サウナって痩せるの?効能を医学的見地から解説【医師監修】 サウナって痩せるの?効能を医学的見地から解説【医師監修】

サウナって痩せるの?効能を医学的見地から解説【医師監修】

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最近、「ととのう」がブームになっているサウナ。さまざまな効能を耳にすることは多いですが、実際のところどうなのか気になっている人も多いはずです。そこで、サウナの健康効果を医学的見地から研究している「日本サウナ学会」代表理事の加藤容崇医師に、サウナの効能や「ととのう」メカニズムについて解説いただきました。

目次

サウナに入ると体に何が起こるのか。

サウナに入ると体に何が起こるのか。

一般的にサウナとは、単にサウナ室で体を温めて汗をかくだけではなく、「サウナ→水風呂→休憩(外気浴)」を1セットとする一連の「サウナ浴」のことを指します。サウナ浴の間中、体内ではさまざまな変化が起こっています。

サウナ室に入って深部体温が38度以上になると、ヒートショックプロテインという物質が出て組織修復作用が働きます。サウナ後の水風呂にも体の熱を逃さない魔法瓶のような効果があります。休憩をはさみながら、寒暖差の大きい環境を交互に行き来するため、血流の増減が起こり、それが血管のストレッチになるのです。

定期的にサウナ浴を行うことで血管がやわらかくなり、循環器系の機能が上がります。皮膚表面の毛細血管の数も増加し、冷え性の改善、美肌効果などが期待できます。

サウナの効能とは。

そのほか、サウナで血流がよくなることによって、眼精疲労や肩こりの解消なども期待できます。また、サウナにより疲労物質の乳酸値をすみやかに減少させ、筋トレ後の筋肉痛の軽減や疲労回復にも役立つほか、統合失調症やうつ病などの精神疾患リスクの低減効果なども明らかになっています。

特に、長時間のデスクワークやパソコン、スマートフォンなどのデジタルデバイスを手放せない生活環境でストレスを感じがちな現代人にとって、「自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが整う」「脳疲労がとれる」「睡眠の質が改善する」ことはうれしい効能でしょう。

自律神経のバランスが整う。

慢性的なストレスにさらされがちな現代人は、交感神経が常に優位(緊張・興奮状態)になっている状態です。そうすると、自律神経の機能全体が落ちてしまいがち。そんなとき、最初に症状が出るのが消化器系で、胃炎や十二指腸潰瘍、胃潰瘍などを患いやすくなります。

交感神経のスイッチは自ら意識的にオフにすることができません。ところが、サウナ浴では強制的に副交感神経優位(リラックス・休息状態)にスイッチングできるため、交感神経のスイッチをオフにできるのです。

定期的にサウナ浴を続けることで、徐々に自律神経のバランスがとれます。同時に、消化器系をはじめ、体全体のパフォーマンスも上がってくるでしょう。

脳疲労がとれる。

サウナの最大の効能は「脳疲労がとれる」ことです。サウナ室の中にはスマートフォンなどのデバイスを持ち込めないため、外界の情報から遮断されます。そして、体の深部体温が上がる一方で、脳の血流量は逆に低下するため、熱さのなかでごちゃごちゃと思考できなくなります。ちょうど雑念のない瞑想状態と同じことが起こるのです。

私たちの脳は通常、「DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)」という雑念の多い状態にあります。これがサウナ室に入ると、何かに集中しているときの脳の状態「CEN(セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク)」に自動的に切り替わります。

CEN時の脳は通常のDMN時の約5%程度のエネルギー消費という省エネ運転状態のため、負荷が少なく脳が休まり、脳疲労がとれるというわけです。

自動的に脳の状態が集中モードに切り替わるサウナでは、難しいテクニックなしでマインドフルネスに近い体験ができてしまうといえます。サウナに入ることによって、瞑想後のようなスッキリ感を味わえます。

睡眠の質が改善する。

生活のなかで実感しやすいのが「睡眠の質」の改善です。サウナ後は深部体温が上がって、皮膚表面の温度は低くなるのですが、これが眠るのに最適な状態なのです。

よい睡眠をとりたいなら、夜寝る時間の2時間前ぐらいにサウナから上がっている状態がベストです。朝も布団からぱっと起き上がれるようになるでしょう。

サウナで痩せることはできるのか。

サウナに入ったあとは甲状腺ホルモンの分泌量が増えて、代謝も上がっています。つまり、体を脂肪が燃焼しやすい状態にすることができます。代謝を上回るエネルギー摂取をしないようにすれば、体重を減らせるかもしれません。

しかし、ダイエット効果にはあまり期待しないほうがよいでしょう。その理由は、サウナで気持ちがよくなって、むしろ食欲が増してしまうことが多いためです。

多くのサウナ施設の食事処には、レモンサワーに生ビール、唐揚げやしょうが焼き定食といったカロリーの高いメニューがたくさん並んでいます。サウナ後はおなかが空いて食欲も増すので、素通りできずについ食べすぎてしまいがちです。

実は、サウナ後は感覚が研ぎ澄まされ、味覚も敏感になるため、淡泊なメニューでもおいしく感じられるのです。痩せたい人は「旬の野菜料理」などを食べるようにするとよいでしょう。和食なら低カロリーなものも多いと思いますし、素材やだしの風味を存分に味わえるのでぴったりです。

医師に聞く「ととのう」。

医師に聞く「ととのう」。

昨今、流行している「ととのう」ですが、正しく実践できている人は少ないように感じています。「正しいととのい方」とそのメカニズムについてこれから解説しますが、場合によっては危険な状態にもなりかねないので、くれぐれも無理は禁物です。

「ととのう」ってどういう状態?

高温のサウナから低温の水風呂という過酷な環境では、交感神経を活性化させ、アドレナリンなどのホルモン(興奮物質)を出して環境に適応しています。

そして休憩(外気浴)中は、過酷な環境に適応するために犠牲にしていた機能を修復させようと、すみやかに副交感神経優位となってリラックスに向かいます。

このとき、最初の2分間ほどは血中に興奮物質が残っているため高揚感があり、頭がスッキリ覚醒したまま、体だけリラックス状態になります。これがいわゆる「ととのう」という状態です。

「ととのう」ためのポイント。

ととのった状態にある人をモニタリングしたところ、自律神経の機能が非常に高まっていることがわかりました。休憩(外気浴)を入れず、長時間のサウナと水風呂をひたすら繰り返すといった極端な入り方でフラフラになっている人がいますが、非常に危険です。

そういう状態では自律神経も低下しているので、「ととのう」とは全然違います。正しく「ととのう」ために、休憩(外気浴)はマストなのです。

サウナでなかなか「ととのわない」という人は、もともと自律神経の機能が高く、最初からととのっているという場合も多いので、無理してサウナに入らないようにしてください。

効果的なサウナの入り方と注意点。

効果的なサウナの入り方と注意点。

「サウナには何分くらい入ればいいの?」とよく聞かれるのですが、基本的には個人のコンディションにあわせて、無理なく入ることが大切。頻度や1回あたりのセット数、サウナ室の滞在時間なども特に決まりはありません。

サウナの効果的な入り方。

安全で効果的な入り方として、サウナ室から出るタイミングは「しんどく感じない程度の軽い運動」をしたような状態(体感)になったときを目安にしてください。

運動の負荷の加減は人によりますが、軽い運動をしたときの心拍数の目安を自分で把握しておくとよいでしょう。サウナ室で脈を測り、目安の心拍数になったときにサウナ室を出れば、体に負担をかけずに効果的なサウナ浴ができます。

汗をたくさんかくサウナでは、水分補給も大切です。3セットで500ミリリットル~1リットル程度の水分は摂りたいもの。ただし、糖分の入ったスポーツ飲料などはあまりおすすめしません。サウナ前や最中に糖分を摂ると、代謝を高めてくれる甲状腺ホルモンの分泌が増加せず、せっかくの代謝アップ効果を打ち消してしまうのです。

水分は水や炭酸水で摂りましょう。塩分は日ごろ摂りすぎている人が多いので、サウナ前に多く発汗するような活動をしたとき以外は特段気にする必要はありません。

サウナの注意点。

食後すぐのサウナ浴は控えましょう。サウナ室では交感神経優位になるため、消化不良や腹痛などの原因にもなります。食後2時間以上経ってから入るようにしてください。

「仕事のあとのリフレッシュにサウナ」という人も多いと思いますが、軽い疲労程度でサウナに入るのであれば、疲労回復に役立つのでおすすめです。ただし、睡眠不足やひどい疲労感を感じるときには控えたほうがベター。サウナ室での居眠りは熱中症を引き起こし、場合によっては命にかかわる事故にもつながりかねません。

また、サウナ上級者とビギナーでは、サウナ中の体の状態がまったく異なります。上級者になると何セット連続しても体に大きな変化がみられない人もいる一方、ビギナーでは3~4セットで失神寸前になる人もいます。ビギナーの場合、最初は体調次第で1セットだけでもよいでしょう。

水風呂も最初は膝くらいまでにして20秒~30秒程度でOK。徐々に慣らしていくことが大切です。すこしでもつらいと感じたら無理せず上がりましょう。水風呂から出たら、体が冷えないようにタオルでしっかり水気を拭いてから休憩(外気浴)へ。時間を長めにとってよく休むことが大切です。

生活にサウナを取り入れよう。

自律神経を整えたり、脳疲労をとったり、さまざまな効能があるサウナ。「サウナで痩せる」にはちょっとした工夫が必要ですが、サウナで味覚が敏感になって、素材のおいしさを再認識できれば、あっさりした食生活に変えられるかもしれません。体調にあわせて、無理なく自分のペースで生活に取り入れ、心身の健康に役立ててください。

写真/PIXTA イラスト/オオカミタホ


加藤 容崇 
日本サウナ学会代表理事、慶應義塾大学医学部特任助教。北海道大学医学部卒。専門はがんの遺伝子検査とがん(主に膵臓がん)研究。第二の専門は予防医療としてのサウナの研究で、日本サウナ学会を2019年に設立。株式会社100plusも設立し、「ととのう」を数値化するデバイス・アプリを開発中。


※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。 
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