物価上昇に負けない!料理家・橋本彩に学ぶおいしくラクする食費節約術。
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リーズナブルな食材をおいしく、さらにちょっと豪華な料理にすることに定評のある料理家の橋本彩さん。1歳と4歳のお子さんたちの育児に奮闘しながら、毎日の食事作りも無理せず楽しんでいるといいます。そんな橋本さんに、日々の買い物のコツや、食費の節約術、おいしさアップの調理術などをお伺いしました。
買い物は宅配と大型スーパーを使い分け、ふるさと納税も活用。
──お子さんは1歳と4歳で、4人家族とのことですが、毎月の食費の予算は決めていらっしゃいますか?
現在はレシピの試作用食品を購入しなければならないので、食費がいくらとは決められないところがあります。ただ、料理家になる前は月4万円以内に抑えるようにしていました。とはいえ、1円でも出てしまったらダメみたいな厳しい感じではなく、だいたいの目安でしたね。
今は下の子も離乳食を終えて大人と同じものを食べるようになったことで、おのずと家族全員の食べる量も増えたので今後はもっと食費が増えそうです。
──では、できるだけ食費を抑えるコツを教えてください。
まず、普段の買い物方法について。卵・牛乳・パン・ヨーグルトなどの毎日必要な食品は価格変動が起こりにくく、週に1回定期的に届けてくれる宅配を利用しています。
肉はなるべく、キロ単位のお得な大パックを扱っている大型スーパーでまとめ買い。野菜もキャベツや白菜は丸ごと買い、それ以外も大袋のものを購入します。
魚介類については、スーパーで買うと量が少なくて値段も高め。なので、うちではふるさと納税の返礼品を活用しています。キロ単位の魚の切り身などもありますし、とてもおいしいんです。
──食材ごとに、買う場所を変えているんですね。ではこれらの食材で、どのように献立を決めているのでしょうか?
献立は基本的に、ご飯とみそ汁、肉と野菜が入った炒め物などのメインの一品を組み合わせています。メイン一品でも肉と野菜で栄養バランスがとれますし、たくさん小鉢を並べるよりも子どもたちがよく食べますね。メイン一品だと、あれもこれもと買わなくていいので、食費も抑えられます。
「あと一品欲しいな」というときは、もずく酢や冷ややっこをプラスします。
──シンプルでいいですね。料理が苦手、という人でも挑戦できそうです。
そうですね。夫が仕事の会食などでいないときには、さらにシンプル! 丼物と具だくさんの汁物で済ませることもあります。中でも、肉と白菜、もやしやニラを炒め合わせた中華丼は子どもたちも大好き。天津飯や親子丼も気に入ってくれています。あんかけやとろっとした卵は食べやすいし、おいしそうにも見えますよね。
鶏むね肉・豚こま切れ肉は最強の節約食材。
──節約にオススメの食材はありますか?
リーズナブル食材の代表格は、肉なら鶏むね肉と豚こま切れ肉。ただ、どちらもそのまま焼くだけだとパサつきますし、工夫しないと味もいまいちですよね。でも、ひと手間かけることで、すごくおいしくなるんです。
まず、鶏むね肉なら、焼く前に片栗粉をつけたり、とき卵にくぐらせたり。そうすると、肉の水分が閉じ込められて、パサつきが避けられます。また、砂糖や酒を肉にすりこんで保湿してから加熱すれば、仕上がりが柔らかくなります。
豚こま切れ肉も同様。焼く前に片栗粉をまぶしたり、卵をもみ込んだりすることで、柔らかくジューシーに。片栗粉をからめた肉を丸めてボール状にして焼くと、肉の筋っぽい感じがなくなります。ひと手間かかりますが、下準備の際にポリ袋を使うと手が汚れず、洗い物も減るのでラクちんです。
ほかのオススメ食材は、大豆製品なら、豆腐や厚揚げ。あとは旬の野菜ですね。旬のものは安くて栄養価も高いですから。
──プラスひと手間ですね。ただ野菜は、使い切りが難しいという声も聞かれます。
一例ですが、トマトは角切りにしてソースにできますし、炒め物やスープの具材にもできます。くし形切りで肉料理の付け合わせにしてもいいですね。ズッキーニは輪切りにしてオイルで焼いたり、スライスして塩もみをしたりすると全然違う印象になりますよ。キャベツは炒めたりスープに入れたり、コールスローにしてみたりも。調理方法がワンパターンだと、味に飽きて使い切れないかもしれないので、いろいろ試してみてください。
野菜はちょっとだけ余っていたら、細切りにして中華丼の具にしてもいいですね。
──いろんな具で作れる中華丼は最強ですね。では、節約料理っぽく見えないコツはありますか?
肉料理に赤や緑、黄色の野菜を合わせて彩りをアップさせること。見栄えが良くなり、節約料理に見えなくなります。彩りを意識すると家族の反応も違って「こんなにおいしそうなものを作ってくれた」「すごい」と言われることが多いんですよ。
──野菜の彩りがポイントなんですね。ちなみに、ご家族のお気に入りのメニューは?
夫が好きなのはチキン南蛮で、子どもたちはチキンカツでしょうか。両方とも鶏むね肉を使っています。実はフライパンの深さ5mmくらいの油で揚げ焼きできるんです。大量の油を処理するのは大変ですし、今、油が値上がりしていてすごく高いですから。
──油類の値上がりに頭を悩ませている方も多いと思います。ちなみに油類はどんなお店で買われていますか?
近所に激安スーパーがあればそこで買うという手もあると思います。ただ、私たち夫婦も30代半ばになって、健康のことも気になってきているので、油だけはできるだけ良質のものを買おうと決めています。食費もこだわるところはこだわって、メリハリをつけていいと思います。
家計管理は家計簿アプリで。夫婦で収入・支出の見える化を。
──家計管理のために、家計簿をつけていらっしゃいますか?
結婚以来10年位、家計簿アプリを使っています。買い物の支払いは全部クレジットカードや電子マネーなので、アプリと連携させて自動記録できるようにしています。自分でレシートを見て書くような作業は一切ないのでラクですね。
──どのくらいの頻度でチェックされているんですか?
そんなに頻繁ではなく、月1回位でしょうか。10年も続けているので、どんなことにいくらかかるか傾向がつかめてきました。冠婚葬祭が重なると、交際費が高くなったりしますが、普段はそんなに使いすぎることはありません。
──堅実派なんですね。家計簿を始めたきっかけは何だったのでしょう?
「お互いの収入や支出を見える化しよう」というのがきっかけです。うちは夫婦の収入は全部合算して家族の家計にしているので、「家計簿アプリなら夫婦双方で見られるね」と。
その上で、お互いに欲しいものや必要なものを相談し合うようになったので、見える化以外にも、「無駄遣いしない」というメリットが生まれたかもしれません。
──共働きだとお財布は夫婦別々という家庭もあると思いますが、見える化しておくとおっしゃる通り余計なものを買う機会が減りそうです。ただ、夫婦で意見がぶつかることはないですか? また、こんなことにはお金を惜しまないというポイントがあれば、教えてください。
便利家電が欲しいと夫に相談したところ、意見が通らなかったことがあり、当時はぶつかったなと思ったのですが、今になって振り返れば必要なかった気もしていて。いつも夫が冷静に判断してくれるので、助かっています。
惜しまないのは、お出掛け代ですね。子どもたちと一緒にお出掛けできるのも今しかないですし、ここ最近はコロナ禍で旅行に行けなくて、家の近所でしか遊べなかったので。これからはいっぱい遠出したいと考えています。車を買って、私もペーパードライバー講習を受けました。
──ほかの出費は抑えて、親子の思い出にはお金を使うということですね。ちなみに目標を決めて、貯蓄されていますか?
生活費の余った分を貯蓄に回しているだけで、目標は決めていないです。将来的に家を購入したいので、本当はもっと貯めたいんですけど……。
──貯蓄のほかに、資産運用などをされていますか?
老後資金のために夫婦でつみたてNISAとiDeCoを、子どもたちはジュニアNISAをやっています。子どもたちの教育費については、18歳になるまで積み立てておけば、大学4年間ぐらいの費用になるのではないかと考えています。
資産運用に詳しいわけでもないので、こうやって堅実な投資の仕方でコツコツ積み立てようと思っています。
──教育費も老後資金も今の時点で万全だと。
いえいえ、大学進学に加えて、子どもたちもこれから教育費がかかってくると思うので不安はあります。どんな夢もあきらめないでもらいたいと思っています。でもそう考えたらまず教育費が足りなくなりそう……。子どもを優先したい気持ちが強いので、老後資金が削られていくのかもしれませんね。
──お子さんの学資保険や、あるいはご自身の個人年金保険への加入はされていますか?
いずれもまだ加入していなくて。個人年金保険に関しては、私たち夫婦も30代半ばなので、親にも「大丈夫なの?」と心配されている状態です。でも、人生100年時代が間近ともいわれますし、子どもたちが巣立ったあとにも、ある程度ゆとりある生活を送りたいですね。そうなると、公的年金だけじゃ全然足りないのかなと個人年金保険などは検討する時期が来るかもしれません。
──堅実に将来のことを考えられているのですね。最後に、節約を続けるコツについてアドバイスをお願いします。
無理をしないことだと思います。私も普段は食事を手作りしますが、朝から夕方まで仕事があって、帰宅後の時間が少ないときは、冷凍ギョーザを焼いて具だくさんのみそ汁だけを作るなんてこともありますから。
外食はお金がかかるといわれますが、習い事の帰りには子どもたちと外食もします。私も息抜きになりますし、子どもたちも喜びますからね。
お金を使うところと抑えるところを決めて、夫婦で共通認識にすること。とにかくストレスを抱えないこと。それが節約継続のカギだと思っています。
橋本 彩
料理家。4歳男児と1歳女児の2児の母。Webメディアにて料理家として勤務した後に独立。工程はシンプルに、味付けはおいしく、作る人も食べる人も満足できる家庭料理を提案し続けている。Instagram(@ponkotsu_0141)では、家族で食べる普段のごはんを発信。近著に『一品入魂ごはん ヘトヘトでも「これなら作れる!」』(KADOKAWA)がある。
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