アラサー会社員がiDeCo・つみたてNISAのほかに将来のためにお金を用意する方法って? アラサー会社員がiDeCo・つみたてNISAのほかに将来のためにお金を用意する方法って?

個人年金保険も検討の余地あり!iDeCo・NISAのほかにできること。

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※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。 
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。 
※ 本文中に記載の保険に関する保障の条件は、保険会社によって異なります。詳しくはご加入の保険会社にお問い合わせください。

 

“ゆとりある老後生活”のため、公的年金・企業年金・退職金に加えて、老後資金確保のためのほかの方法を考えている方も多いのではないでしょうか。さらにここ数年、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「NISA」に関する情報を耳にする機会も増えてきています。情報が溢れていて何が自分に向いているのかわからない、ほかの選択肢はないのか……。

そんな悩みに応える商品の可能性を、資産形成について数多くの相談を受けているファイナンシャルプランナーの我孫子有希さんに解説してもらいました。

目次

資産形成に興味あり。iDeCo・NISA以外に何かありますか?

——アラサーのうちから老後のお金を心配している方は少なくないのでしょうか?

そうですね。実際に相談者さんを見ていても、若いうちから老後資金の確保についてしっかり考える方が増えている印象があります。データ上でも、公的年金を老後資金としていちばん頼りにしているという方は、若い年代ほど少ないようです。自分で効率的に貯蓄・投資しようと考えることは一般的になり、商品の選択肢も広がっています。

参考:厚生労働省「社会保障に関する意識調査報告書」(2019年)

——老後資金を自分で準備する手段としては、どのようなものがありますか?

iDeCoやNISAなどがよく挙げられるかと思いますが、運用する投資信託などを選ぶ手間はかかります。もっと簡単にはじめたい方や安定して老後資金を準備したい方には、「個人年金保険」という選択肢もあります。個人年金保険には「定額タイプ(円建て/外貨建て)」や「変額タイプ」がありますが、今回は定額タイプのうち円建てを中心にお話しします。

——個人年金保険はどんな人に向いていますか?

大前提としては所得にある程度の余裕があること。これはほかの商品でも同様です。契約時に払込期間や金額などを決め、将来の年金原資が確定する個人年金保険は、さほど資産は増えなくても、不安なくお金を老後に残したいと考える方にはいいでしょう。

自分の意思にかかわらず定期的に口座から引き去りされるので、貯蓄が苦手な方にも向いています。リスクをとりづらい方や商品選びが面倒、価格変動を気にすることがストレスになる方には、有用な手法だと思います。

——会社員か自営業かで、個人年金保険のおすすめ度合いに違いはありますか?

どちらの方でも、堅実に年金資金の準備をしたい方は選択肢の1つに加えてもよいのではないでしょうか。

また、個人年金保険が生命保険料控除の対象になるかは知っておくといいですよ。生命保険料控除には「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」がありますが、「個人年金保険料税制適格特約」が付加されている商品であれば、「個人年金保険料控除」という所得控除が受けられ、所得税や住民税が軽減されます。

ほかに会社員と自営業で違いがあるとすれば、老齢厚生年金の有無です。自営業の方は老齢厚生年金がなく、老齢基礎年金のみの受給になりますので、老後の準備は早いうちから取り組むことをおすすめします。

参考:国税庁「No.1140 生命保険料控除」

個人年金保険って何?

——個人年金保険とは、何のために入る保険なのでしょうか?

将来の年金受取と死亡保障の機能をあわせ持つものです。“公的年金で受け取れる金額”では不足するであろう“ゆとりを感じられる生活に必要なお金”との差額を、自分で準備するものと考えてください。

たとえば、60歳までに毎月決めた額を支払い、60歳以降に“年金にプラスする形”で受け取るような老後資金です。

一方、インフレリスクというデメリットもあります。また、解約すると解約返還金が払い込んだ保険料の総額を下回る場合もありますので、ご自身に合ったものを選択しましょう。

いつ加入したらいい?若いうちに入るメリットはあるの?

——加入するのに最適なタイミングはいつですか?

家計に無理のない範囲で若いうちに加入することをおすすめします。

というのも一般的に個人年金保険は、加入時期が早いほど払込期間が長くなるため、30歳からはじめるのと、45歳からはじめるのでは、受取年金額が同じ場合、若いうちからはじめたほうが毎月の保険料負担を減らせます。加えて、生命保険料控除の恩恵も長く受けられるというメリットがあります。

保険料の目安はどれくらい?

——月々どれくらいの保険料ではじめるのがおすすめでしょうか?

月々1万円~2万円の範囲で加入されている方が多い印象です。なお、多くの場合、解約すると解約返還金が払い込んだ保険料の総額を下回りますので、基本的には無理なく継続できる金額でスタートしてください。一度、現在の家計を見直したうえで、プランを組み立てることをおすすめします。

また、払込金額を検討する際に「生命保険料控除」を参考にするという考え方もあります。控除額なども参考に、家計に負担のない範囲で計画してください。

参考:国税庁「No.1140 生命保険料控除」

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いろいろな商品があるけれど、どこをチェックしたらいい?

いろいろな商品があるけれど、どこをチェックしたらいい?

——どんな商品を選ぶのがいいでしょうか?

商品によっては「一般生命保険料控除」が適用される個人年金保険など、さまざまです。ほかに加入している保険などを洗い出し、適用される控除を確認したうえで検討してみてはいかがでしょうか。

iDeCo・NISAと何が違うの?

iDeCoやNISAならすでにやっている、または検討したことがあるのである程度知っているという方もいるかもしれません。

両者と比較した際の個人年金保険のメリット・デメリットについて、我孫子さんにお教えいただきました。

個人年金保険のメリット。

——iDeCoやNISAと比べた場合の、個人年金保険のいい点はなんでしょうか?

まずは、しくみがシンプルで、安定していることです。保険料払込期間を自身で選択できるものもあるので、ライフプランがある程度固まっていれば、老後資金の準備としては計画を立てやすいと思います。

また、個人年金保険は、運用の手間がかかりにくい点も、人によっては大きなメリットとなるでしょう。原則、預金のように簡単に引き出せない点はiDeCoと同じですが、それまでに払い込んだ保険料総額を下回る可能性を理解したうえで解約することは可能です。

個人年金保険のメリット。

個人年金保険のデメリット。

——逆に、注意すべき点はあるのでしょうか?

預金のような流動性はなく、すぐに払い出しはできません。

加えて、予定利率が固定された商品に加入した場合、インフレが発生して将来物価が上がっても「受取額は変わらない」ことは念頭に置いてください。契約時に「このくらいあればいい」とプランニングしていても、実際の受取時にお金の価値が下がっていると、結果として期待していたほどのメリットを得られない可能性があります。

また、個人年金保険は毎月一定の保険料を払い込むものです。特に若い年齢の方は、途中で家を購入したりお子さんが生まれたりなど、大きく出費が増えるようなライフプランの変更があった際には、細やかな調整は難しいと考えてください。解約は可能ですが、それまでに払い込んだ保険料総額を下回るケースもあります。

——デメリットを避けるために気をつけるといいポイントはあるのでしょうか?

インフレ対策としては、iDeCoやNISAなど、ほかの商品と組みあわせて利用するといいと思います。個人年金保険で安定した資金準備をしつつ、一部でリスクを負いながらも資産運用を併用できるのであれば、それに越したことはありません。

 iDeCo・NISAにプラスして行うと◎。

個人年金保険はよくiDeCoやNISAと比較されますが、そもそも制度が異なります。引き出すタイミングや利率、運用方法など、商品によってメリット・デメリットはそれぞれです。

たとえば、iDeCoやNISAは、運用益にかかる税金が非課税となる制度ですが、年間で投資できる金額に上限があります。

それらをすでに上限まで活用していて、別の方法で年金を準備したい方や、生命保険料控除を活用していない方などにも、個人年金保険加入のメリットはあるのではないでしょうか。

もし資産に余裕があるのであれば、“価格変動リスクのある”iDeCoやNISAと、“価格変動リスクが少ない”個人年金保険の円建てを併用しながら、資産を分散運用するのもいいと思います。すべての資産でリスクある運用をして冒険するよりも、安定した年金の準備が可能です。

許容できるリスクは、人によってさまざま。自身の性格や家族構成などによって異なります。資産の何割までなら減っても許容できるのかなど、具体的に書き出したうえで、分散の比率を調整するといいでしょう。

写真/Getty Images  イラスト/tent


我孫子 有希 
ファイナンシャルプランナー 
株式会社FPフローリスト所属。CFP(R)1級ファイナンシャル・プランニング技能士 一種証券外務員。大学卒業後、証券会社にて5年半営業に従事。その後、銀行で不動産等の融資関係の業務を10年手がけた後、FPの資格を取得。お客さまが抱えている問題をクリアにし、ワクワクした未来が描けるようにサポートしている。


※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。 
※ 掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。 
※ 記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。 
※ 税務の取り扱いについては、2024年4月時点の法令等にもとづいたものであり、将来的に変更されることもあります。変更された場合には、変更後の取り扱いが適用されますのでご注意ください。詳細については、税理士や所轄の税務署等にご確認ください。

(登)C24N0038(2024.5.24)
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