「朝の白湯」にはどんな効果がある?つくり方、続けるコツを医師が解説。
朝、白湯を飲む習慣にはなんとなく健康的なイメージがありますよね。試したいけれど、「本当にいい効果があるの?」「味がないから飲みづらい!」「つくるのが面倒……」とハードルを感じている人も多いのでは?
そもそも、白湯のつくり方や飲み方には決まりがあるのでしょうか? 「温活ドクター」としても活躍する医師の石原新菜さんが、簡単に取り組めて、体にもやさしい白湯習慣について解説します。
目次
白湯って何?

「朝、コップ1杯の白湯を飲むと体によい」とよく耳にします。そもそも白湯とはどんなもので、どんな効果が期待できるのでしょうか。
白湯は、味のついていない50℃~60℃のお湯。
白湯とは、何も混ぜていない、味のついていないただのお湯のこと。体温より高く、触ってみて温かく感じられる、飲めないほどではないくらいが適温。水を50℃~60℃に温めた、シンプルな飲み物です。
白湯を飲むと、どんな効果が期待できる?
「ただのお湯を飲むだけなのに、どんな効果があるの?」と思うかもしれませんが、石原先生によると、白湯を生活に取り入れることで、体にうれしいメリットがたくさんあるとのこと。
まず体温より少し高い温度のお湯を飲むことで、胃や腸が温まって活発に動きはじめます。また、水分を補給することで血行が改善され、全身の血流がよくなります。習慣的に続けることで、次のような効果が期待できます。
| 白湯習慣で期待できること 代謝アップ(ダイエット) 内臓の温度が上がり、胃腸の働きや血行がよくなることで、基礎代謝が上がり、減量しやすい体になる。 肌トラブルの改善 新陳代謝が活発になることで、体内の老廃物を排出しやすくなる。デトックス効果により肌トラブルの改善につながる。 冷え性・肩こり改善 冷え性や肩こり、腰痛は血流が滞り、筋肉が硬くなることによって起こる。白湯を飲むと血流が改善され、症状の緩和が期待できる。 便秘の改善 胃や腸が活性化されることで食べ物の消化がスムーズになり、便が出やすくなる。腸内環境が整いやすくなる。 免疫力アップ 免疫細胞の多くは腸にある。腸内環境が整って腸内細菌のバランスがよくなると、腸内細菌が免疫細胞を正常に働かせてくれる。 |
白湯は朝飲むとより効果的。

白湯は、どんなタイミングでどのくらいの量を飲んだらよいのでしょう。効果的な飲み方を伺いました。
白湯はいつ飲むのがいいの?
1日のうち、どのタイミングで飲んでもよいのですが、特におすすめの時間は朝起きたときと夜寝る前です。
1日1回なら朝起きたとき。
1日1回飲むなら朝起きたときがベストです。なぜなら、ほかの時間帯よりメリットがたくさんあるからです。
一晩眠っている間に体は脱水気味になっています。また、就寝中は体温が下がっていますから、起床後の白湯で水分補給し、胃腸を温めてあげましょう。
白湯を朝1回飲んだだけで、体が温まった状態がずっと続くわけではありませんが、まだ眠っている胃腸を白湯でやさしく刺激して、動かしてあげることがとても大事です。
冷え性の人は夜寝る前も。
冷え性で夜なかなか寝つけない、という方は寝る前にも白湯を飲むことがおすすめです。
私たちの体は、就寝時には手足から放熱して深部体温を下げることで休息モードに入っていきます。ところが、冷え性の人はこの体温調節がうまく機能しません。布団に入っても手足が冷たいので、体の熱をこれ以上外に逃がすことができず、深部体温を下げられないのです。そこで、白湯を飲んでいったん体を温めてあげることで、深部体温が下がっていき、スムーズに眠りにつくことができます。
1日何回飲んでもOK。
朝と寝る前以外にも、1日何度飲んでもよいです。散歩やランニングの前、おふろの前に飲むと、おなかが温まり、胃腸が刺激されて活発に動きはじめます。すると、より体が温まりやすく、同時に汗もかきやすくなります。運動時や入浴時の水分不足も防げます。
また、食事の前に飲むと「さあ、ごはんだよ」という胃腸への合図になり、いきなり食事を摂るより体への負担を抑えることができます。さらに、白湯である程度おなかがふくれるため、食べすぎの防止にもなります。
白湯の適量は?
1回に飲む量はマグカップ1杯程度、150mL~200mLくらいが適量です。一気に大量に飲むと、体内の塩分濃度が薄まりすぎてしまう恐れもありますから、ゆっくりこまめに飲むのがベターです。
1日に飲み物から摂るべき水分量の目安は、約1.2L(安静時の場合)。白湯をメインにして水分補給してもOKです。
白湯のつくり方は手軽な方法でOK。

「白湯とは、鍋ややかんで水を10分以上沸騰させて、50℃に冷ましたもの」という定義をよく見かけますが、これはアーユルヴェーダ(古代インド・スリランカ発祥とされる伝統的医療法)の考え方にもとづいた白湯のつくり方。
アーユルヴェーダでは、自然界のすべては「水・火・風」の3つの性質から構成されていると考えられています。「水」を「火」で熱し、沸騰したときに生まれる気泡で「風」が加わった白湯は、3つの性質をバランスよく取り入れられる飲み物だと言われているそうです。
もちろん、アーユルヴェーダにこだわりたい人は極めてみてもよいでしょう。でも、面倒だな、と思う人は、なるべく簡単な方法でつくって「体を内側から温めること」にフォーカスしていきましょう。もちろん、コンビニなどで売っている「白湯」でもまったく問題ありません。
ぴったり50℃でなくても大丈夫。
温度は、温度計で測ってぴったり50℃にしなくても大丈夫。すぐ飲めないくらいの熱々ではなく、温かいと感じる飲みやすい温度でOKです。厳密な温度設定をすることが目的ではなく、体温以上の温度の飲み物で体を温められればよいのです。
鍋ややかんで沸騰させてつくる場合は、前夜のうちに保温水筒にお湯を入れておくと朝にはほどよく冷めていますし、熱湯を注ぐとすばやく適温にしてくれる白湯専用マグカップなどの市販グッズもあります。自分にとって楽にできる方法で、毎日続けることが大事です。
鍋ややかんで湯を沸かす。電気ケトルでもOK!
水道水を使う場合は、塩素臭が気になるなら、しばらく沸騰させることで臭いが抜けます。マグカップに注ぎ、適温になるまで冷まします。電気ケトルを使って沸かしてももちろん大丈夫ですよ。
電子レンジやウォーターサーバーでつくる。
水道水の塩素臭が特に気にならない人や、ミネラルウォーターや浄水器を使う場合は沸騰させる必要はありません。電子レンジで適温に温める、ウォーターサーバーの温水と冷水を混ぜて適温にする、など手軽な方法でつくってください。
白湯を習慣化するために。気になるQ&A。

白湯を毎日の習慣にするために、気になる疑問にお答えいただきました。
Q1:白湯の味が苦手。飲みやすくなるアレンジ法はある?
「私がおすすめしているのが、『ちょい足し白湯』。レモンやお好みのハーブ・スパイスで香りをつける、梅干・昆布・味噌を少量入れる、好きな香りや風味をちょい足しすると、ぐっと飲みやすくなります。糖分の摂りすぎにならない程度にハチミツなどで甘みを加えてもおいしく飲めます。
気分が落ち込んでいるときには、漢方でもよく使われる大葉やショウガ、シナモンなどを使ってみるのもおすすめです。大葉は生のままでもよいですし、コンロでさっと炙ってからもみ入れると、成分がより出やすくなります。
ちょい足しする素材によっては、血行促進や体を温める効果がより高まることも期待できます。
ショウガは蒸しショウガにすると血行を促進し、体を温める成分の『ショウガオール』が増えます。香りを楽しむなら、生のショウガをおろしてしぼり汁を入れるか、チューブ入りを使っても。辛いときはハチミツをちょい足しすると飲みやすくなります。ショウガの体を温める効果は3時間くらいなので、こまめに飲むとよいです。
保温水筒にお好みでアレンジした1日分の“マイ白湯”を入れて、こまめに飲む、という人もいますよ」(石原先生)
Q2:熱いお湯や冷たい水ではダメ?
「ぬるくて飲みやすい温度がおすすめです。熱々の飲み物は口の中・のど・胃などの粘膜を傷つける恐れがありますし、冷水は、胃や腸の粘膜に張りめぐらされた毛細血管がキューッと縮んで、体温を下げる作用が働いてしまいます」(石原先生)
Q3:お茶やコーヒーなどの温かい飲み物ではダメ?
「緑茶や紅茶、コーヒーなどに含まれるカフェインが、血管を収縮させる作用があり、体を冷やしてしまいます。また、利尿作用があるため、尿とともに熱を放出してしまいます。ですから、お茶やコーヒーは白湯の代わりではなく、まったく別のものとして、適量を楽しむようにしましょう」(石原先生)
Q4:どのくらい続けると効果が感じられる?
「個人差があり、白湯以外の食事や運動などの生活習慣にもよりますが、1週間くらいで変化を感じる方は多いようです。まずは1週間やってみて、手足が温かくなった、便通がよくなった、よく眠れるなど、何かしらよいことがあったら、ぜひそのまま続けてみてください」(石原先生)
石原先生が白湯習慣で感じた変化。
長年白湯を飲む習慣を続けている石原先生ご自身が感じている、体の変化を教えていただきました。
「研修医時代に忙しすぎて体が絶不調になり、生理も止まってしまいました。漢方医である父に相談したところ、“とにかく体を温めなさい”と。そこで、体を温める『温活』の一環として白湯を飲むようにしました。
最初は『味がなくてまずい』と思っていましたが、ショウガを入れたらおいしく飲めるし温まる! 以来、温活歴19年。夏でも欠かさず、白湯で体の内側から温めることが健康につながっていると実感しています。むくみや花粉症も軽くなったと感じています」(石原先生)
【まとめ】「白湯習慣」でヘルシーに過ごそう。
石原先生によると、最近は若年層を中心に白湯を飲むことを習慣としている人が増えているようです。夏でも冷房が効いた室内にいると体が冷えるので、冷たい飲み物よりも白湯がおすすめです。外食先でも、お願いすればお冷やの代わりにお湯を出してくれるお店も増えています。
白湯習慣は、体を温めることにフォーカスして、シンプルに「体温より少し温かい白湯を飲む」ことを続けていけばOKです。自分に合った取り組みやすい方法、ちょい足し技で、白湯を毎日のルーティンにしてはいかがでしょう。
写真/Getty Images、PIXTA
【監修者】石原 新菜
医師、イシハラクリニック副院長。帝京大学医学部卒。同大学病院研修医を経て、現在は父・石原結實のクリニックで主に漢方医学・自然療法・食事療法による治療に携わる。また講演・テレビ・ラジオ・執筆活動と幅広く活躍するほか、「温活ドクター」としての著書も多数。
※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。
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