

犬を飼う年間費用は?食費や医療費など犬との生活に詳しいFPが解説。
※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※ 本文中に記載の保険に関する保障の条件は、保険会社によって異なります。詳しくはご加入の保険会社にお問い合わせください。
犬と一緒の生活は楽しそうで、あこがれる人は多いことでしょう。でも、一人暮らしで飼えるのか、家族で飼いたいと思っているけれど、初めて迎える場合はどうすればいいのか、お金はどのくらいかかるのか……。そう感じて迷う人もいるのでは?
そこで、愛玩動物飼養管理士などの資格を持ち、犬との快適な暮らしを提案しているファイナンシャルプランナー(FP)の平野直子さんに、犬を初めて飼う場合にかかる費用について解説していただきました。平野さんは、約30年犬と生活をともにし、現在も9歳と14歳のポメラニアンと暮らしています。
※ 本記事で提示する金額は目安です。実際の金額は飼育状況によって異なります。
目次
- 犬にかかる費用は4つ!初期費用3万円、年間の飼育代18万円。
- 犬を飼う際にかかる初期費用。
- 犬を飼ったら光熱費やトリミング代がかかることも。
- 予防接種や去勢・避妊手術にかかる医療費。
- ペットホテル・しつけ教室などの臨時出費。
- 【まとめ】犬との幸せな生活を送るために、マネープランも立てておこう。
犬にかかる費用は4つ!初期費用3万円、年間の飼育代18万円。

犬種によってかなりサイズが違うので、トイレシートなどのグッズやフード代にも差がでてきます。ここでは、柴犬くらいの中型犬を想定して説明していきます。
まず飼いはじめるために必要な初期費用、フードやトイレグッズなどの毎月かかる費用(固定費。以下「固定費」で統一)、医療費、臨時出費の4つについてまとめました。詳細は後程説明するとして、最初の1年でこの4項目にどれくらいの費用がかかるのか、およその金額をまとめました。
犬を飼うために用意したい年間費用の目安
費用 | 内容 | 金額の目安 |
初期費用 | 登録料(※1 グッ ケージまたはサークル、キャリーケース、給水ノズル・トイレトレー・トイレシート・食器は必 一式そろうスターターセット(※2)もおすすめ。散歩ができるようになったら首輪・リードも必要 | 約3万3,400円 |
固定費 | 毎日使うトイレシートやドッグフード(おやつ代含む)など | 約14万4,000 (月/約1万2,000円) |
医療費 | 狂犬病ワクチン(接種義務)、任意のワクチン、フィラリア・ノミ・ダニの予防薬代など | 約1万1,000円~ |
臨時出費 | 帰省や旅行などで留守にするときのペットホテル代、状況によってはペットシッターに依 犬を遊ばせるドッグラン料など | 約2万3,000円 |
総額 | 約21万1,400円 |
※1 マイクロチップを新たに装着する場合は別途、動物病院で施術費用(7,000円~1万円)がかかります。ペットショップで個体を購入する場合、すでに装着している場合でも費用を請求される場合があります。
※2 セットによって異なりますが、おおむねケージ・給水ノズル・トイレトレー・トイレシートが入っています。
取材をもとにミラシル編集部で作成。
毎月かかる固定費は、フード・トイレシートなどで月に約1万2,000円、年間で14万4,000円ほど。これに医療費と臨時出費を加えると17万8,000円ほどです。犬種や飼い方、しつけ方などによってさらにお金がかかる可能性があります。それぞれの費用の内訳や、プラスでかかる費用について詳しく見ていきましょう。
犬を飼う際にかかる初期費用。

犬飼育用のグッズはネットでも購入できますが、犬種によって使い勝手が変わるので、初めて犬を飼う場合はペットショップなどで相談して購入するほうが安心です。
必ず用意しておきたいもの。
犬のための部屋(ケージまたはサークル)を用意しましょう。また、食器のほか、排せつ場所を固定するためのトイレトレーなども必要です。
これらのうち高額なのはケージで、5,000円程度から2万円程度のものと幅があります。サークルだと3,000円くらいから購入できます。サークルや食器、トイレトレーなどをまとめたスターターセットなら7,000円くらいから購入できます。
自治体への登録料3,000円も必須です。2022年6月以降にペットショップなどから購入した犬は、原則マイクロチップが装着されていて、自治体によっては登録不要になる場合もあります。その場合、環境省のホームページで、ペットショップから個人名に名義変更する必要があり、変更登録手数料400円がかかります。
犬を飼うために用意しておきたいもの
グッズ | 用途など | 金額の目安 |
ケージ/サークル | 安心できる居場所をつくるため。ケージは家代わりにもなるが、屋根がないサークルを使う場合は、別途キャリーケースを用意 | 約3,000円~2万円 |
キャリーケース(クレート) | 犬は狭い場所で寝るのが好きなので、サークル内に用意する | 約3,000円~1万円 |
トイレトレー | トイレシートのずれ防止と、トイレの場所を認識させやすくする | 約1,700円~5,500円 |
ペットベッド | キャリーケースの代わりに使ってもOK | 約3,000円~8,000円 |
食器 | フード用と水用を用意。犬の体格や顔の形、舌の長さに合った安定感のあるものを選択 | 約500円~5,000円 |
トイレシート | 薄型・厚型・レギュラーサイズ・ワイドサイズがある。犬の体格や好みで選択 | レギュラーサイズで約2,600円~/300枚入り |
ドッグフード | 犬種・体格・ライフステージに合ったものを選択 | 中型成犬用で約700円~5,000円/1kg |
おやつ | しつけ時のごほうびや食事の調整に。月齢・年齢に合ったものを | 1袋約300円~ |
首輪/ハーネス | 首輪のほうが動きをコントロールしやすいが、ハーネスのほうが体に負担がかかりにくい | 首輪は約500円~、ハーネスは約1,500円~ |
リード | 太さは犬の体格に合わせて、長さは用途に合わせて選択 | 約2,000円~ |
取材をもとにミラシル編集部で作成。
あると便利なもの。
犬用のおもちゃ、ブラシ・歯ブラシ・シャンプーなどお手入れ用品、消臭スプレーなど犬専用の掃除用品を用意したいですね。また、床がフローリングの場合、すべって関節などを痛める心配があるので、わが家ではカーペットを敷いています。
留守のときの様子を確認できるペットカメラがあると安心ですし、寒いときにはホットカーペット、散歩のときに犬に着せるウェアなどもあると便利です。
もしものときのために、犬用の防災グッズも準備しておきたいですね。現在、環境省では同行避難を推奨しています。一緒に避難できる持ち運びしやすいキャリーケースがあるとよいでしょう。ほかにも水・フード・常備薬・トイレシート・ゴミ袋・タオルなどを用意しておきましょう。
犬を飼うときにあると便利なもの
グッズ | 用途など | 金額の目安 |
ブラシ | 毛の長い犬種には必須 | 約1,000円~3,000円 |
歯ブラシ | 歯周病予防のために | 約300円~700円/1本 |
おもちゃ | 転がせるものや、かじったりかんだりできるものが◎ | 約300円~3,000円 |
消臭スプレー | なめても心配ない成分を使っているものを | 約500円~3,000円 |
カーペット | 毛足は、爪がひっかからない?さのものを。ループパイルよりもカットパイルのほうが爪にひっかからない | 約3,000円~ |
ペットカメラ | 留守がちで心配な場合は、あると安心 | 約2万円(安いものは約3,000円~) |
ホットカーペット | 真冬に床が冷たいときなどはあると便利(低温やけどに注意。電気不要のものもある) | 約2,000円~5,000円 |
犬用ウェア | 毛が短く寒さに弱い犬は、防寒用に。雨天も散歩に行く場合はレインコートを用意しても◎ | 約600円~ |
防災グッズ | セットになっているもののほか、日ごろ使っているものをリュックなどにまとめておくのも◎ | 約1万円 |
取材をもとにミラシル編集部で作成。
犬を飼ったら光熱費やトリミング代がかかることも。

トイレシートやフード、日用品のほか、プラスでかかってくる費用もあります。
犬の飼育のための光熱費・家賃。
住まいは、必ず「ペット可」や「ペット共生型」など、規約でペットと暮らせるとされている物件を選びましょう。一般的な物件よりも割高で、東京都では、相場よりも2万円~4万円程度高くなることも。無断で飼うと契約違反で退去させられたり、追加費用を請求されたりする可能性があるので、マンション等の規約などを必ず確認しましょう。犬の場合は、ニオイだけでなく足音・鳴き声で近隣住民から苦情がきたり、場合によっては通報されたりすることもあります。
犬種によって寒暖への強さは違います。猛暑日や真冬の冷え込むときは、エアコンを24時間つけっぱなしにしたりホットカーペットを使用したりする必要もあるため、光熱費が増える傾向があります。
光熱費(飼育に伴う追加分):約1,500円/ 家賃(飼育に伴う追加分):約9,000円~1万2,000円/月 |
トリミング代
柴犬のような毛の短い犬は、毛が抜けて生え変わることはあっても長く伸びることはないので、基本的にトリミングは必要ありません。プードルやテリア犬など、犬種によっては、こまめなトリミングが必要になります。
また、毛が短くトリミングが必要でない犬でも、シャンプーや爪切りなどをプロに任せるときには、料金がかかります。
シャンプー・カット・トリミング料:約4,000円~/回 |
ペット保険

写真は平野さん提供。
上の写真は、一緒に暮らしている14歳(左)と9歳(右)のポメラニアンです。小さいときはあまり医療費がかからなくても、加齢によって発症する病気もあります。わが家の場合もシニアになってから複数の疾患にかかり、いくつかの病院に通っています。
ペット保険は、ペットが病気やケガをした際に医療費の一部を負担してくれるため、高額な医療費がかかった場合に助かります。高齢になってからだと加入できないことが多いので、加入を検討する際は、先々のことも考えるとよいでしょう。
また、犬が散歩中に他人をかんでしまうとか、ものを壊してしまうケースもあります。こういった事態に備える保険もあります。
ペット保険料:約3,000円~/ ペット損害賠償特約:上記にプラス約90円~140円/月 |
予防接種や去勢・避妊手術にかかる医療費。

狂犬病ワクチンは、必ず受けなければなりません。生後3か月を過ぎた時点で1回目の狂犬病ワクチンを接種し、翌年からは、年に1回、毎年4月~6月ごろに受けます。さらに、さまざまな病気を予防する混合ワクチンがあります。接種は任意ですが、ペットの健康を守り、人獣共通感染症予防のためにも、接種をおすすめします。
医療費の目安
医療 | 詳細 | 金額 |
狂犬病ワクチン接種 | 生後3か月後に1回目。以 年に一度受ける | 約3,000円~4,000円/回 |
混合ワクチン接種(5種) | 狂犬病以外の感染病予防 | 約5,000円~1万円/回 |
去勢手術 | 繁殖を希望しない場合 | 約1万7,000円~ |
避妊手術 | 繁殖を希望しない場合 | 約3万円~ |
フィラリア・ノミ・ダニ予防薬 | 蚊を媒介して起こるフィラリア症などを予防 | 約2,700円~ |
健康診断 | 7歳以上のシニア犬は年に一度以上受けたい | 約1万円~ |
取材をもとにミラシル編集部で作成。
ペットホテル・しつけ教室などの臨時出費。

飼い主さんが長時間留守にしたり入院したりといった場合、ペットホテルなどに預けるか、ペットシッターなどに世話をしてもらうケースもあります。
しつけ教室(犬の幼稚園)が必要かどうかは、飼い主さんのしつけ方や考え方、犬の性格次第でしょう。しつけ教室にもさまざまなタイプがあり、マンツーマン(個別)、グループのドッグトレーニングから、飼い主さんがしつけを学ぶものも。しつけ教室に行かせるべきかどうか迷うときは、ペットショップなどが開催するイベントで相談するのも手です。
しつけトレーニング料:約6,000円~/回(個別 ペットホテル料:約4,000円/1泊(中型犬 ペットシッター料:約4,000円/時間(中型犬) |

【まとめ】犬との幸せな生活を送るために、マネープランも立てておこう。
犬の平均寿命は15年ですが、最近ではもっと長寿な犬も少なくありません。年をとるとさらに介護費・医療費などさまざまなお金がかかります。
今は一人暮らしの方でも、15年のうちにはライフスタイルが変化する可能性もあります。犬を飼うなら、必ずライフプランにペット費の科目を立てて、ペットの生涯にかかる予算も組んでおくことをおすすめします。安心して楽しく犬と暮らせる計画をしっかり立ててから、わが子として迎えてあげたいですね。
写真/Getty Images 写真提供/平野 直子
【監修者】平野 直子
ファイナンシャルプランナー(CFP(R))、ペット共生コンサルタント Con Un Cane 代表。
2005年にFPとして独立。宅地建物取引士、ペット共生住宅管理士、愛玩動物飼養管理士1級、ペットセーバー(日本国際動物救命救急協会)等の資格を持ち、ペットと幸せに暮らせるための住まいやライフスタイル、それを支える資金計画等、ペットとの暮らしに関する相談を多数受けている。
※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。
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