

車の購入に必要なものは?買うまでの流れや書類、費用を解説!
※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。
※ 本文中に記載の保険に関する保障の条件は、保険会社によって異なります。詳しくはご加入の保険会社にお問い合わせください。
「車を購入しよう!」と決心したものの、必要なものがたくさんあって、なんだか大変そう。お金も、車の本体価格だけではすまないという話も聞くし、「実際にどれぐらいかかるのだろう?」と不安になる人も多いかと思います。
中古車・新車の購入に役立つ情報を、ユーザー目線で丁寧に解説することに定評があり、ご自身も多くの車を乗り継いできたモータージャーナリストの萩原文博さんに、車の購入に必要な書類や手続き、かかるお金など、車の購入者が知っておきたい情報を詳しく教えてもらいました。
目次
- 車を購入するまでの流れ。
- 車を購入するときに必要なもの。
- そのほかに必要な手続きや書類。
- 車を購入するときにかかる諸費用。
- 車を購入するときの疑問あれこれ。
- 車を購入するときは、必要書類やかかる費用を確認してから販売店へ。
車を購入するまでの流れ。

車を購入するまでのおおまかな流れは以下のとおりです。

ポイントは、駐車場の確保・契約を早めに行うこと。
自宅に駐車スペースがある場合は問題ありませんが、もし購入後のタイミングで駐車場が確保できていないと、あとで述べる「車庫証明」を取れません。そうすると、自動車登録ができないのでナンバープレートや車検証の交付を受けられず、納車が先に延びてしまいます。駐車場探しは、事前準備として、車選びと同時に進めておくと納車までスムーズに進みます。
車を購入するときに必要なもの。

車を購入するときに必要なものは主に以下のとおりです。普通自動車か軽自動車かでも必要なものが変わるので、事前に確認しておくのがおすすめです。一つひとつ解説します。

※ 普通自動車免許の場合。取得金額と費用は取得方法によって異なります。
運転免許証
まず前提として運転免許証がないと車の運転ができません。車の購入にあたっては、売買契約やマイカーローンの契約をする際の、本人確認のために必要になります。車の試乗をするためにも、もちろん運転免許証は必要です。
実印と印鑑証明書
実印と印鑑証明書(印鑑登録証明書)は、家を買ったり会社を設立したりといった重要な法的手続きを行う場面で用いられます。まだ実印を持っていない人は認印を新たに作って、住んでいる自治体の役所で印鑑登録を行いましょう。
実印は、一般的にオーダーメイドで作るものなので、ある程度日数がかかることを考えておかなくてはなりません。なお、軽自動車の購入には印鑑証明書は不要です。
車庫証明(自動車保管場所証明書)
車の保管場所が確保されていることを証明する書類です。駐車場は自宅から2キロ以内の距離になくてはいけません。管轄の警察署に申請をして、数日後に証明書が交付されます。取得はディーラー(特定のメーカーから車を仕入れて販売する特約店。基本的に新車を販売する)や販売店に代行してもらうこともできますが、その場合は代行手数料がかかります。
警察署に申請する際は、申請書のほか、駐車場を借りる場合または自宅の土地が親族などの所有の場合は、「保管場所使用承諾証明書」が必要です(自分の所有地の場合は「自認書」)。駐車場を管理している不動産会社や大家さん、マンションの駐車場であれば管理会社に署名捺印をしてもらいます。
そのほか車の保管場所の所在図・配置図を提出します。その図をもとに、警察署の担当者が実地調査を行います。
軽自動車の場合は、車購入前に車庫証明を取る必要はなく、車購入後に「自動車保管場所届出書」を管轄の警察署に出す決まりになっています。大きな都市以外では「自動車保管場所届出書」が不要な地域もあります。
車検証(自動車検査証)
国の保安基準を満たしていることを証明するもので、車に必ず備え付けておかなければならないものです。ディーラーや販売店が用意してくれます。
自賠責保険証(自動車損害賠償責任保険証明書)
自賠責保険は「強制保険」とも言われ、すべての自動車が加入を義務づけられています。たいていの場合ディーラーや販売店が契約手続きを代行してくれます。自賠責保険に加入しないで運転した場合、50万円以下の罰金または1年以下の懲役、加えて行政処分として違反点数6点で免許停止となります。
委任状
新車購入時には自動車の登録手続きを、中古車購入時には車検の更新や名義変更手続きを、それぞれ運輸支局で行う必要があります。通常、これらの手続きはディーラーや販売店が車の所有者に代わって手続きを進めるため、委任状が必要となります。
住民票(軽自動車の場合)
軽自動車では、印鑑証明書がいらない代わりに、住所を証明するために住民票が必要です。
そのほかに必要な手続きや書類。

ここまで車を購入するときに必要なものを解説してきましたが、ほかにも車を購入したり安心して運転したりするためには必要な手続きや書類があります。
車を買い替えるときの必要書類。
買い替えのために乗っていた車を廃車または下取りに出す場合に必要な書類は、以下のとおりです。
・車検証(自動車検査証)
・印鑑証明書と実印(軽自動車の場合は認印も可)
・自動車税納税証明書
・自動車リサイクル券
・自賠責保険証明書
・譲渡証明書
・委任状
なお、自動車リサイクル券は車検証と一緒に収められていることがほとんどです。譲渡証明書や委任状は、通常は販売店などが用意してくれます。
マイカーローンを組むときの必要書類。
ローンを申し込む先によって必要な書類が変わりますが、最低限必要な書類は、以下のとおりです。
・使用目的がわかる書類(購入予定車の見積書または注文書など)
・収入がわかる書類(源泉徴収票・納税証明書・確定申告書など)
・本人確認ができる書類(運転免許証・パスポートなど)
任意保険(自動車保険)の申し込みに必要な手続き。
交通事故を起こした場合の損害賠償金は、数千万円から数億円単位になるケースもあり、自賠責保険ではまかないきれないこともあります。また自賠責保険が使えるのは人身事故だけなので、相手の車や物を壊した場合は支払対象になりません。「任意」保険とはいっても、自動車を運転する人は自動車保険に必ず入りましょう。
手続きに必要なものは以下のとおりです。
・運転免許証
・車検証
なお、運転免許証の色や、車検証にある車両型式(車種・年式)で保険料の割増率・割引率を決定するための等級が決まります。
車を購入するときにかかる諸費用。

車を購入する際にはさまざまなお金がかかります。車の車両本体価格に加えて、カーナビやドライブレコーダー、ETCなどの電子機器、フロアマットや雨よけバイザーなどオプション品を付けるのが一般的です。そのほかに以下で紹介する費用がかかるので、新車の場合、車両本体価格(消費税込み)プラス20%くらいのお金がかかると思っていいでしょう。
中古車の場合は、新車のときにかかる自動車税環境性能割やリサイクル料などが不要になり、車検が残っていれば自動車重量税や自賠責保険料が不要になるので、オプション品を付けなければ車両本体価格以外のお金は抑えられます。ただ、新車にはない整備費という名目の費用が諸経費の中に含まれている場合もあります。
法定費用
法律で納付や加入が義務づけられている費用です。新車を購入するときにかかる費用は主に以下のとおりです。
・自動車税種別割/軽自動車税種別割
・自動車税環境性能割
・自動車重量税
・自賠責保険料
・リサイクル預託金
・印紙代
1,800CCクラスの普通車でエコカー減税の対象であれば、7万円~13万円ほどかかります。
車庫証明代行手数料
車庫証明は申請と受け取りで平日に2回警察署に行く必要があり手間も時間もかかるため、ディーラーや販売店に代行してもらう人も多いようです。このときディーラーから委託されて行政書士が業務を行う場合は1万円~2万円の代行手数料がかかります(行政書士以外が手数料をとって車庫証明取得を代行することは法律で禁止されています)。
検査登録手続代行費用
新車なら自動車登録を、中古車なら車検や名義変更の登録を、ディーラーや販売店が車の所有者に代わって行います。販売店によって異なりますが、2万円~5万円が目安です。
希望ナンバープレート代
自分の好きな数字を、自分の車のナンバープレートに付けることができます。手数料は地域によって異なりますが、普通車の場合は、希望ナンバーで約4,000円~6,500円、図柄入りナンバーで約8,000円~1万円です。人気の高い数字は抽選となります。
納車費用
購入した車を自宅まで持って来てもらう費用で、近場なら1万円ほどです。自分で販売店に車を取りに行く場合はかかりません。
任意保険(自動車保険)料
自動車保険にディーラーや販売店を通じて加入した場合は、購入する車のナンバーが決まったときに支払います。
車を購入するときの疑問あれこれ。

そのほか、車を購入するときのさまざまな疑問について聞いてみました。
Q1:車のメーカーが違うと購入時の流れや必要なものは変わりますか?
メーカーによって購入の流れや必要書類が変わることはありません。ただし、同じメーカーでも、普通車と軽自動車では、登録システムが違うため、若干異なります。
Q2:新車と中古車では車を買うときに異なるステップはありますか?
基本的に新車と中古車で購入のステップが違うということはありません。ただ、新車の場合は欲しい車を扱っているディーラーに行けばいいですが、中古車の場合は店舗をいくつか回って比較することをおすすめします。
「中古車選びは販売店選び」と言われます。その販売店が信頼できるかどうかをしっかりとチェックしてください。
また、新車と中古車では納車までにかかる期間が異なります。新車は発注してから仕上げるので1か月~3か月ほどかかりますが、中古車は早ければ2週間~3週間、遅くとも1か月以内に納車が可能です。
Q3:「エコカー減税」とはどういうものですか?申請が必要ですか?
エコカー減税は、一定の要件を満たす環境性能の高い車について、2026年4月30日までに新車の新規登録を受ける際に、自動車重量税が免税または減税される制度です。車を購入する人が申請する必要はありません。
新規登録の際に免税された車のうち、さらに一定の要件を満たす車については、最初の車検を受ける際も税制優遇を受けられます。
車を購入するときは、必要書類やかかる費用を確認してから販売店へ。

車は家電や洋服などと違って、お店にふらっと行って選んで買って代金を支払って持ち帰る、というわけにはいきません。事前に用意しなければいけない書類が何種類もあるうえ、納車まで数週間から数か月待たなくてはなりません。車本体の価格以外にも税金や手数料など、さまざまな費用がかかります。
初めて車を購入する方が何も予備知識なしでディーラーや販売店に行くと、営業の人の説明で頭が混乱してあたふたしてしまうおそれもあります。納得のいく車を選ぶためにも、予習してから販売店に行くことが大切です。
写真/PIXTA イラスト/こつじゆい 税理士監修/渋田貴正
【監修者】萩原 文博
モータージャーナリスト。日本自動車ジャーナリスト協会会員。中古車情報誌編集部を経てフリーランスとして活動。中古車市場や販売店に精通するだけでなく、新車も日本で最も多くの広報車両を借り出して取材を行い、ユーザー視点のバイヤーズガイドには定評がある。
※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。
※ 掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。
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