ワインは太る?太りにくい飲み方を酒好き医師が伝授!

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「最近、体重増加が気になる。これってもしかしてワインのせい?」「ワインは糖質が多いと聞くし、太らないか心配」。そんな疑問や悩みを抱いたことがあるワイン好きの方も多いはず。でも、できることなら不安や後ろめたさを感じることなく、おいしく楽しくワインを飲み続けたいですよね。

そこでこの記事では、自らもお酒が大好きで、肝臓がご専門の医師・浅部伸一先生に、ワインと太ることとの関係性や、太りにくい飲み方など、ワイン好きなら誰しも気になる疑問について伺いました。

目次

結論:ワインは「特別太りやすいお酒」というわけではない。

結論:ワインは「特別太りやすいお酒」というわけではない。

結論から言えば、ワインはほかのお酒と比較しても、特別太りやすいお酒というわけではありません。ワインは、ウイスキーやブランデーなどの蒸留酒に比べると糖質はやや多いものの、グラス1杯あたり2g程度であり「適量を飲む程度であれば気にするほどではありません」と浅部先生は強調します。

参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 第2章(データ)」

そもそも、なぜお酒を飲むと太るの?

そもそも、なぜお酒を飲むと太るの?

ワインが特別太りやすいお酒ではないとはいえ、やはり飲んでもまったく太らないというわけではありません。「お酒を飲むと太りそうで心配。でもおいしいからついつい飲んでしまう」という方も多いはず。ここで、そもそもなぜお酒を飲むと太るのか、その理由を確認しておきましょう。

太ってしまう主な原因はおつまみ。

「太る理由は、第一におつまみです」と浅部先生はおっしゃいます。アルコールを摂取すると、消化管の働きがよくなり、食欲が増します。さらに、アルコールによって判断力が 落ちているので、自制心が利かず、つい食べすぎてしまうことも。

また、アルコールを分解している間は、脂肪の代謝が抑えられてしまいます。そのため、おつまみに、唐揚げやフライドポテトなど、糖質や脂質がたっぷり含まれているものを食べてしまうと、体内に脂肪がたまり、太ることにつながってしまうのです。

お酒に含まれる糖質の量にも注意!

おつまみだけではなく、お酒の糖質の量が太る原因になることも。

糖質には、血糖値を上げる働きがあります。糖質が多く含まれているお酒を飲み、血糖値が急激に上がると、体が脂肪をため込みやすくなり太りやすくなってしまうのです。ワインやビール、日本酒などの醸造酒は、ある程度の糖質を含んでいるため、飲む量には注意が必要です。

太りたくないけれど、お酒は飲みたい!おすすめのお酒は?

太りたくないけれど、お酒は飲みたい!おすすめのお酒は?

太りたくないけれど、お酒を飲むことはやめたくない……。そんな人は、どんなお酒を飲むといいのでしょうか。

「やはりカロリーと糖質が低いウイスキーやブランデーなどの蒸留酒を飲むのがいいでしょう。特にハイボールなら、炭酸水で濃さを調節することでアルコール摂取量やカロリーを減らせるのでおすすめです」(浅部先生)

とはいえ、どうしてもワインやビール、日本酒などの醸造酒を飲みたいときもありますよね。実際、ワインとほかのお酒とでは、どのくらいカロリーや糖質に差があるのか見てみましょう。

お酒の種類別カロリー・糖質の比較。

まず、100mlあたりのカロリーと糖質を見ていきましょう。ワインの100mlあたりのカロリーは、焼酎やウイスキー、ハイボールといった蒸留酒よりは低くなっています。また、同じ醸造酒のビールや発泡酒、日本酒よりは糖質が抑えられていることがわかります。

「意外にも、ビールの100mlあたりのカロリーは39kcalでワインの100mlあたりのカロリーの半分程度。100mlあたりの糖質も、ビールは3.1g、ワインは2.0gと大差ないのです。それでもビールに太るイメージがあるのは、ワインに比べてのどごしがよく、たくさん量を飲んでしまうからなんですよ」(浅部先生)

お酒の種類別のカロリー・糖質(100mlあたり)

お酒の種類カロリー糖質
ビール/淡色39kcal3.1g
缶チューハイ/レモン風味51kcal2.8g
白ワイン75kcal2.0g
日本酒107kcal4.9g
焼酎203kcal0.0g
ウイスキー234kcal0.0g

参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 第2章(データ)」

※ カロリーが少ない順に記載。

ただ、「100mlあたり」と言われてもあまりピンとこない方も多いはず。そこで、飲食店 などで提供される1杯あたりのカロリー・糖質も調べてみました。ここでも、ワインのカロリー・糖質がほかのお酒と比較して特別高いわけではないことが明らかです。

お酒の種類別カロリー・糖質(1杯あたり)

お酒の種類カロリー糖質
白ワイン(1/4本:約180ml)135kcal3.6g
ウイスキー(ダブル1杯:約60ml)140kcal0.0g
日本酒(1合:約180ml)193kcal8.8g
ビール/淡色(中びん1本:約500ml)195kcal15.5g
焼酎(0.6合:約110ml) 223kcal0.0g
缶チューハイ/レモン風味(ロング缶1本:約500ml)255kcal14.0g

参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 第2章(データ)」

※ カロリーが少ない順に記載。

ワインの種類別カロリー・糖質の比較。

ワイン好きであれば気になるであろう、ワインの種類別のカロリーと糖質もチェックしていきましょう。カロリー・糖質ともにもっとも高いのは、食後酒としておなじみのスイートワイン。赤ワイン・ロゼワイン・白ワインに関しては、糖質はロゼワインがやや高いものの、カロリーは同じくらいであまり差がないと言えるでしょう。

ワインの種類別カロリーと糖質(100mlあたり)

ワインの種類カロリー糖質
赤ワイン68kcal1.5g
ロゼワイン71kcal4.0g
白ワイン75kcal2.0g
スイートワイン125kcal13.4g

参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 第2章(データ)」

※ カロリーが少ない順に記載。

酒好き医師が伝授!太りにくいワインの飲み方。

酒好き医師が伝授!太りにくいワインの飲み方。

医師であり、ワイン愛飲家でもある浅部先生に、太りにくいワインの飲み方についてアドバイスしていただきました。

おすすめの飲む量とタイミング。

ワインの場合、ワイングラス1杯半程度を1日に飲んでもよい量の目安として覚えておくとよいでしょう(※1)。それ以上の量を摂取すると、生活習慣病のリスクが高まると言われています(※2)。

また、飲むタイミングについて、寝る数時間前には飲み終わるようにしましょう。寝ている間は代謝が落ちるため、お酒を飲んですぐに寝ると、太りやすくなってしまうのです。

※1 度数14%のワインの場合。ワイングラス1杯を125mlとして計算。

※2 生活習慣病のリスクを高める1日あたりの純アルコール摂取量は、男性は40g以上、女性は20g以上とされている。

参考:厚生労働省「健康日本21(第三次)」(2024)

おすすめのおつまみ。

おすすめのおつまみの特徴は大きく3つ。これらを意識して選ぶようにしましょう。

(1)タンパク質が多く含まれているもの。

カルパッチョや生ハムなど、タンパク質を含む食べものはアルコール分解を促進するアミノ酸のもとになります。肉料理は糖質と脂質が高いものが多いので、魚料理に置き換えるのがおすすめです。

(2)食物繊維が多く含まれているもの。

サラダやバーニャカウダなど、食物繊維が多く含まれている食べものは、消化吸収がゆっくり行われるので体への負担を和らげます。

(3)適度に糖質や脂質 が含まれているもの。

チーズやナッツ類など、糖質や脂質を含む食べものを最初のほうに食べておくことで、 食べすぎを防げます。糖質には空腹を感じる原因である血糖値の低下を防ぐ働きが、脂質には消化吸収に時間がかかるためお腹を空きにくくする働きと、アルコールの吸収を穏やかにして悪酔いを防ぐ働きがあるのです。あくまでも“少量”にとどめておくことを忘れずに!

飲みすぎないコツ。

お酒を飲みすぎないポイントは、あらかじめ飲む量、食べる量を決めておくこと。酔いが回ると意志が弱くなるので、飲む前に「どれだけ飲むか」「どのおつまみをどれだけ食べるか」をしっかり決めておくことが大切です。

また、お酒を別の飲みものに置き換えるのも1つの手。「もうちょっと飲みたいなと思っても、決めた量をオーバーしそうなら、私は炭酸水や、糖質の低いフルーツジュースを飲むようにしています。ノンアルコールでも意外と満足できるのでおすすめですよ」(浅部先生)

【まとめ】“適量”を意識して楽しい飲酒生活を。

毎日のささやかな楽しみや、頑張った自分へのご褒美としてワインをたしなむ方も多いはず。せっかく飲むなら「太ってしまうかも」などと心配せずに楽しみながら飲みたいですよね。今回ご紹介した1日の適正な飲酒量や飲みすぎないコツ、おつまみの選び方を意識して、楽しく健康的な飲酒生活を送ってみてはいかがでしょうか。

写真/Getty Images、PIXTA


【監修者】浅部 伸一 
東京大学医学部卒業。国立がん研究センターで肝炎ウイルス研究に従事後、自治医科大学を経て、アメリカ・サンディエゴに留学。現在は、アシュラスメディカル株式会社代表および自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科非常勤講師も務める。『酒好き医師が教える最高の飲み方』(日経BP社、2017年)を監修。


※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。 
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