良い睡眠を実現するために ~睡眠グッズの選び方~ (前編)
※本記事は株式会社ブレインスリープから記事提供を受け掲載しています。
皆さんは睡眠について悩んだことはありますか?日本人の5人に1人が不眠症で悩んでいると言われているように、なかなか寝られない、すっきり起きられない、など睡眠について何らかの形で悩んでいる方はたくさんいらっしゃるようです。お医者様に相談するほど重大な問題にはなっていないものの、何となく疲れが取れない、朝起きてもスッキリしない、といった問題がある方はたくさんいらっしゃると思います。そういった「ライトな睡眠お悩み層」の方にとっては、普段の睡眠環境に気を付けてみたり、睡眠グッズにこだわってみたりすることで、睡眠が良くなる・睡眠の悩みが解決する可能性があります。
この記事では、ちょっと意識するだけで睡眠が良くなるかもしれないポイントとちょっと使ってみるだけで睡眠が良くなるかもしれない睡眠グッズをご紹介したいと思います。
■睡眠の質を高めるポイント
(1) 黄金の90分
「良い睡眠を取りたい」と思っても、実際どうすれば良いか悩んでしまいますよね。睡眠時間を長くすればよいことは分かっていても、忙しい毎日でなかなか十分な睡眠時間を確保することが難しい。そんな方もたくさんいらっしゃると思います。
スタンフォード大学睡眠・生体リズム研究所所長の西野精治教授が書かれた「スタンフォード式最高の睡眠」(サンマーク出版)はベストセラーにもなりましたので、ご覧になった方も大勢いらっしゃるかもしれません。西野教授の最新の著作「スタンフォードの眠れる教室」(幻冬舎)でも強調されていますが、最低限の睡眠時間の確保はもちろん大事ですが、それ以上に大事なのは「睡眠の質」。何時間寝たとしても、睡眠の質が悪ければ意味がないのです。それでは、「睡眠の質」を良くするにはどうしたら良いでしょうか?西野教授の著書に従って、まずは睡眠のメカニズムを正しく理解することから始めましょう。
基礎になるのは、レム睡眠とノンレム睡眠という二種類の睡眠。睡眠中、レム睡眠とノンレム睡眠が1セットになって繰り返されます。レム睡眠は「脳は起きていて体が眠っている睡眠」、一方のノンレム睡眠は「脳も体も眠っている睡眠」。就寝後最初に登場するのがノンレム睡眠で、その後は約90-120分間隔でノンレム睡眠とレム睡眠が交互に発生します。ノンレム睡眠はその深さに応じて「浅いノンレム睡眠」と「深いノンレム睡眠」に分類されますが、一般的な人の睡眠では、就寝直後の最初の約90分間に「深いノンレム睡眠」が最もたくさん登場します。また明け方近くになるとレム睡眠の出現時間が長くなります。眠り始めの90分に深い睡眠が集中し、睡眠にとって非常に重要なことから「黄金の90分」と呼ばれますが、「黄金の90分」をしっかり取ることで、睡眠全体も質の高いものになります(図1)。逆に最初の深いノンレム睡眠が崩れてしまうとその後の睡眠も崩れてしまいますし、最初の90分のノンレム睡眠中の人を起こすことも難しく無理に起こそうとすると頭がすっきりしない状態で目覚めてしまいます。極端な例ですが「6時間睡眠で黄金の90分の質が良い睡眠」と「8時間睡眠で黄金の90分の質が悪い睡眠」で比較すると、前者の方が良いとも言えるのです。
黄金の90分では、最も多くの成長ホルモンが分泌されるのも特徴的です。成長ホルモンの分泌は大人でも細胞の増殖や正常な代謝を促進させる働きもあるため、体の回復やアンチエイジング・美容といった文脈でも黄金の90分が「最高の睡眠」の鍵を握っています。
(2) サーカディアンリズム
さて、「黄金の90分」が睡眠の質を高める上で重要な役割を果たすことは分かりました。ここではもう一つ、睡眠のメカニズムを理解する上で欠かせないサーカディアンリズムについても触れておきましょう。
生物の体は全て約24時間周期の固有の体内時計を持っていますが、これは「サーカディアンリズム(概日リズム)」と呼ばれています。概日リズムを適切に維持し、睡眠と覚醒を切り替えるスイッチを確立することが大事で、毎日規則正しい生活を送り、就寝時間や起床時間をできる限り固定することもその第一歩ですが、それが難しい場合でも、「深部体温」と「脳」という睡眠の強力なスイッチをうまく活用することで概日リズムを効果的にサポートできます(図2)。
人間の体温には皮膚温度と深部体温の二種類ありますが、どちらも概日リズムの影響を受け1日の中で変動し、深部体温は日中高く、夜になると低くなります。入眠前には手足などの皮膚温度が上がって熱を放散し、深部体温が下がり、深部体温と皮膚温度の差が縮まることでスムーズな入眠が実現します。ですから、夜間に深部体温がきちんと下がることが入眠の質を高めるポイントになります。
最高の入眠状態を作るのに「脳」のスイッチも意識したいところです。脳は昼間に興奮・緊張している時間が続きますが、刺激を与えない状態になれば脳が休息状態に移ります。「単調な状態」を作ることも眠るための脳のスイッチの一つ。単調・退屈で刺激がない環境にいることで脳が自然と休息状態に入ります。脳のリラックスモードを作る上でうまく活用したいのが自律神経。人間の体には自らの意思とは関係なく自律神経が常に働いていますが、自律神経は体温を維持し、心臓を動かし、呼吸、消化、ホルモンや代謝の調整、といった役目を果たしています。自律神経には活動モードの「交感神経」とリラックスモードの「副交感神経」があり、こちらも1日の中で優位性が変化します。日中は交感神経優位で血糖値や血圧が増加、筋肉や心臓の動きが活発になり脳は緊張感や集中力が増加します。一方で夜間の特にノンレム睡眠中や休息時は副交感神経優位になり、心臓の働きや呼吸が緩やかになります。
深部体温をきちんと下げること、自律神経を整えて副交感神経優位の状態を作ること。この2つを意識することで、眠り始めの「黄金の90分」が良質なものとなって、睡眠の質を高めることができます。
■深部体温と睡眠:寝具と入浴剤の選び方
夜間に深部体温と皮膚温度の差が小さくなることで、入眠の質が上がることが分かりました。それでは、深部体温が入眠時にきちんと下がるようにするにはどうしたらよいでしょうか?
逆説的ですが、深部体温を効率よく下げるには、まず1度上げることが大事。特に入浴すると体の内部から温まり、しっかり深部体温が上がります。もちろん、熱いお湯に入って上がった直後は深部体温が上がりきっているため、入浴後すぐに眠るのはお薦めしませんが、深部体温は上がった分だけ下がろうとする性質があるので、入浴後およそ90分を目安に入眠すると、深部体温が入浴前よりも下がった状態で眠りに入れるのです。
入浴による深部体温の上昇を促すために、入浴剤を利用するのも一手。後で登場する香りによるリラックス効果も期待できることから、入浴剤を入れた湯船につかって、リラックスしながらじっくり深部体温を上げ、入浴の効能を更に引き上げることができます。
深部体温を下げるには寝具をきちんと選ぶことも大切です。放熱性が高い材質の寝具を用いると、深部体温の低下が促されます。特に夏の暑い夜などは睡眠中に500ml以上の汗をかくとも言われています。つまりペットボトル1本分の汗をかいていることになり、暑さに加えて汗のベタベタも不快で眠りにくいが倍増。深部体温を下げるには皮膚温度が上昇して熱拡散が起こることが必要ですが、その際には発汗して体の水分を蒸発させて熱を拡散させることになります。そういった寝汗の対策として吸放湿性の高さという観点も見逃せません。
■Sleeperienceで睡眠グッズをお試し
良い睡眠のためには深部体温の低下が重要だとお伝えしました。最近では、放熱性を重視した寝具も登場していますし、入浴剤や寝具などの睡眠グッズをうまく取り入れて睡眠の質を改善したいですよね。一方で、特に枕は自分に合ったものを選びたい、本当に自分の睡眠が良くなるか一度寝て試してみたい、と思った方も多いはず。そういった方にお勧めなのが睡眠グッズを1晩お試し利用できる「Sleeperience」というサービス。第一生命、東日本電信電話株式会社と株式会社ブレインスリープという3社の共同プロジェクトとして発足し、2022年の6月には京都の中心街、四条河原町にある東急ステイ京都阪井座にて実証実験が行われます。実施期間中に東急ステイ京都阪井座にご宿泊される方は自由にご参加いただけるサービスですので、6月24日~7月3日に京都に滞在される予定がある方でまだホテルを決めていない方は、ぜひ東急ステイ京都阪井座を選んでみては?
【Sleeperienceの実施概要】
- サイトURL:https://sleeperience.jp/
- 実施場所:東急ステイ京都阪井座(四条河原町)
- 実施期間:2022年6月24日(金) ~7月3日(日)
※7月3日(日)は睡眠グッズの返却のみで、実際の利用は7月2日(土)の晩の宿泊分まで
- 対象者:実施期間中に東急ステイ京都阪井座にご宿泊される方。ご宿泊の予約は東急ステイ京都阪井座のウェブサイトから可能
- 主催:第一生命保険株式会社、株式会社ブレインスリープ、東日本電信電話株式会社
- 協力:
(睡眠プロダクトの提供)株式会社ブレインスリープ、株式会社SLJ、株式会社エステー、株式会社グローバルプロダクトプランニング、株式会社TENTIAL、株式会社ドリームファクトリー、株式会社ニデック、日登美株式会社
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