老後、マンションに住み替えると後悔する?メリット・デメリットは? 老後、マンションに住み替えると後悔する?メリット・デメリットは?

老後、マンションに住み替えると後悔する?メリット・デメリットは?

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※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。
※ 本文中に記載の保険に関する保障の条件は、保険会社によって異なります。詳しくはご加入の保険会社にお問い合わせください。

老後を見すえて戸建てからマンションへ、またはマンションでもダウンサイジングを考えるなどと、住み替えを検討している人もいるでしょう。

この記事では、老後に向けた住み替えで後悔しないために、どんな対策をしておくべきか、日々、住まいについてのお悩みや住宅ローンの相談などを多数受けているファイナンシャルプランナーの豊田眞弓さんにお聞きしました。

目次

老後はマンション暮らしがいい?

【alt】老後はマンション暮らしがいい?

2020年に国土交通省が発表した「令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、取得するのが2回目以上の住宅として分譲マンション・中古マンションを購入した世帯のうち、60歳代がもっとも高い割合を占めています。

老後のマンション暮らしには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

参考:国土交通省「令和3年度住宅市場動向調査報告書 」

老後にマンションで暮らすメリット。

マンション住まいの主なメリットには、物件によるところも大きいですが、一般的に戸建てと比較して、利便性の高い立地で、維持管理が簡単かつセキュリティー対策がしっかりしていることが多い点が挙げられます。また、床の段差を解消したフラットフロアなどのバリアフリー設計もマンションのほうが整っていることが多いです。どれも老後の住まいとして魅力的な要素といえます。以下で詳しく紹介します。

メリット1:バリアフリー設計がされている。

築年数が古い戸建ては、ドアの敷居や和室の入り口などに段差が多く、年齢を重ねてすり足になると転倒の原因になることも。最近のマンションはフラットフロアが一般的で、車いす生活になった場合でも住みやすいです。

また、フラットなフロアは掃除がしやすく、家事動線がスムーズといったメリットもあります。

メリット2:セキュリティー対策が整っている。

マンションは、玄関やエントランスにオートロックシステムを採用しているところが多く、管理人がいたり、大型マンションであれば警備員がいたりと、防犯面で不安を感じることは少ないでしょう。

メリット3:維持管理が簡単。

年をとると、戸建てではメンテナンスや清掃など家まわりの作業が負担になりますが、マンションの場合は、共用部分の清掃などを管理会社に任せられるので簡単です。

メリット4:冷暖房効率に優れている。

鉄筋コンクリートづくりのマンションは、気密性が高い構造のため、長時間一定の温度を保ちやすいのが特長です。部屋数が多い戸建てに比べると、冷暖房効率がよく光熱費の削減に。また、室内の温度差が小さいため、急激な温度変化で身体がダメージを受けるヒートショックなどの健康被害を防ぐ効果もあります。

メリット5:利便性が高い立地。

高齢で車を運転できなくなると、通院や買い物もひと苦労。マンションは、駅近で交通や買い物の利便性が高い場所にあることが多く、その場合、徒歩や公共交通機関での移動が可能です。また、利便性が高い物件は再び売却することになっても価値が下がりにくく、買い手がつきやすいというメリットもあります。

老後にマンションで暮らすデメリット。

老後のマンション住まいにはメリットがたくさんありますが、同時に戸建てにはない注意点も。住み替えの選択を間違えないように、デメリットについてもしっかり把握しておきましょう。

デメリット1:管理費がかかる。

先ほど、マンションは維持管理が簡単だと述べましたが、それは管理会社に委託しているからで、マンションに住んでいる限り、毎月「管理費」と「修繕積立金」を管理会社に支払わなくてはなりません。中古物件の場合は、これらの値上げが直近で予定されている場合もあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。

デメリット2:管理規約などにしたがわなければいけない。

マンションには、管理・運営を行うための団体として、区分所有者全員で組織する管理組合が存在します。

管理組合が作成する管理規約には、建物の用途・区分、管理組合の業務や運営方法(理事会や総会など)、管理費・修繕積立金に関すること、ペット飼育や騒音に関する制限など、マンションの基本的ルールが定められています。ほかにも、共用部分の使い方やマンションでの日常生活における注意事項などが「使用細則」としてルール化されています。住人はこれらにしたがわなくてはなりません。悠々自適に暮らしていた戸建てからマンションに住み替えたなら、窮屈さを感じる方もいるでしょう。

デメリット3:集合住宅ならではの問題がある。

マンションは集合住宅のため、足音や子どもの声、深夜に洗濯機が動く音など、隣接する部屋の生活音が気になることもあります。ベランダで喫煙する人がいれば、においで悩まされることがあるかもしれません。規約や使用細則で制限されていることが多いですが、そうでなくても、自分たちの音にも気を使う必要があります。騒音問題などで、住人同士の思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性もゼロではないでしょう。

住み替えを検討する前に知っておくべきこと。

住み替えを検討する前に知っておくべきこと。

 

マイホームを購入した経験がある方は、物件探しから引っ越しまでの流れは理解していると思いますが、定年前後の住み替えは気をつけるべきポイントが異なることに注意が必要です。最初に重要なのは「住み替えのタイミング」。親の介護や、自分たちの老後期・介護期の生活の見通しを立てたうえで購入しないと、「こんなはずではなかった」と後悔することになる可能性も。

また、お金の面でも、住み替えたうえで老後にゆとりを残さなくてはいけないという点に注意が必要です。住宅購入には物件価格以外にもさまざまな諸費用がかかります。後々あわてないように、事前に情報をしっかりと把握しておきましょう。

住み替えのタイミング。

2次取得者(2回目以上の住宅取得となる世帯)が分譲マンション(新築)・中古マンションに住み替えた年齢は60歳以上が一番多いという国土交通省による調査結果から、住み替えを検討しはじめるのは、リタイア・子どもの独立・住宅の老朽化・親の介護・自分たちの老後の生活などが視野に入ってきた、40代~50代世代が多いことが推測できます。

どの地域のどのような住まいでセカンドライフを送りたいか、といった希望をかなえるだけではなく、複合的な視点で家族と検討し、見通しが立ってから住み替えを実行しましょう。中でも介護の問題は重要なポイント。親の介護への関わり方や、自分たちの介護期はどうするのかにめどをつけたうえで、住み替える場所や物件を選ぶ必要があります。また、老後資金・介護資金が不足しないかについても、あらかじめ確認しておくと安心です。

老後のキャッシュフローをチェック。

まずは、住み替え後も理想の生活を送れるのか、資金計画を立てましょう。今後のライフプランや、老後資金に支障がでないか、希望する介護期を過ごせるかなどをキャッシュフローで確認しましょう。

自分で作成してもいいですし、FPに頼んでもいいでしょう。

住宅ローンの手続きの手順。

貯蓄に余裕がある人を除いて、多くの人が新たに住宅ローンを利用することになるでしょう。住宅ローンの申し込みから、融資が実行されるまでどういった手順を踏むのか、一般的な流れを確認しておきましょう。

なお、60代で借りるなら、住宅ローンの借入期間は短く、借入金額もできるだけ少なめに抑えるのが現実的です。

STEP1:住宅ローンの情報収集。

キャッシュフローを踏まえたうえで、無理のない物件予算を設定したら、物件探しをする一方で、住宅ローンの情報収集も行いましょう。購入する物件が決まると、あまり時間がないことが多いので、住宅ローンの情報は事前に収集しておきましょう。インターネットの住宅情報サイトや金融機関などで調べられますが、住宅を購入する業者の提携ローンなども含め、なるべく条件のよい住宅ローンを選びましょう。

STEP2:事前審査(仮審査)の承認。

購入したい物件が決まったら、住宅ローンを組む金融機関で、住宅ローンの事前審査(仮審査)を受けます。必要な情報を提供し、借入者の返済能力や借り入れが過大でないかといった点がチェックされます。

STEP3:本審査(正式審査)

事前審査(仮審査)の結果がでて、承認が得られたら本審査を申し込みます。担保となる物件の担保評価が十分か、完済時の年齢、返済負担率が適当か、団体信用生命保険に加入できる健康状態であるかどうかなどが審査されます。事前審査をパスしても、本審査に通らない場合もあります。

STEP4:本審査の承認と契約手続き。

本審査で融資が確定したら、金融機関と借入者の間で住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)が締結されます。

STEP5:融資実行

住宅ローンとして借りた資金が口座に振り込まれることを融資実行といいます。売買契約が完了しローン契約を締結したら、融資金が入金された口座から売り主に残代金を振り込み、書類や鍵の引き渡しなどの手続きを経て、物件の引き渡しが完了となります。

住み替えにかかる費用。

住宅を購入する際には、物件価格(頭金+住宅ローン)に加え、諸費用(税金+手数料+引っ越し費用など)がかかります。

住み替えの場合は、今の家を売るための費用もかかります。戸建ての場合、リフォーム費用がかかったり、さらには、更地での売却となれば、解体費用や廃棄物の処分費用などもかかったりします。ほかにも、仲介手数料や、住宅ローンが残っていた場合は、ローンを完済したうえで、抵当権抹消登記を司法書士に頼む費用などもかかります。

家の売却費用以外にも、申し込みから売買契約時にかかる費用・住宅ローンに必要な費用・物件購入後にかかる費用などが発生します。ですので、単純に物件の価格だけをみて予算を立てないように、十分注意しましょう。

老後資金には個人年金保険も活用を。

老後資金には個人年金保険も活用を。

 

住宅の売買には想定以上にお金がかかります。住み替えで住宅の維持費が下がり、生活コストが減らせたとしても、住宅の売買で手もと資金を使ってしまい、老後資金不足に陥ってしまっては元も子もありません。

新居にまわせる費用は、老後までにためられる資金から、老後と介護にかかるお金を引いた金額と考えましょう。

予算から大きくずれない住み替えを行うには、先に今の家を売りに出し、売却のめどをつけたうえで次の物件の予算を決めて売却代金を購入資金に充てる、「売り先行」とよばれるパターンがおすすめです。

老後資金を確保するために。

住み替え後も老後資金を十分に確保するには、退職金はできるだけ手もとに残しておくことが重要です。前述のように、住宅ローンを組む場合は、毎月の支払額と支払期間を十分に考慮するようにしましょう。

老後の柱になる年金は、「繰下げ受給」の利用で受け取る額を増やすこともできます。老後資金不足に陥りそうなときは、リタイア後もパートなどで働き続けるのも一法です。

個人年金保険がおすすめの理由。

老後資金を準備する手段として、「個人年金保険」を活用する方法があります。

個人年金保険は、民間の保険会社が扱っている保険商品の1つで、65歳や70歳など一定年齢まで保険料という形で積み立て、老後に年金として受け取るもの。健康状態の告知などは不要で、保険会社によって異なりますが、5年・10年・15年などの受け取り期間が決まっている確定年金や、生存している限り年金を受け取れる終身年金などが選べます。所定の条件を満たした場合は、支払った保険料が所得控除の対象となるため、所得税や住民税が軽減できるというメリットがあります。

商品の特性上、インフレリスクを伴っていたり、解約した場合に、解約返還金がそれまでに支払った保険料総額を下回る可能性があったりとデメリットもありますが、生活費などとは切り離した形で老後資金を準備できるため、加入を検討してみるのもよいでしょう。

【まとめ】住み替えを行うなら計画的に。

老後を考えて暮らしやすいマンションに住み替えることは、コストの節約や生活の負担軽減につながるケースも多いでしょう。

ただし、住み替えには大きなお金がかかるため、無理は禁物です。いっときの衝動や希望で動かずに、さまざまな可能性を探りながら、老後資金をしっかり残せる住み替えプランを練るようにしましょう。

お金や不動産のことについて調べるのが大変な場合は、お金のプロに相談するのもおすすめです。

写真/Getty Images イラスト/オオカミタホ


豊田 眞弓
FPラウンジ代表。経営誌やマネー誌のライターを経て、1994年より独立系ファイナンシャルプランナーとして活動。個人相談や講演のほか、ウェブサイト・雑誌などに多数のマネーコラムを寄稿。「子どもマネー総合研究会」理事のほか、「親の介護・相続と自分の老後に備える.com」を主宰。亜細亜大学などで非常勤講師も務める。


※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。
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※ 税務の取り扱いについては、2022年10月時点の法令等にもとづいたものであり、将来的に変更されることもあります。変更された場合には、変更後の取り扱いが適用されますのでご注意ください。詳細については、税理士や所轄の税務署等にご確認ください。

(登)C22N0216(2022.11.29)
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