痔で手術・入院しました。費用は?痛い?20代男性の闘病体験記。 痔で手術・入院しました。費用は?痛い?20代男性の闘病体験記。

痔で手術・入院しました。費用は?痛い?20代男性の闘病体験記。

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※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」、生命保険料を「保険料」と記載している部分があります。

20代~30代の働き盛りの健康な男性は、病気やケガによる入院を自分とは無関係と思い がちでしょう。しかし、急な体調不良や事故で、手術・入院をし、仕事を休まなければならないことは珍しくありません。

なかでも、20代から悩まされることも少なくない病気「痔」。男女ともに、なんとなく人に言いづらい病気の代表的なものかもしれません。

この記事では、20代で痔になり、手術や入院をした2名の男性の体験談を紹介します。手術前後のつらかったエピソードや、いくらくらい費用がかかったかなどを赤裸々に語っていただきました。

2名の闘病体験をもとに、ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんに、もしものときのために大切な備えについて解説していただきます。

目次

若くても「痔」は発症する。手術・入院が必要になることも。

若くても「痔」は発症する。手術・入院が必要になることも。

今回は、痔を発症し、手術となった2名の男性の体験談を紹介します。

Iさんの手術・入院体験記。

会社員のIさんは、26歳のときに痔ろうで入院と手術を経験しました。

仕事中に耐えがたい痛み。原因は痔ろう。

ある日、突然おしりに痛みを感じたというIさん。

「もともとおなかがゆるい体質なので、下痢のしすぎかなと思い、放置していました。日に日に痛みが激しくなるので、触ってみたら患部がにきびのようにポコッと膨らんでいて、うみがたまっているような状態でした」

Iさんは、病院嫌いということもあり、なんだかんだと理由をつけて受診しない日が続きました。しかしある日の勤務中、仕事を続けられないほどの鋭い痛みが急激におしりに走ったそうです。

「『これはやばい』と直感し、近くの肛門科クリニックに駆け込みました。触診を受けたら先生から『これは痔ろうです』と言われました。手術で切るという話が出たのですが、注射すら怖い自分は、とんでもないと思ってそのまま帰宅してしまいました……」

帰宅後も痛みはまったくひかず、痔ろうについてあわててインターネットで調べたIさん。医療機関のホームページで「根本的な治療は手術しかない」といった記述を読み、いよいよ覚悟を決めて手術を決断しました。

有給休暇を取得して入院。そして手術。

Iさんは仕事の日程を調整して、有給休暇を取得して手術に臨みました。

「最初は病院の先生から入院不要、日帰り手術で大丈夫と言われていました。きっと痛みが激しいだろうし、そのまま1人暮らしの家に帰っても心配だと思い、先生と相談して1泊入院にしてもらいました」

Iさんの予感は当たり、術後は激しい痛みにおそわれました。

「痛み止めの注射を何回打ってもらったかわかりません。夜中は痛みにもがき苦しみ、朝まで眠ることはできませんでした。もし日帰り手術で自宅に帰っていたら、痛みに耐えて通院しなければならなかったと思うとゾッとします」

回復に時間がかかり、タクシー通勤に。

痔ろうが2か所あったIさんは、手術による傷の範囲も広く、回復に時間がかかりました。

「退院翌日から仕事の予定でしたが、痛みが激しすぎて休まざるをえませんでした。その次の日に痛みをこらえ、自分の車を運転して仕事に行ったのですが、オフィスに着いたら運転中におしりがこすれたようで、血だらけになっていました。それからは数日間、通勤にタクシーを使いました」

かかった費用は医療保険で全額カバー。

治療にかかったIさんの自己負担額(※1)は、入院時にかかった費用の約6万円。これに加えて術前・術後に通院してかかった医療費が約2万円で、トータル8万円程度だったといいます。

「手術した時期が夏場だったので、医師から傷口が膿んだら大変だと言われ、術後は3日に1回のペースで通院していました。少しずつ通院の頻度は減って、1週間、1か月と間隔が延びていきました。

とにかく傷口が痛いので、最初のころはタクシーでの移動が多かったですし、ほかにも患部に負担をかけないように生理用ナプキンを購入したり、ドーナツ型のクッションを準備したり、予想外の出費がありました」

幸いにも、入院日額タイプの医療保険に2つ加入していたIさん。

1つの保険につき入院給付金が1日あたり1万円×2日、手術への給付金として25万円ずつ支給されたため、合計54万円の給付金を受け取ったそうです。

「加入していた医療保険は保障内容が充実していたので、通勤・通院の往復タクシー代など予想外の出費にも対応できました」

医療保険の給付金が十分にあったことで、躊躇せずにタクシーなどを利用し、安心して術後を過ごせたようです。

※1 公的医療保険には、医療費の自己負担額に限度額を定める高額療養費制度等があり、実際に負担する金額はケースにより異なります。

Kさんの手術体験記。

Kさんの手術体験記。

会社員のKさんは25歳のときに、Iさんと同じ痔ろうで日帰り手術を行いました。

おしりににきびのようなものを発見。すぐに手術を決意。

ある日、おしりににきびのようなものができていると気づいたKさん。まだ痛みは感じていない段階でした。

「心配だったので肛門科クリニックに行ったら、『治療には手術しかない』と言われ、早めに手術日を決めました。クリニックだったので入院施設はなく、日帰り手術をすることになりました。なんとなく恥ずかしいような気がして、『痔で手術します』と周囲に言いづらく。会社の上司や同僚にも言わず、こっそり日帰りで手術を受けました」

手術後は電車で帰宅。冷や汗が出るほどの激痛。

手術から1時間後、Kさんは早々にクリニックをあとにして帰宅しました。

「電車に乗っているときに痛み止めの薬が切れてしまったようで、冷や汗が流れるほどの激痛でした。家に帰ったらおしりが血だらけだったことを覚えています。帰宅後は、とにかくじっとしていなければいけませんでした」

翌日仕事復帰。痛みに耐えて電車で移動した。

手術翌日から仕事に復帰したKさんでしたが、Iさん同様、術後の傷の痛みに悩まされました。

「営業の仕事だったので、なるべく自宅の近くでアポを入れて、昼に自宅に帰り、ガーゼを取り替えて、午後仕事に戻っていました。本当にとても痛くて。できればタクシーで移動したかったのですが、あまりお金を使いたくなかったこともあり、なんとか痛みに耐えてなるべく電車で移動していました」

医療保険の給付金ではまかないきれなかった。

Kさんは日帰り手術だったため、当日の窓口負担は約3万円。手術前後に通院してかかった医療費などは約2万円で、トータル5万円程度の出費になったといいます。

「医療保険は入院日額タイプのものに入っていたのですが、入院ではなかったので入院給付金は受け取れず、手術給付金の2万5,000円を受け取りました。

交通費を含め、手術前後の通院にお金がかかったので、出費の方が多くなってしまいました。もっと医療保険の給付金が多かったら、積極的にタクシーを利用したかったです(※2)」

※2 公的医療保険には、医療費の自己負担額に限度額を定める高額療養費制度等があり、実際に負担する金額はケースにより異なります。

ファイナンシャルプランナーが、医療保険にまつわるアドバイス。

IさんとKさんは、同じ痔ろうの手術でしたが、置かれた状況や医療保険の給付金額は大きく異なりました。

ファイナンシャルプランナーの黒田先生は、「自分に合った医療保険選びを」と語ります。費用の面から2名の手術体験記を解説します。

「手厚い保障で退院後の生活の質を維持した」Iさん。

痔ろうの症状は重かったものの、2つの保険に加入しており給付金を多く受け取ったIさん。

「Iさんは痔ろうでしたが、これ以外の疾患でも術後、傷が痛んだり、発熱があったりして、通勤や通院で車を運転したり電車に乗ったりするのが大変だったという話は多く耳にします。

Iさんの場合、手術給付金を受け取れたことと、2種類の医療保険に加入し多くの給付金を受け取れたおかげで、タクシー代やクッション、生理用ナプキンなど想定外の支出にも対応でき、退院後のQOL(生活の質)を維持できたのがプラスポイントでした」

「加入していた医療保険では十分でなかった」Kさん。

一方でKさんは、Iさんと同じ疾患でも入院はせず日帰り手術だったこと、手術給付金が少額であったこともあり、医療保険の給付金は少額でした。

「Kさんが加入していたシンプルな入院日額タイプの医療保険は、入院日数に応じて給付金額が決まるため、長期入院でこそメリットを得られます」

自分に合った医療保険でもしものときなどに備える。

「もしものときなどに備える医療保険は、『絶対にこの医療保険がいい』とは言い切れず、あくまでケースバイケースです。

入院日額タイプでは十分まかなえない短期入院が心配な人や預貯金が少ない人は、短期間の入院でも10万円、20万円など十分な給付金が得られる『一時金タイプ』の医療保険を選ぶのも1つの方法です。入院日額タイプの医療保険は、長期入院した場合は一時金タイプの医療保険より多く受け取れる場合もあります。

また、今回のお2人は対象外でしたが、高額の医療費の支払いが必要になった場合は、窓口で支払う医療費が所得に応じた上限を超えた場合に適用される『高額療養費制度』や、窓口での支払いが世帯の限度額までになる『限度額適用認定証』もぜひ活用してください」

と黒田先生は強調します。

長期間の入院で効果を発揮する入院日額タイプの医療保険か、短期間の入院でも安心の一時金タイプの医療保険かどちらがいいのかは、その人の置かれた状況によって異なります。

「預貯金が少ないので一時金タイプがいい」「長期の入院に備えて日額タイプがいい」など、自分に合う医療保険を考えてみるといいでしょう。

20代のうちから医療保険や預貯金で備えを。

今回話を聞いたIさんもKさんも、20代で健康だったため、手術・入院には「まさか自分が」と驚いたといいます。

「若くても病気のリスクはゼロではありません。また、若いほどスポーツなどアクティブに活動される人も多いので、ケガをする可能性も十分あります。ぜひ、もしものときなどに備えて、今のうちから預貯金の方法や自分に合う医療保険について検討してほしいと思います」と黒田先生は語ります。

写真/PIXTA Getty Images


黒田 尚子
ファイナンシャルプランナー。1969年、富山県生まれ。日本総合研究所でSEとしてシステム開発に携わりながらFP資格を取得。1998年に独立し、各種セミナーや講演などで活躍。2009年に乳がん告知を受け、自らの実体験から、がんなどの病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動も行っている。著書に『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)など。


 

※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。
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(登)C22N0131(2022.8.1)
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