毎日眠い、なんとかしたい!お悩み別に、睡眠に詳しい医師が回答。 毎日眠い、なんとかしたい!お悩み別に、睡眠に詳しい医師が回答。

毎日眠い、なんとかしたい!お悩み別に、睡眠に詳しい医師が回答。

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#健康
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睡眠時間は足りているはずなのに、なぜか「毎日眠い」と感じている人はいませんか?

もしかすると、寝室環境などの影響で睡眠の質が低下して、十分に眠れていないのかもしれません。

では、十分に眠るためには、どうしたらいいのでしょうか。眠りに関する著書も多く、睡眠を専門とする医師の坪田聡先生に、睡眠のお悩み別に原因・対策を解説していただきました。また、記事の後半では快眠セラピストの三橋美穂さんに、快眠グッズ選びのポイントを伺いました。

目次

十分寝ているはずなのに、毎日眠い。

十分寝ているはずなのに、毎日眠い。

「毎日だいたい1時~7時過ぎまで寝ているけれど、昼食後やそれ以外も眠気を感じる時間がある。会社から帰宅して夕飯をつくって食べ、そのあと21時過ぎのリラックスタイム中にうたた寝することも。夜はしっかり眠れていて、夜中とか明け方に目が覚めてしまうこともないのに……」

(Aさん・20代後半・女性)

「1日6時間寝ればOK」じゃないかも?

ひと言でいえば睡眠不足ですね。この人は1日6時間の睡眠では足りないのだと思います。「大人なら1日6時間寝れば足りる」と認識されている方は多いと思いますが、必要な睡眠時間は人によって違うのです。

平日と休日の睡眠時間の差が2時間までなら、睡眠不足とはいえないと思います。しかし、平日7時に起きる人が休日は10時頃起きるという場合は、3時間ほど多く寝ているわけで、明らかに睡眠時間が足りないといえます。

とるべき対策とは。

解決策としては、もっと早く寝る努力をするしかありません。いきなり1時間~2時間も早く寝ようとしても寝つけないと思うので、まずは30分、あるいは15分でもいいので、少しずつ布団に入る時間を早めていくといいでしょう。

このほかの解決策として、可能であれば昼寝をおすすめします。昼食後に、机につっぷして寝るのでも構いません。ただし、若い人は睡眠が深くなりやすいので、あまり寝過ぎると起きたあとも眠気が続いてしまいます。昼寝の時間は、20分を目安にしましょう。

坪田先生からのアドバイス

睡眠時間は確保しているけど、中途覚醒して眠い。

睡眠時間は確保しているけど、中途覚醒して眠い。

「毎日7時間~8時間は寝ている。けれど寝室の温度調整がうまくできず、夜中や明け方に寒かったり暑かったりして中途半端に目が覚めてしまう。隣で寝ている妻とはかけ布団を分けているけど、妻の寝返りなどちょっとした刺激で起きてしまう。最近はリモートワークで運動不足。体が疲れていないせいで深い睡眠がとれないのだろうか。寝起きがスッキリしないと日中も眠い」

(Sさん・30代前半・男性)

睡眠の質が悪いのかも?

部屋の環境、パートナーの寝返りが気になること、リモートワークによる運動不足などによって睡眠の質が悪くなっていることが原因のようです。

冬にエアコンをつけたまま寝て、途中でタイマーが切れると急激に部屋の温度が下がります。すると、寒さで目が覚めてしまいます。そこで、またエアコンをつけると、今度は暑くなってまた目が覚めてしまうということはよくあります。

同じ部屋で一緒に寝ている人と温度に対する感覚が違う場合、エアコンの温度を相手の感覚に合わせると、自分が暑さや寒さを感じて目が覚めてしまうこともあります。また、運動不足も中途覚醒の原因になります。

とるべき対策とは。

夏は布団をかけて26度、かけなければ28度くらい、冬は16度~20度程度が、寝るのに適正な部屋の温度といわれています。これを目安にエアコンの温度を調整しましょう。エアコンの風が体に直接あたると冷えすぎる、もしくは温まりすぎるので、風が直接体にあたらないように調整したり、扇風機やサーキュレーターを使ってエアコンの風を分散させるようにします。

温度に対する感覚がパートナーと違う場合は、できれば寝室を別々にするのがおすすめです。賃貸住まいなどでそれが難しい場合は、どちらかが布団を多くかけるなどして、調整しましょう。いびきや寝返りなどが気になるなら、耳栓をしたり、振動を吸収するようなマットレスに替えるなどして、対策を考えましょう。

体が疲れると夜眠くなりやすいので、ウォーキングなどの運動をするといいでしょう。また、太陽光などの明るい光を日中に浴びたほうが、夜はぐっすり眠れるので、日中30分ぐらい散歩するのもおすすめです。

坪田先生からのアドバイス

十分寝ているけど、起床・就寝時間が毎日バラバラ。

十分寝ているけど、起床・就寝時間が毎日バラバラ。

「1日6時間~7時間は寝ているけれど、日中眠気を感じる。寝起きがスッキリしない日もある。フリーランスで仕事をしているので、夕方にやる気スイッチが入って夜ふかし作業したり、逆に朝早くから仕事をしたり、起床・就寝時間が日によってズレてしまいがちなのがよくないのか……?」

(Uさん・20代後半・男性)

メラトニンや体内時計が関係しているかも?

1日トータルで6時間~7時間は寝ていても、睡眠ホルモンのメラトニンがよく分泌される0時から4時ぐらいまでの時間帯にしっかり寝ないと、寝不足だと感じることがあります。

食事や寝る時間が不規則な人も、体内時計がちゃんと回らなくなり、トータルの睡眠時間に関係なく、寝不足だと感じるようになります。

とるべき対策とは。

本来であれば、毎日同じ時間に眠る規則正しい就寝が望ましいのですが、なかなか難しいようであれば、「分割睡眠」という方法もあります。

まず、できるだけ深夜0時~4時の4時間はしっかり寝るようにしましょう。そうすれば、必要な残りの睡眠(約2時間~3時間)は、いつとっても構いません。ただし、昼間に寝ると睡眠の質が悪くなりやすいので、夕方以降の時間帯がおすすめです。

体内時計を整えるためには、朝日を浴びるのが効果的。体内時計はもともと24時間プラスアルファを1周として回っているのですが、朝日を浴びると、体内時計のズレがリセットされるんです。食事をとる時間を一定にすることも、体内時計の調整を助けてくれます。

坪田先生からのアドバイス

先生自身は快眠できている?

私は1日6時間くらいしか寝ませんが、睡眠時間を削っているわけではなく、日中も問題なく過ごせています。統計的に、20歳ぐらいの人は8時間ぐらい眠れるのですが、私のように60歳を過ぎてくると6時間くらいしか眠れなくなるからです。

寝返りしやすい寝具を使ったりして工夫しよう。

私は軽度の睡眠時無呼吸症候群持ちなので、最近はうつ伏せで寝るようにしています。うつ伏せ寝は睡眠が深くなり、無呼吸が起こりにくくなるからです。

一般的なお話をすると、寝返りがしやすい環境というのはとても大切です。寝返りがしやすい枕やマットレスなどを使ってみてもいいかもしれませんね。

快眠や起床をグッズに手伝ってもらおう。

さて、ここまで坪田先生にお悩み別に眠気対策を伺いましたが、なかなか実践できない人もいるでしょう。そんな人は快眠グッズを試してみるのがおすすめです。

快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂さんに、気持ちよく寝るための便利グッズを教えてもらいました。

寝返りがしやすく高さが調整できる枕。

寝返りがしやすく高さが調整できる枕。

枕は、基本的に真ん中が仰向け用に低めに、両サイドが横向き用に高めになっているものがおすすめです。枕と頭・首の間に隙間がなくなるようにするのが快眠のポイントなので、自分に合った形のものを選びます。ファスナーがついていて、中の綿やパイプを出し入れできて、高さや形を細かくカスタマイズできる商品を選ぶといいでしょう。

カーテンを自動で開閉するガジェットや耳を温める耳栓。

カーテンを自動で開閉するガジェットや耳を温める耳栓。

カーテンレールに取り付け、設定した時間になるとカーテンを自動で開閉してくれるグッズがあります。遮光カーテンを使っていても、起きたい時間にカーテンが開いて日光を部屋に入れてくれるので、気持ちよく目覚められるでしょう。充電式ですが、ソーラーパネルつきで日光で充電してくれるタイプもあります。

さらに耳を温めるとリラックスして眠りやすくなるといわれていますが、耳を温める耳栓があります。使い捨てカイロのようなタイプと、充電式で繰り返し使えるタイプがあるので、一度試してみてはいかがでしょうか。

着心地がいいパジャマ。

着心地がいいパジャマ。

Tシャツやジャージなど部屋着のまま寝る人も多いかもしれませんが、着心地のいいパジャマを着ると睡眠の質がアップするので、パジャマを見直すことも検討してほしいです。生地が柔らかく、吸湿性がよくて動きやすい(ゆとりがあって寝返りがしやすい)ものがおすすめです。

パジャマに着替えるという行為自体が「これから寝るんだ」という気持ちの切り替えにつながり、よく眠れる効果があるともいわれています。

【まとめ】「毎日眠い」を解消するために、できることからはじめよう。

ここまで坪田先生と三橋さんにお話を伺いました。坪田先生によると、睡眠に問題を抱えている人に多いのが、スマホやタブレットなどの電子メディアを見過ぎていること。電子メディアが放つブルーライトが目に入ると、メラトニンが出にくくなり、睡眠が妨げられると考えられます。

できれば寝る1時間~2時間以上前には、電子メディアを見るのを止めたいところですが、すでに習慣になっている人にとってはなかなか現実的ではありません。坪田先生は「まずは30分前に止めることを目指してほしい」と言います。

若いときは体力もありますし、寝る時間を削ってしたいことをして過ごすのもいいと思います。ただ、どこかで無理が出てくるはずなので、毎日眠くて困っていたらここで紹介した内容を参考に、できることからはじめてみましょう。

写真/PIXTA イラスト/オオカミタホ


【監修者】坪田 聡 
日本睡眠学会所属医師・医学博士・雨晴クリニック副院長。 
日々の診療の中で、眠りとさまざまな病気との関係に気づき、睡眠障害の治療をはじめる。「快眠で健康な生活を送ろう」をコンセプトに、睡眠障害の予防や睡眠の質向上のための啓発活動を積極的に行う。『女性ホルモンが整うオトナ女子の睡眠ノート』(総合法令出版)、『快眠ごはん 眠れるカラダを自分でつくる』(海竜社)など、著書多数。 


【監修者】三橋 美穂 
快眠セラピスト・睡眠環境プランナー。 
寝具メーカーの研究開発部長を経て2003年独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。著書に『オトナ女子の不調と疲れに効く 眠りにいいこと100』(かんき出版)ほか多数。


※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。 
※ 掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。 
※ 記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。

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