老後を楽しむポイントは趣味にあり!シニアは仕事に生かすのも◎。
※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」、生命保険料を「保険料」と記載している部分があります。
40代・50代くらいになると、リタイア後はどんな時間を過ごしたいか、「第二の人生」について考えはじめる方も多いのではないでしょうか。たとえば、「世界遺産をめぐってみたい」「ギターの腕をあげたい」「社交ダンスを習いたい」「もう一度、大学で勉強したい」など、それぞれ思い描いていることがあると思います。いくつになっても、新しい挑戦はワクワクしますし、考えるのは楽しいものです。
現役時代と違って老後は時間がたっぷりある方が多いでしょう。ただし、収入は現役時代よりも減ってしまうケースが多いのが現実です。趣味を楽しみながら豊かな老後を過ごすためのポイントと、今から備えられることを、ファイナンシャルプランナーの橋本絵美さんにお金の専門家ならではの視点で教えていただきました。
目次
- 老後の喜びや楽しみには、趣味が欠かせない。
- 老後の趣味にかけられるお金は月に約1万円。
- 老後の趣味は、仕事につなげるのがコツ。
- 趣味のお金も、40代・50代のうちから。個人年金保険で備えよう。
- 【まとめ】早めに準備をして、楽しい老後を過ごそう。
老後の喜びや楽しみには、趣味が欠かせない。
仕事を定年退職したシニア世代は、どんなことに喜びや楽しみを感じているのでしょうか?
内閣府が行った「第9回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」(2021年)によると、「生きがいを感じる時」に関する質問に対して、日本の60歳以上の男女の回答は、「子供や孫など家族との団らんの時」「おいしい物を食べている時」「テレビを見たり、ラジオを聞いている時」がベスト3でした。
多くの人が何気ない日常生活に喜びを見いだしているようですが、「趣味に熱中している時」も45.3%と高いポイントを獲得しています。また、一般的に趣味とされる「旅行」「スポーツ」「勉強・教養」にまつわる回答も見受けられます。
高齢になっても趣味や仕事(収入があること)に生きがいを見いだし、他者と関わることで充実感を得ているのではないでしょうか。
参考:内閣府「第9回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果」(2021年)P98
老後の趣味にかけられるお金は月に約1万円。
とはいえ、趣味にもお金はかかります。
総務省「家計調査」(2020年)から、65歳以上の無職世帯の家計収支を通して、老後の趣味にかけられるお金を考えてみましょう。
「趣味」という項目はありませんが、「教養娯楽」がそれに該当するとして、1か月に夫婦で趣味にかけられるお金は1万9,746円(消費支出22万4,390円×8.8%)。つまり、1人あたり約1万円です。
以前に配信したミラシル「定年後の充実度は、人間関係=コミュニティで決まる!老後の趣味の見つけ方」では、老後におすすめの趣味として、「SNS」「大学のリカレント教育」「自分らしくいられる場所(楽器の演奏・小説の執筆・ダンスなど自分の好きを極めるような趣味)」「ウォーキング・サイクリング」をご紹介しました。
たとえば、楽器やダンスなどのお稽古をはじめるとなれば、最初に必要な道具一式をそろえる必要があり、教室の入会金や月謝、交通費もかかります。大学でリカレント教育プログラムを受けようと思ったら、大学によって費用は異なりますが受講料の支払いが必要になります。
また、趣味を通じて新しくできた仲間とお茶をしたり、ランチをしたりと、交際費も増えていくはず。老後に趣味を楽しもう!と思っても、何かとお金がかかるのが現実です。場合によっては前述した月額1万円を超えてしまうこともあるかもしれません。
老後の趣味は、仕事につなげるのがコツ。
人生100年時代とも言われる昨今、老後も長いので何かしらの楽しみは必要です。お金がかかるからといって趣味をあきらめたくない人が多いと思います。
ウォーキングやSNS、小説執筆など、なるべくお金のかからない趣味を楽しむ、というのも1つの方法でしょう。しかし、そこからさらに1歩進んで、老後の趣味や得意なことを収入につなげていくように考えてみてはいかがでしょうか?
お金の心配をせずに老後の趣味を楽しみ、趣味を収入につなげていくためのおすすめのコツを2つご紹介します。
コツ1:シルバー人材センターで、趣味が生かせる仕事を探す。
まずはシルバー人材センターなどシニア向けの求人サービスに登録し、求人情報を見てみることをおすすめします。
市区町村にあるシルバー人材センターで紹介している仕事には、農業や庭木の剪定、大工仕事に子育て支援や家事代行、パソコン教室の講師など、さまざまなものがあります。
たとえば、盆栽を趣味でやっている方であれば、庭木の剪定などの仕事、料理が趣味であれば、家事代行の仕事などがいいかもしれません。
また、いつかは手放したり処分をしたりする手間が発生するため、老後はものが増えてしまう趣味はおすすめできません。ものがどんどん増えて保管場所に困ることもあります。
好きを「仕事」にすることができたら、収入を得ることができ、集めたりつくったりしたものも役立てることができ、一石二鳥です。
コツ2:ネットで趣味に関連するスキルを販売する。
手芸などハンドメイドが好きな方におすすめなのが、オンラインショップでの販売です。しかも、完成品を出品するのではなく「オーダーメイドで制作します」という技術を出品するのです。
通園や通学にあたって、市販品にはなかなかないような指定サイズのバッグや巾着袋が必要になる保育園や学校は少なくありません。つくる時間も技術もなく困っている人のために、手間と技術を販売することで、自分自身も楽しみながら趣味をお金につなげることができます。
趣味のお金も、40代・50代のうちから。個人年金保険で備えよう。
趣味を仕事につなげることも大切ですが、40代・50代であれば、充実した老後の暮らしのために老後資金として「老後の趣味にかかるお金」を想定しておくといいでしょう。しっかりと老後に備えることで、趣味にかけられる毎月の費用を増やせるかもしれませんし、より充実した老後につながると思います。
そこでおすすめなのは「個人年金保険」ではないでしょうか。民間の保険会社が販売している個人年金保険は、決まった保険料を毎月支払うことで、その金額に応じて老後に年金形式や一時金形式で給付金を受け取れる保険商品です。
個人年金保険の月額保険料と同じ金額を貯めていくとしても、預貯金だとついつい使ってしまいがちです。しかし、個人年金保険であれば、一度加入してしまえば毎月自動的に保険料が引き去られていきます。預貯金とは異なり、簡単には取り崩せない点がメリットです。あまり意識しなくても計画的に老後の資金を準備することができます。
また、所定の条件を満たした場合は支払った保険料が個人年金保険料控除の対象となり、所得税・住民税の税負担が軽減されます。個人年金保険料控除を受けながら、老後に必要なお金を備えることができるのもメリットです。
【まとめ】早めに準備をして、楽しい老後を過ごそう。
40代・50代のうちから個人年金保険などを用いてコツコツと老後資金を準備し、老後には趣味や得意なことを収入につなげる工夫をすることがおすすめです。
豊かな老後を過ごすために、40代・50代のうちから考え、準備してみてはいかがでしょうか。
写真/Getty Images
橋本 絵美
はしもとFPコンサルティングオフィス代表。ファイナンシャル・プランナー、お片づけプランナー。
慶應義塾大学商学部卒。2男4女を育てるママFP。子どもは宝であり、安心してもう1人子どもを産めるようにサポートしたいという思いからFPとなる。実践にもとづく「貯まる家計のしくみづくり」が好評。
※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。
※ 掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。
※ 記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。