子どもの「やりたい!」を応援。人気の習い事「水泳」の魅力と親のサポートを解説。
※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
子どもの習い事として人気が高い「水泳」ですが、その魅力はどこにあるのでしょう。また、子どもが水泳を習うとき、親はどのようなサポートをすればいいのでしょうか。
水泳を習うメリットからスイミングスクール選びのコツ、必要なお金まで、個人指導型スイミングスクール「東京スイミーSS」代表の菅原優さんにお話を伺いました。
ミラシル「習い事は何が人気?親が知っておきたい、子どもに合わせた習い事の見つけ方。」
目次
- 水泳を習うメリット。
- スイミングスクール選びで大切なこと。
- 親に求められる役割・サポート。
- 水泳を習うのに必要なお金。
- 【まとめ】子どもの「やりたい!」を応援し、よいときも悪いときも前向きな声かけを。
水泳を習うメリット。
今も昔も、子どもの習い事として人気が高い水泳。その根強い人気の理由・メリットは何でしょうか?
インナーマッスルが鍛えられ、ケガをしにくくなる。
水泳は、全身を使って運動するので、体の筋肉がバランスよく鍛えられます。また、水の中では、浮かんだ状態で姿勢を一定に保たなければいけないので、アウターマッスル(体の表面にある筋肉)だけでなく、それを支えるインナーマッスル(体の奥にある筋肉)も鍛えることができます。
インナーマッスルは体のバランスをとる筋肉ですので、これが発達していると、転びそうになってもとっさにバランスをとることができ、ケガをしにくくなります。
成功体験を積みやすく、自己肯定感がアップ。
水泳は、水慣れやけのびにはじまり、クロール・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライと、さまざまな種目があります。
そこに距離とタイムを組み合わせれば、目指す目標は無限に広がります。自分に合った目標を段階的に設定できるため、成功体験を得やすく、自己肯定感が高まるのです。
また、「クロールで15メートル泳げるようになった」など上達が目に見えるため、自信がつきやすいのも特徴です。
運動神経がまんべんなく発達する。
6歳〜12歳ごろは「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、運動神経が著しく発達する時期です。水泳は全身の筋肉を使うので、この時期に水泳に取り組むと、脳と筋肉をつなぐ運動神経をまんべんなく発達させることができます。
バランスよく全身の運動神経を発達させることで、ほかのスポーツに取り組むときに、初めての動きであってもイメージどおりに体を動かしやすくなります。
心肺機能が発達し、体にかかる負荷が小さい。
ほかのスポーツと比べ、水泳では水圧がかかった状態で呼吸し、ときに呼吸を止めることもあるため、心肺機能が鍛えられます。その結果、呼吸器疾患であるぜんそくが改善する子どももいるようです。
また、水泳は浮力の影響で体にかかる負荷が小さいこともあり、ケガのリスクが低いスポーツです。小さい子どもでも安心して楽しむことができるため、大人になっても高齢になっても続けることができ、健康維持にも役立つ運動です。
ただし、肌が弱い人はプールの水に含まれる塩素で肌が荒れることがあるので、泳いだあとはシャワーでしっかり洗い流したり、保湿クリームなどでケアしたりすることが大切です。
スイミングスクール選びで大切なこと。
水泳をはじめる際にまず考えるのは、どのスイミングスクールに通うのか、ということです。以下では、検討する際のポイントとなる点を解説します。
家からの距離。
何よりもまず、スイミングスクールは、子どもが通える距離にあるところを選びましょう。あまり遠いと行き帰りに時間がかかり、生活リズムが崩れるなど、子どもの体に負担がかかります。
スイミングスクールの指導方針や運営会社の企業理念。
通える距離のスイミングスクールが複数あるのであれば、指導方針や運営会社の企業理念を確認しましょう。「子どもに泳ぐことを楽しんでほしい」のか、「水泳のスペシャリストを目指してほしい」のかなど、ご家庭の教育方針や価値観を確認し、重なる部分が多いスイミングスクールを選ぶと、実際に習いはじめてからのミスマッチが減らせるのでおすすめです。
水泳選手を目指すなら特化したコースがあるかを確認する。
水泳選手を目指す場合は、いわゆる「選手育成コース」があるスイミングスクールを選ぶとよいでしょう。これらのコースでは、ほぼ毎日1時間〜2時間泳ぐのが一般的です(年齢・スイミングスクールにより異なります)。
ただし、選手を目指すコースに通っているからといって、必ずしも順調に水泳が上達するわけではありません。そのスイミングスクールでどのような指導が受けられるのか、事前にしっかり確認しましょう。
親に求められる役割・サポート。
子どもが水泳を習う場合、スイミングスクールへの入会金や月謝の支払い、水着・ゴーグルなど水泳用品の準備、子どもの送り迎えが必要になります。また、大会や記録会に参加する場合は、親同士が協力して当日の子どもの待機場所を確保したり、大会によってはタイムを計るなど審判の補助的な役割をしたりすることもあります。
さらに、選手を目指すコースでは、保護者会への参加や合宿費の支払いなどが必要になる場合があります。
水泳を習うのに必要なお金。
習い事を継続して行うためには、金銭面も大切です。以下では、スイミングスクールの月謝の目安や水泳用品の購入費など、水泳を習うために必要なお金について解説します。
月謝の目安。
スイミングスクールの設備や住む地域、年齢などによってさまざまですが、集団指導の場合、月謝は週1回のコースで、だいたい6,000円〜8,000円が相場です。
選手を目指すコースでは、レッスンの回数が多いこともあり、だいたい一般のコースの1.5倍〜2倍の金額になることが多いです。また、個人指導の場合は、1回のレッスンにつき、だいたい6,000円〜8,000円が相場です。
そのほか、スイミングスクールによっては、専用の送迎バスがあります。バス代はスイミングスクールによってさまざまですので、ホームページなどで確認しておくとよいでしょう。
必要な水泳用品と費用の目安。
水泳を習っていくうえで必要になる水泳用品は、水着・ゴーグル・キャップです。そのほか、タオルやプールバッグなどを用意する必要があります。
費用の目安は、水着が2,000円〜4,000円(金額には男女差があります)、ゴーグルは1,000円程度、キャップは600円〜800円が相場です。
また、必需品ではありませんが、ゴーグルの曇り止めや吸水性の高いスイムタオルを使う人もいます。そのほか、スイミングスクールによっては、浮力を補助するヘルパーやビート板などの購入を求められる場合があるので、事前にご確認ください。
選手育成コースに入会した場合に必要になる選手用の水泳用品は、水の抵抗を抑えるなどの改良がされているため、水着は5,000円〜1万2,000円、ゴーグルは2,000円程度、キャップは1,000円〜2,000円と、一般的な水泳用品の2倍以上の金額になることもあります。
また、選手用水着は高機能で高価な反面傷みやすいので、多くの人は練習では普通の水着を使い、大会のときだけ選手用水着を使います。
一般用 | 選手用 | |
水着 | 2,000円〜4,000円 | 5,000円〜1万2,000円 |
ゴーグル | 1,000円程度 | 2,000円程度 |
キャップ | 600円〜800円 | 1,000円〜2,000円 |
※ 菅原氏への取材をもとにミラシル編集部にて作成
水泳用品の買い替えのタイミングは、子どもの成長にあわせるのが一般的ですが、生地が破ける、薄くなるなどの傷みがみられたら、サイズがちょうどよくても新しいものに買い替えましょう。
このほか、水の危険性を考慮し、すべてのスイミングスクールでは保険加入が義務づけられているため、スポーツ保険の保険料(年間1,450円/「東京スイミーSS」の場合)がかかります。
また、大会や記録会に出る場合は、1種目につき1,000円〜2,000円を支払って参加します。
計画的に教育資金を準備しよう。
水泳を習う際に、最低限準備するものといえば、水着とキャップ、ゴーグルくらい。月謝もほかの習い事と比べてそれほど高くなく、気軽にはじめやすい習い事といえます。
とはいえ、習いはじめると毎月の出費となるのは間違いなく、また、選手を目指すとなると水泳用品の費用も月謝も2倍近くかかります。
無計画に習いはじめると家計への負担が大きくなり、教育資金がかさんでしまうかもしれません。
それでも、お子さんの夢は親として応援したいもの。学資保険でまとまった教育資金を準備し、習い事のお金を毎月の家計の範囲内でやりくりするなどして、計画的に子どものやりたいことや将来の夢を支えたいですね。
【まとめ】子どもの「やりたい!」を応援し、よいときも悪いときも前向きな声かけを。
メリットも多く、比較的手軽にはじめられる水泳。子どもが前向きに取り組み、水泳を続けられるように、親にできることは何でしょうか?
最初にもお話ししたように、水泳は種目や距離、タイムなど、客観的な指標が多いので、そのぶん結果が明確にわかりやすいという特徴があります。
そのため、「今日は25メートル泳げなかったね」「前回よりタイムが落ちているよ」など、ついつい子どもに言ってしまいがちです。
ただ、うまくいかなかったことは本人が一番よくわかっているので、結果についてあれこれ言うのはあまり効果がなく、それどころか水泳が嫌になってしまうかもしれません。
水泳では、よい結果が出たときに結果を褒めて成功体験を積ませることが大切です。たとえ、よい結果が出なかったときも、結果ではなく、「きれいに泳げていたね」と別の視点で褒めたり、「何回もチャレンジしていたね」と努力の過程を称えたりしてください。そうすることで子どもは承認されたと感じ、親と水泳が好きになり、またがんばろうという気持ちになるのです。
水泳をはじめ、さまざまな習い事がありますが、子どもが「やりたい!」と思ったものを選ぶのが一番。そして、子どもがよい結果を残したときもそうでなかったときも、そのがんばりを褒め、子どものやりたいことを末永く応援しましょう。
写真/Getty Images、PIXTA
菅原 優
Swimmy株式会社代表取締役。個人指導型スイミングスクール「東京スイミーSS」で代表を務め、自らも指導にあたる。東京学芸大学教育学部生涯スポーツ専攻卒業。広島県出身。水泳指導のほかに、俳優、1児のパパと多彩な顔をもつ。
※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。
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