ストイックじゃなくていい。小島よしおがつかんだ、自分らしい筋トレ法。
「はい! おっぱっぴー!」というフレーズを聞けば、あの人の顔が思い浮かぶでしょう。そう、全国の老若男女に笑いを届け続けている、お笑い芸人の小島よしおさんです。高校時代に筋トレと出会ってから健康的な体を維持している小島さんですが、10年ほど前には逆流性食道炎を患い、自身の健康を見つめ直した時期もあったのだそう。
現在、ステージやテレビ出演だけでなく、YouTubeチャンネルや子ども向けの雑誌での連載など、活動の幅を広げながらも「今がいちばん体の調子がいい」と語る小島さん。そんな小島さんに、体との向き合い方を伺いながら、運動初心者でも無理なくポジティブにトレーニングを続ける秘訣を教えてもらいました。
ストイックにやるだけが、トレーニングの正解じゃない。
──高校2年生から筋トレを続けている小島さんですが、もともと何かを続けるのが得意なのですか?
実は、どちらかというと飽き性なんです。でも、筋トレは同じ部位を鍛えるにしてもたくさん方法があるから飽きがこない。自分1人でやるのではなく、その都度トレーナーや師匠に出会って新たなことを教わってきたのも飽きなかった要因の1つかもしれません。
あと、やっぱり仕事で少なくとも週1回は裸になるので(笑)。みなさんも納期までに仕事を終わらせるじゃないですか。それと同じで、僕は体を見せるから続いているんだと思います。
──肉体を維持するためにかなりストイックにトレーニングされているんじゃないかなと想像しますが、「今日は面倒だな……」と思うことはないのですか?
ありますよ! 10年くらい前は自分にも他人にも厳しくて、毎日トレーニングしなきゃと思っていましたが、今は違いますね。昔は後輩を連れて無理やりトレーニングに行ったり、妻との旅行中も走ったり、休みをもらったのにトレーニングに充てたりしてました。でも、そうすると人が離れていき……。
最近は少し長い目で見て、1週間単位のトレーニング量で考えるようになりました。だから「今日できなくても明日やればいい」と、とにかく無理しない。あまり追い込まないほうが長続きするんだと気づいたんです。
──それに気づいたきっかけは?
効率のよい方法にしようとトレーニング内容を見直して無理なく練習していたら、テレビ番組のランニング企画で初めて優勝できたんです。休みの日は休みだと決め、それ以外も「雨だから今日は練習やめよう」くらいの感じでやっていたら、気持ち的にも切迫感なく健康でいられました。
体調不良をきっかけに、栄養学を学びはじめた30代。
──普段はどれくらいの頻度で運動をしているのですか?
走るのは週3、4回。参考にしているランニングのトレーニング本のその内容にのっとって走っています。
筋トレは、裸になる仕事の前日やお風呂に入る前、外食に出かける前などに5分から10分やるくらいです。ベンチプレス30kgをできる回数だけ上げたり、懸垂とぶら下がりをできるだけやったり。腹筋はけっこうこまめにやっているので、それを入れたら週4、5回トレーニングしているかな。
──お笑い芸人という職業柄、仕事の時間も不規則ですし健康バランスを崩す人も少なくないと思います。小島さんはご自分が不健康だと感じたことはありますか?
30代前半のころ、朝まで暴飲暴食をして仕事に行く日々を繰り返していて、逆流性食道炎になってしまったんです。そこから栄養学の勉強をして食事に気を遣うようになりました。
それまではとにかく筋トレをしているから大丈夫だろうと高をくくって、何がタンパク質で何が脂質かもわからないくらい栄養素に関しては無知でした。だから勉強して、オーガニックを意識したり、ファスティング(断食)をしたり、よさそうなものはとにかく試していました。ちょうどその時期に筋トレの師匠にも出会って……。
──筋トレの師匠?
はい。長田哲也さんというパーソナルトレーナーの方です。長田さんがいる鳥取まで通って、負荷をかけすぎずに効率よく筋肉をつける方法を教えてもらったことで、体の変化を如実に感じるようになりました。
重量にこだわっていたそれまでの筋トレは「やってるつもり」だったんだ、ケガを誘発しやすかったんだ、と痛感しました。あまり重くなくていいけれど確実に筋肉に効かせる動きを教えてもらい、トレーニング時間を短縮して効果を出すことができました。
まずは仲間を見つけて、「1分筋トレ」からスタートしよう。
──コロナ禍で筋トレをはじめた人も多いと思うのですが、初心者が挫折しないためのコツを教えてください。