子育ての費用そんなにかかるの?ママさんFPが明かすやりくりのポイント。
※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」、生命保険料を「保険料」と記載している部分があります。
お子さんがいる家庭なら、どうしても気になるのが子育てにかかる費用の問題です。子どもが生まれてから成人して独立するまで、子育てにかかるお金は、いったいどうやりくりをしていけばよいのでしょうか?
子どもが生まれてから大学を卒業するまでにかかるお金を想定した「子育てにかかる費用」について、大学1年生と小学6年生のお子さんをもつファイナンシャルプランナーの八木陽子さんが解説します。
教育費の貯めどきと使いどきを知って、子育てマネープランを立てましょう!
目次
子育て費用ってどんなお金のこと?
「子育て費用」と聞くと、まず学校などに支払う「教育費」を思い浮かべる方が多いと思います。ですが、実際は日常生活を送っていくための食費や医療費などといった「養育費」も、子育て費用に含まれてきます。具体的にどのようなものがあるのか、さっそく見ていきましょう。
内閣府は、2010年3月に「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」(※)を発表しています。この報告書では、「子育て費用」を以下のように細分化しています。
※ 10年以上前のデータのため、消費税や物価など現在とは異なります。
教育費:学校にかかるお金や習い事代など。
教育費は、授業料や給食費、修学旅行代など、学校生活全般にかかる「学校教育費」だけではありません。受験費用、習い事代、学習塾費用なども「学校外活動費」として教育費に含まれます。後述しますが、未就学児や小学生のころは、学校外活動費が学校教育費よりも重いウエイトを占めることになります。
養育費:衣類や食費、通院、お小遣いなど。
家庭内での食事やお弁当代などの食費、衣服費、医療費、子どもの携帯電話代、お小遣い、子どものための貯蓄、誕生日などのお祝い、子どもとのレジャー、保育料など、教育にかかるお金以外が「養育費」にあたります。「こんなにたくさんの項目が養育費になるの!?」と驚かれるかもしれませんね。いずれも子育てをするうえで必要になってくる費用です。
年齢別、子育て費用の上手な使い方。
子育てにかかる費用の準備が想像以上に大変だと知ると、思わず目を背けてしまったり、将来が不安になったりしますよね。私にも大学1年生と小学6年生の子どもがいるので、その気持ちはよくわかります。実際に「子どもにお金がかかって、なかなか貯金ができない……」と相談にいらっしゃる方は少なくありません。
しかし、子育てはロングスパンで考えるべきものです。突然、一気にお金が必要になるわけではないので、安心してください。大切なのは、教育費の全体像を把握して、貯めどきと使いどきを知ることです。
ここでは、各年齢でかかる子育て費用の目安とともに、教育費を上手にやりくりするコツ、使い方の注意点について解説します。
【未就学児(0歳~6歳)】幼保無償化で、保育費の負担減!教育費の貯めどきに。
2019年10月1日から「幼児教育・保育の無償化」がスタートしました。3歳以上の保育費が一部無償化されたので(※)、この時期の子育ての費用負担は大きく軽減されました。負担が減ったぶん、乳幼児期は教育費の貯めどきだと言えるでしょう。
※ 0歳から2歳までの子どもについては、住民税非課税世帯を対象として、保育所、認定こども園の利用料が無償化(認可外保育施設等については保育の必要性の認定を受けている場合、利用料が月額4.2万円まで無償化)
無償化=幼稚園・保育園への支払いがゼロになるわけではない。
幼児教育・保育の無償化(略して幼保無償化)がされて、3歳から5歳の幼稚園や保育園にかかるお金は大幅に下がりましたが、いくつか注意点があります。
保育所 | 認定こども園 | 認可外保育園・ベビーシッター | 幼稚園 | 幼稚園の預かり保育 | 障害児通園施設 | |
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共働き家庭 シングルマザー(保育の必要性に該当する場合) | 全額無償 | 全額無償 | 月3万7,000円まで補助 | 全額無償 (子ども・子育て支援新制度に参入していない幼稚園は、月2万5,700円まで補助) | 幼稚園の補助に加えて月1万1,300円まで補助 | 全額無償 |
専業主婦(夫) 上記以外 | - | 補助なし | 補助なし |
1つは、利用する施設によっては無償化とならず、上限金額が設けられているということ。また、通園送迎費や食材料費、行事費用については、無償化前と変わらずかかるということにも留意してください。いずれにしても、無償化だからといって幼稚園や保育園への支払いがゼロになるわけではない、ということを頭に置いておきましょう。
乳幼児期のお金の使いすぎに要注意!マネープランは「子どもが独立するまで」で考えて。
幼児期は、つい習い事にお金をかけすぎる傾向があります。日々、子どもと接していれば、得意なことや好きなことを伸ばしてあげたいと考えたり、いろんなことに興味関心をもってほしいと願ったりすることは、親として自然なことですよね。
しかし、無償化制度の導入により余裕ができたお金を、そのまま習い事に使ってしまったら、結局トータルでかかる教育費は変わりません。目先のことだけでなく、大学を卒業するまでのトータルでかかる資金について、きちんと予算立てしておくことが重要です。
児童手当の管理はしっかり。別口座へ移動を。
子どもが生まれると支給されるのが「児童手当」です。年3回に分けて振り込まれますが、放っておくと、いつの間にか生活費になってしまっているケースも少なくありません。振り込まれたらすぐに別口座に移動するなどして、きっちり分けて教育資金として管理しておくのがよいでしょう。
最も教育費がかかるのは大学の費用です。それに向けての準備を、この時期からはじめておくことが大切です。
【小学校でかかる子育て費用】塾や習い事のやりすぎが家計に響くことも。
小学校でかかる子育て費用の目安は、年間で約115万円です。しかし、これはあくまでも平均値で、公立に進学するか私立に進学するかで大きく変わります。文部科学省「子供の学習費調査」によると、公立だと学習費は年間約32万円ですが、私立だと学習費だけで年間約160万円かかります。
しかも、小学校は6年間あるため、私立に通わせた場合は、トータルで1,000万円近くかかることになります。中学受験が過熱するなかで、さらにその前の小学校受験へ……と考える親も見られますが、学費の負担はかなり重くなります。
また、6年間の学習費の推移でいうと、入学時の1年生はランドセルや学用品などの費用が多くかかります。公立・私立ともに、2年生・3年生になると、少し下がりますが、高学年になると、子どもの成長とともに、習い事などを含めて学習費用が増えていくと考えておくとよいでしょう。
学習費(小学生)の目安
- 年間:約32万円(公立)/約160万円(私立)
- 月額:約2万7,000円(公立)/約13万3,000円(私立)
もう1つ注目すべき点は、公立小学校に進学した場合は、学校教育費よりも学校外活動費のほうが多くかかる点です。学習費の内訳を見てみると、以下の図にある学校外活動費には、家庭教師費や学習塾費などの学校外教育費と、習い事の月謝などが含まれます。つまり、公立小学校に通う場合、どれだけ習い事をさせるかによって、教育費全体のボリュームが大きく変わります。
公立 | 私立 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
学校教育費・給食費 | 学校外活動費 | 合計 | 学校教育費・給食費 | 学校外活動費 | 合計 | |
小学1年生 | 152,858 | 198,002 | 350,860 | 1,319,004 | 572,998 | 1,892,002 |
小学2年生 | 80,144 | 183,166 | 263,310 | 835,462 | 530,686 | 1,366,148 |
小学3年生 | 90,099 | 202,851 | 292,950 | 848,311 | 567,599 | 1,415,910 |
小学4年生 | 89,878 | 219,739 | 309,617 | 869,042 | 628,045 | 1,497,087 |
小学5年生 | 100,285 | 238,847 | 339,132 | 902,967 | 727,717 | 1,630,684 |
小学6年生 | 128,506 | 242,434 | 370,940 | 929,443 | 860,871 | 1,790,314 |
小学生の習い事は、それほど高額ではないことが多いですが、今は複数の習い事を抱えているケースも多く、総額にするとかなりの額になることがあります。
得意なことを伸ばすにしろ、苦手なことを克服させるにしろ、はたまた未知の才能を伸ばすにしろ、実にたくさんの習い事があります。ピアノ、スイミング、英会話、そろばん、体操……、近年はプログラミングを習わせる親も増えていますよね。
学校外の教育費は、かけようと思えばいくらでもかけられるがゆえに、家計への負担は大きくなりがちです。教育費全体を考えたときに、習い事を絞ったほうがよさそうならば、夏休みだけの体験プログラムにするなどして、かけもちをなるべく減らしましょう。
【中学校でかかる子育て費用】部活や塾代……固定費の出費が増えはじめる時期。
中学校でかかる子育て費用の目安は、年間で約156万円です。小学校と同様に、公立に進むか私立に進むかで、学習費が大きく異なってきます。公立の場合、学習費用は年間で約49万円ですが、私立の場合は約141万円。月額にして3倍近くの開きがあります。
学習費(中学生)の目安
- 年間:約49万円(公立)/約141万円(私立)
- 月額:約4万円(公立) /約12万円(私立)
中学生の場合は、公立でも私立でも学校外活動費はそれほど変わらないのですが、学校教育費は私立のほうが高額です。特に入学金の関係もあり、私立の1年生にかかる教育費は特に高く、約162万円です。私立を選ぶ場合は、いくら必要なのか金額の目安をあらかじめ立てておいて、できるだけ早くから準備をしておきましょう。
公立 | 私立 | |||||
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学校教育費・給食費 | 学校外活動費 | 合計 | 学校教育費・給食費 | 学校外活動費 | 合計 | |
中学1年生 | 238,385 | 218,197 | 456,582 | 1,343,067 | 281,594 | 1,624,661 |
中学2年生 | 148,670 | 287,513 | 436,183 | 903,647 | 326,475 | 1,230,122 |
中学3年生 | 161,161 | 408,187 | 569,348 | 976,347 | 386,042 | 1,362,389 |
道具代に遠征費……部活動で想定外の出費も。
中学生になると、部活動がスタートします。文部科学省の調査では、部活動費は学芸会や林間学校と同じ費目である「教科外活動費」として、学校教育費のなかに含まれています。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
教科外活動費 | 教科外活動費 | |
中学1年生 | 41,826 | 57,327 |
中学2年生 | 32,435 | 51,699 |
中学3年生 | 14,464 | 58,337 |
部活動に関する出費が、予想外に大きく、家計を圧迫してしまうことがあります。入部直後は「道具を一式そろえる」「部活のユニフォーム代を支払う」など、まとまったお金が必要になることも多いです。しかも、道具は入部後も買い替えが必要になることもありますし、連休や夏休みに泊まりがけの合宿などがあれば、その費用もかかります。
部活選びは、本人の意思を尊重するのが一番ですが、家計のやりくりに困らないように、事前に親子で話し合って決めることが大切です。
高校受験をする場合の学習塾代や受験代を忘れずに。
中学校の学習塾代は、一般的に私立よりも公立のほうが多く費用がかかると言われています。これは、私立では中高一貫校が多く、受験のための通塾費や受験料がかからないためです。
公立の中学校は、学費こそ安いものの、2年生の終わりから3年生になると高校受験に向けて塾に通う子どもが増えます。3年生のときの学習塾にかかる費用の平均をみてみると、私立の場合は約19万円ですが、公立だと約31万円かかることになります。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
中学1年生 | 110,774 | 117,141 |
中学2年生 | 178,408 | 156,644 |
中学3年生 | 313,780 | 186,569 |
保護者のなかには「公立校は受験に関する情報が少ないので、情報収集のために通わせている」という人もいるほど。学習塾代のほか、受験代なども忘れずに確保するようにしましょう。
【高校でかかる子育て費用】見落としがちな受験~入学準備にかかる費用。
高校における学習費の総額は、公立は約140万円、私立は約290万円と、やはり倍以上違ってきます。年間の費用を見ると、公立なら年間約40〜50万円、私立なら年間約85〜116万円です。
学習費の目安
- 総額:約140万円(公立)/約290万円(私立)
- 月額:約4万円(公立)/約8万円(私立)
公立 | 私立 | |||||
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学校教育費 | 学校外活動費 | 合計 | 学校教育費 | 学校外活動費 | 合計 | |
高校1年生 | 370,374 | 137,606 | 507,980 | 956,333 | 203,683 | 1,160,016 |
高校2年生 | 299,848 | 160,622 | 460,470 | 660,825 | 232,302 | 893,127 |
高校3年生 | 171,000 | 232,622 | 403,622 | 532,525 | 318,562 | 851,087 |
予備校や大学受験の費用も忘れずに。
大学進学を希望している場合、毎月の塾費用に加え、夏期・冬期講習なども含めて年間100万円ほどかかるケースもあります。通う塾によって、教育費が高額になることもあるので、教育費を準備する際は、それらの費用も考慮しておきたいところです。
【大学でかかる子育て費用】学費に仕送り、最大の難関!やりくりのコツは?
大学でかかる子育て費用については、やや複雑になります。国公立か私立か、理系か文系かによって学費が大きく異なるだけではなく、自宅か自宅外通学かで、生活費が大きく異なってくるからです。
まずは、国公立と私立の学費と生活費の違いについて、日本学生支援機構の調査を見てみましょう。自宅通学の場合は、学費と生活費をあわせて、国公立大学だと年間約110万円です。私立大学でも、自宅通学ならば年間約180万円です。
しかし、下宿やアパート住まいの場合は、国公立大学でも年間約170万円は必要となり、私立大学の場合だと約250万円と費用が大きく変わってきます。
自宅 | 下宿。アパート等 | 平均 | ||||||||||
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学費 | 生活費 | 合計 | 家庭からの給付 | 学費 | 生活費 | 合計 | 家庭からの給付 | 学費 | 生活費 | 合計 | 家庭からの給付 | |
国立大学 | 699,200 | 423,100 | 1,122,300 | 616,500 | 614,000 | 1,151,800 | 1,765,800 | 1,165,300 | 637,700 | 885,500 | 1,523,200 | 951,800 |
公立大学 | 711,600 | 418,700 | 1,130,300 | 545,600 | 629,600 | 1,052,300 | 1,681,900 | 992,400 | 666,700 | 768,000 | 1,434,700 | 792,700 |
私立大学 | 1,374,600 | 436,200 | 1,810,800 | 1,066,600 | 1,394,900 | 1,100,400 | 2,495,300 | 1,705,200 | 1,373,900 | 659,700 | 2,033,600 | 1,279,100 |
学費・生活費の一部は、奨学金や子どものアルバイトでまかなうことも。
もっとも、大学生ともなれば、すべての学費と生活費を親が負担しなければならないわけではありません。実際のところ、大学生に必要な支出のうち、「家庭からの給付」の項目を見てみるとそれがわかります。国立大学の自宅通学生の場合、年間支出の合計は約110万円にもかかわらず、「家庭からの給付」は約62万円にとどまっているのです。残りの金額については、子ども自身がアルバイトや奨学金でカバーしていることがわかります。
奨学金については、オリジナルの奨学金が充実している学校もあります。この点に関しては通う大学によって状況が異なります。大学選びの1つの基準にしてみるとよいでしょう。志望校をワンランク下げて、特待生制度を活用し、学費を工面するという方法もあります。
なお、奨学金で注意しておきたいのが、給付型か貸与型かということです。同じ学内の奨学金であっても、2つの種類が存在する場合もありますので、よく確認する必要があります。給付型の場合は、受給制限が設けられている場合があるので、どの給付型を選択するか優先順位をつけましょう。また、貸与型の場合は、返済しなければならないので、慎重に考えましょう。
そのほか、大学生にもなると、「留学したい」「免許をとりたい」など、要望のスケールも大きくなります。自分で貯めさせるのも1つの手ですが、家庭で援助するのであれば、そのぶんの費用もあらかじめ考えておきましょう。
最後に、大学で忘れがちな支出が2つあります。1つは、就職活動の費用です。スーツ代や交通費など、場合によって多額な出費となる可能性があります。もう1つは、20歳をすぎると国民年金がかかることです。学生納付特例制度もありますが、将来に関わることなので、今一度、子どもと話し合って決めるようにしてください。
子育て費用は公的支援の活用を。
中学校から高校にかけて特に負担が大きくなるのが、学習費を含めた子育て費用です。「こんなにいろんな費用がかかるのか……」と驚かれたかもしれませんが、教育費の負担が大きいことに対して、国や自治体なども対策を打っています。助成金の給付が少しずつ広がっているので、挙げていきます。
まずは、前述したように、2019年10月から幼児教育や保育は無償化されました。原則3歳〜5歳の子が利用する保育所や幼稚園などは、利用料が無料になります。また、児童手当として0歳から中学校卒業まで、養育者に毎月1万〜1万5,000円が支給されます。ただし、所得制限を超えるご家庭は、月額5,000円になります。
そのほか、健康保険を使用して受けた診療や調剤の自己負担分を助成する「子ども医療費助成」や高校生に対する就学支援制度である「高等学校等就学支援金」もあります。
もちろん十分とは言えませんが、国や自治体の方向性として、サポート制度が拡大されつつあることは頭に置いておくとよいかもしれません。
主な制度・助成金 | 対象 | 概要 |
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幼児教育・保育の無償化 | 原則、3歳~5歳までの子ども | 3歳〜5歳の子が利用する保育所や幼稚園などの利用料が無料になります(制度対象外の園は、月額2万5,700円まで)。 |
児童手当 | 0歳~中学校卒業まで | 中学卒業までの子を育てる養育者に毎月1万〜1万5,000円が支給されます(所得制限あり)。 |
子ども医療費助成 | 小学生 中学生 | 健康保険を使用して受けた診療や調剤の自己負担分(保険適用の総医療費の2割または3割)を一部または全部を助成(※自治体によって異なります)。 |
高等学校等就学支援金 | 高校生 | 高校生に対する就学支援制度。年収目安910万円未満の世帯に年間11万8,800円が授業料として支援され、年収目安590万円未満の私立高校に通う子がいる世帯においては、年間39万6,000円まで授業料が支援されます。 |
参考:内閣府「幼児教育・保育の無償化について」 、内閣府「児童手当制度のご案内」、東京都福祉保健局「義務教育就学児医療費の助成」、文部科学省「高等学校等就学支援金制度」
子育てにかかるお金、どう貯める?
子育てにかかるお金をどのように準備していくのがよいかといえば、とにかく積み立てていくことだと思います。保険会社の学資保険などはその代表例ですが、そのほか、財形貯蓄や自動積立定期を活用して、一定額をコツコツ貯めていく。子育ては長丁場ですから、できるだけ早くはじめれば、そのぶんだけあとで楽になります。
また、少額からはじめられて、得られる利益が非課税になるつみたてNISA、元本と利息の支払いを国が保証している個人向け国債、元本割れするリスクはあるものの1,000円からスタートすることができる投資信託の積み立てなども検討されてみてはいかがでしょうか。比較的リスクが低く、利回りが有利なもので長期運用し、子育て資金を準備するという方法です。子どもの成長にあわせて、計画的に無理なく、子育てにかかるお金を貯めていきましょう。
必要なときへの「備え」が大事。
子育てにかかるお金は、成長段階に応じて変わり、多種多様だということがおわかりいただけたかと思います。親ならば、一度立ち止まって教育費について考える必要性があります。なにしろ、子どもの進路や希望によって大きく必要な額が変わってくるため、「どこまで出すか」を検討するかが、子育てのお金を考えるポイントです。
子どもができるだけ希望する道に進むことができるように、幼いころから少額でもしっかりと貯蓄して、必要なときに備えることが大切です。国や自治体の支援も活用し、ときには専門家にも相談しながら、一歩一歩前に進んでいきましょう。
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八木 陽子
ファイナンシャルプランナー
東京都在住。1男1女の母。出版社勤務を経て独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事を行う。2008年、家計やキャリアに関する相談業務を行う株式会社イー・カンパニーを設立。著書に『マンガでカンタン!お金と経済の基本は7日間でわかります。』(Gakken)など。
※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。
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