもの進学などに関わる教育資金は、子育てにかかる費用の中でも特に金額が大きいもの。子どもの将来を見すえ、希望する進路を選択させてあげられるように、なるべく早くから準備したいですね。

そこで検討したい「学資保険」について、加入のタイミングとメリット、支払いの工夫などを、子育て世帯のさまざまな相談を受けているファイナンシャルプランナー(FP)の辻理恵さんにお聞きしました。

目次

学資保険を検討する際に必ずチェックしたいポイント。

学資保険を検討する際に必ずチェックしたいポイント。

学資保険は、子どもの教育資金の準備に適した保険です。一定期間、決められた保険料を支払い、満期になるとまとまった金額が受け取れるため、将来必要になるであろう教育資金を計画的に準備することができます。さらに、親(契約者)に万が一のことがあった場合でも、その後の教育資金に困らないための備えにもなります。

学資保険の保障内容としては、満期になると受け取れる満期保険金のほか、入園・入学のたびにまとまった学資金を受け取れるもの、親が死亡した場合には、その後の保険料の支払いが免除されるものなど、さまざまな型があります。

辻さんは、「各ご家庭の家計やライフプランにもよりますが、子育て世帯の資産形成の方法としては、大いに検討する価値がある保険」だといいます。では、学資保険は、どのタイミングで加入するのがよいのでしょうか。

学資保険の必要性について検討する場合は次の記事もご覧ください。

学資保険は、いつから入るのがいいの?

一般的には、「学資保険への加入は、早ければ早いほどいい」ようです。たとえば、文部科学省の「初年度学生納付金の調査結果概要」によると、私立大学の2021年度入学において、授業料・入学料・施設設備費・実験学習料など初年度に納める総計は約148万円と試算されています。

参考:文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」

子どもが大学に入学する約1年前(17歳)までにこの額を用意しておくには、0歳から貯金をはじめた場合では、単純計算で月額約7,000円。3歳からだと約9,000円、5歳からは約1万円、7歳からは約1万2,000円、10歳からは約1万8,000円が必要となります。つまり、開始が早ければ早いほど、月々の負担を最小限におさえて資金を準備できるのです。

また、辻さんによると、「子育て世帯に毎月支給される児童手当を、そのまま学資保険の支払いに回すのも1つの選択肢」とのこと。児童手当は、所得制限のない世帯で、0歳~3歳未満では月額1万5,000円、3歳~小学校修了前で1万円(第3子以降は1万5,000円)、中学生では1万円が支給されます。この総額約200万円を教育資金に充てるとともに、保障によって将来への不安を軽減させることもできるのが学資保険なのです。

参考:こども家庭庁「児童手当Q&A」(参照:2023年12月27日)

とはいえ、各世帯のライフプランなどもあります。加入のタイミングを検討するために、辻さんに、年齢別のメリットなどを解説してもらいました。

生まれる前(妊娠中)~0歳で加入する場合。

生まれる前(妊娠中)~0歳で加入する場合。

学資保険は「出生前加入」といって、子どもが生まれる前から加入できます。一般的には出産予定日の140日前、すなわち安定期に入った妊娠6か月目からの加入が可能です。辻さんによれば、このタイミングで加入するメリットとしては、以下が考えられるそうです。

保険料が安くなる。

早いうちから学資保険に加入することで、保険料の総額は安くなります。満期まで続けることを前提とすると保険料を支払う期間は長くなることから、商品の設計上、保険料の運用期間をそれだけ長期に設定できるためです。

ゆっくり比較検討する時間がある。

出産後は赤ちゃんの世話で慌ただしく、保険のパンフレットを読んだり窓口に行ったりする時間がとりにくい一方、出産前は夫婦ともに時間的な余裕があります。この時期に、学資保険の内容をじっくり比較検討し、また、今後のライフプランをよく考えたうえで選ぶとよいでしょう。

なお、まだお子さんの名前が決まっていなくても加入できます。産後、名前が決まったら、あらためて登録の手続きを保険会社に申出ることになります。

早めに検討したい保育園や幼稚園について知りたい場合はこちらの記事もご覧ください。

1歳~3歳で加入する場合。

1歳~3歳で加入する場合。

1歳~3歳で学資保険に加入する世帯は多いようです。辻さんも「これまでに相談を受けたご家庭では、だいたい3歳くらいまでに学資保険の加入を決めるケースが多かった」といいます。こちらも、このタイミングで加入するメリットを聞きました。

教育費にさほどお金がかからないうちから加入できる。

1歳〜3歳の時期に、習い事などを本格的にはじめる子どもは多くありません。つまり、あまりお金がかからないこの時期から学資保険の支払いをスタートすると、その後の資産形成がスムーズになると考えられます。

払込期間や受け取り回数を調整すると、返還率が上がることも。

学資保険の中には、「15年の保険料支払期間を10年に短縮する」「保険料の支払方法を月払から年払にする」「子どもの進学にあわせて、入学するごとに学資金が支払われるタイプの保険だが、受け取らずにすえ置く」といった形で、返還率を調整できるタイプもあります。

返還率(返戻率)とは、支払った保険料の総額に対して、満期保険金など将来受け取れる金額の割合を示したものです。「返還率100%」なら支払った保険料と同額、返還率が100%よりも高ければ、支払った保険料より多く受け取れるということになります。

ただし、無理のある支払い計画にして、結局支払えずに解約してしまっては意味がありません。将来を見すえ、返還率と支払額のバランスをよく考えてから加入しましょう。

4歳以降に加入する場合。

4歳以降に加入する場合。

また、辻さんに、4歳以降のタイミングで加入するメリットなどを聞きました。

※ 学資保険の中には、被保険者(子ども)に年齢制限が設けられていて、4歳以降は契約の対象にできない商品もあります。また、契約者(親)にも年齢制限が設けられている商品もあるため、契約内容を事前によく確認しておきましょう。

母親の復職のタイミングで加入できる。

子どもが幼稚園や小学校に上がるころのタイミングで、復職を検討する母親は少なくありません。母親の収入で学資保険の保険料を賄うことを考えている場合は、最適なタイミングだといえます。

このタイミングであらためて検討してみる。

契約内容にもよりますが、親(契約者)が、亡くなったときや高度障害状態(病気やケガで体の機能が著しく損なわれた状態)などになった場合でも、教育資金を確保できることが学資保険の大きなメリットです。そのため、辻さんは、「貯蓄で教育資金を用意してきた人も、子どもが大きくなってきたこのタイミングで、あらためて学資保険を考えてみてもよい」といいます。

返還率はチェックしておきたい。

返還率はチェックしておきたい。

加入のタイミングだけではなく、前述した返還率もきちんと確認しておきましょう。「将来受け取れる学資金や満期保険金はなるべく多いほうがいい」という場合は、返還率が一番高くなる保険を選んだほうがいいでしょう。

ただし、保険によってさまざまな保障がついているものがあり、その場合は必然的に返還率が低くなります。貯蓄性を重視するのか、または保障を重視するのか、契約内容を事前にしっかり確認することが大切です。

ライフプランにあわせた学資保険の検討を。

ライフプランにあわせた学資保険の検討を。

学資保険は貯蓄性だけでなく、万が一のときの保障になるという点でも、子育て世帯にとっての強い味方になってくれる保険です。ご家庭のライフプランにあわせて、検討してみてはいかがでしょうか。

写真/Getty Images イラスト/こつじゆい


辻 理恵 
株式会社FPフローリスト所属。「お金の相談を通じて人を元気にさせる」をモットーに活動するファイナンシャルプランナー。自身の入院経験をもとに、ピンチのときでも困らない家計のしくみづくりを提案している。得意分野は保険の見直しと資産運用。CFP(R)認定者/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/一種証券外務員。


※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。 
※ 掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。 
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(登)C23N0260(2024.2.26)
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#保険 #万一への備え #学資保険 #教育費 #死亡保障
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