掛け捨て型の医療保険って何?メリット・デメリットを解説。 掛け捨て型の医療保険って何?メリット・デメリットを解説。

掛け捨て型の医療保険って何?メリット・デメリットを解説。

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#保険
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※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。
※ 貯蓄性のある医療保険は、解約返還金が支払った保険料総額を上回ることは一般的になく、早期解約の場合、解約返還金はまったくないか、あってもごくわずかです。
※ 本文中に記載の保険に関する保障の条件は、保険会社によって異なります。詳しくはご加入の保険会社にお問い合わせください。

20代~30代で、「医療保険の加入なんて考えたこともなかった」という人は多いかもしれません。いざ保険商品を検討しはじめると、そのしくみは複雑で、よくわからない用語に出合うこともしばしば。

今回は「掛け捨て」というワードに着目し、掛け捨て型の医療保険の特徴やメリット・デメリットを紹介。若い世代の方が医療保険を選ぶ際のポイントを、ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんが解説します。

目次

掛け捨て型の医療保険の特徴とは?

掛け捨て型の医療保険の特徴とは?

一般的に生命保険の商品には、「解約返還金」(保険契約を解約したときに戻ってくるお金のこと。保険会社によって解約返戻金などの呼び方もあります)や、満期時にもらえる「満期給付金」などがあるかどうかによって、「掛け捨て型の保険」「貯蓄性のある保険」の2種類があります。

医療保険は、病気やケガのリスクに備える保険で、病気やケガで入院・手術をしたときなどに所定の給付金を受け取れます。医療保険にも「掛け捨て型の保険」と「貯蓄性のある保険」があります。では、掛け捨て型の医療保険には、どのような特徴があるのでしょう?

掛け捨て型の医療保険はシンプルなしくみ。

掛け捨て型の医療保険は、契約期間中に保障の対象になる入院や手術などがない限り、保険料を何十年払い続けていても、解約しても、お金が戻ってくることはありません。何事もなければ、払い込んだ保険料はすべて「掛け捨て」になるのです。

貯蓄性のある医療保険に比べると掛け捨て型の医療保険のしくみはシンプルで、そのぶん、保険料は手頃なことから、現在販売されている医療保険の多くは「掛け捨て型」です。

掛け捨て型の医療保険のメリット・デメリット。

それでは、掛け捨て型の医療保険にはどんなメリット・デメリットが考えられるでしょう。

掛け捨て型の医療保険のメリットは?

掛け捨て型の医療保険のメリットとしては、「保険料が安い」「保険の見直しがしやすい」「商品の種類が多い」の3つが挙げられます。

掛け捨て型の医療保険のいちばんのメリットは、先述したとおり貯蓄性のある医療保険に比べると同等の保障内容でも保険料が安いこと。また、解約返還金がないため、早期に解約しても長く加入し続けた場合に比べて損をする、ということはありません。保険料や保障内容がご自身の状況と合わなくなったときなど、ライフスタイルの変化にあわせて保険の見直しがしやすい、といえます。また、現在主流であることから商品の種類も多く、自分に合った商品を選べます。

掛け捨て型の医療保険のデメリットは?

掛け捨て型の医療保険のデメリットとしては、「健康なままなら支払った保険料を無駄に感じることもある」という点があります。

医療保険はもしものときの入院や手術などを保障する保険です。特に若いうちに加入した場合は、病気のリスクも高くなく、健康に過ごせる期間が長く続くことも多いでしょう。このときに、支払ってきた保険料を無駄と思うか、「いざというときに備えての安心を買っていた」と思うかは、その人の考え方次第です。

貯蓄性のある医療保険の特徴とは?

貯蓄性のある医療保険の特徴とは?

支払った保険料が掛け捨てにならず、いくらかが戻ってくるのが「貯蓄性のある医療保険」です。掛け捨て型のデメリットが改善されたようにも感じられますが、そのぶん保険料は高くなります。

商品により、次の3つの形でお金を受け取れます。

健康祝い金

一定年数が経過するごとにお祝い金を受け取れます(3年~5年ごとに5万円~10万円など)。お祝い金は、期間中に入院などの給付金の支払いがなかった場合に支払われます。

保険料が戻ってくる。

解約や被保険者が死亡することなく、一定の年齢まで保険料を払い続けると、入院給付などで使わなかった分の保険料が戻ってくるものもあります。それまでに払い込んだ保険料のうち、入院給付金などの受け取りがあった場合は、その金額を引いた差額が戻ってきます。加入期間が長いほど戻ってくるお金は多くなる場合が一般的です。

解約返還金

終身保険や学資保険(※)のように保険期間が長く、貯蓄性のある保険には、解約時に戻ってくるお金があります。これが解約返還金です。

医療保険にも、商品によって解約返還金があるものもあり、次のようなパターンがあります。ただ、医療保険の場合、解約返還金が支払った保険料総額を上回ることは一般的になく、特に早期に解約した場合は、まったくないかごくわずかです。

1.解約返還金が解約時までに払い込んだ保険料の3分の2程度であるもの(保険会社によって異なります)。
2.保険料払込期間中は返還率が低く、払込満了後から増えていくもの。
3.保険料払込満了後に数万円程度のわずかな解約返還金があるもの。

現在販売されている貯蓄性のある医療保険の多くは、1または2、1と2併用のタイプがあり、掛け捨て型に比べると商品数はごく限られています。また、解約返還金の有無や条件も商品ごとに異なります。検討する際には、しっかりチェックしておきましょう。

※ 学資金・満期保険金の受取総額が保険料の総額を下回る場合があります。また、解約返還金は多くの場合、保険料の累計額を下回ります。

貯蓄性のある医療保険のメリット・デメリット。

貯蓄性のある医療保険のメリットとデメリットについてみていきましょう。

貯蓄性のある医療保険のメリットは?

貯蓄性のある医療保険のメリットは、「健康祝い金など、健康なままでも受け取れる給付金がある」「貯蓄性がある」などです。

保険料を銀行口座から自動で口座振替されるようにしておけば、毎回払い込むなどの手間がかかりません。また、病気やケガに備えた保障が得られて、ある程度の貯蓄性があることもメリットといえます。

貯蓄性のある医療保険のデメリットは?

貯蓄性のある医療保険のデメリットとしては、「保険料が高い」「解約すると予定していた金額を受け取れない場合がある」「商品数が少ない」などがあります。

また、掛け捨て型の医療保険が比較的シンプルなしくみであるのに対して、貯蓄性のある医療保険はより複雑になっています。こちらを検討する際には、「よくわからないけど、保険料が無駄にならないからなんとなくいいかも」ではなく、商品の特性をしっかり理解しておくことが大事です。

掛け捨て型の医療保険・貯蓄性のある医療保険は、それぞれどんな人に向いている?

掛け捨て型の医療保険・貯蓄性のある医療保険は、それぞれどんな人に向いている?

商品の特徴やメリット・デメリットを考えると、掛け捨て型の医療保険と貯蓄性のある医療保険は、それぞれ次のような人に向いているといえます。

掛け捨て型の医療保険が向いている人。

次の点に当てはまる人は掛け捨て型が向いているといえるでしょう。

1.できるだけ保険料を抑えたい。
2.必要な時期だけ保険に加入しておきたい。
3.将来保険の見直しをする可能性がある(結婚・家族が増える・住宅購入・転職・リタイアなどを機に)。
4.貯蓄や資産運用を自分でコントロールできる。

貯蓄性のある医療保険が向いている人。

次の点に当てはまる人は貯蓄性のあるほうが向いているといえるでしょう。

1.掛け捨て型がイヤ。
2.病気やケガに備えつつ、保険を活用して将来のための資産形成も行いたい。
3.預貯金だと、つい取り崩してしまう。

若い世代には掛け捨て型の医療保険がおすすめ。

20代~30代の方が医療保険を選ぶ際には、ライフスタイルの変化にあわせて保険の見直しがしやすいか、を見極めることがポイントです。そこで、若い世代の方におすすめなのは、解約返還金をなくすことで保険料を抑えた、掛け捨て型の医療保険です。

また、最近では入院日数に関係なく、1回の入院に対して所定の額の入院一時金が支払われるタイプの医療保険もあります。短期の入院でもある程度まとまった額の給付金をもらえ、入院にまつわるさまざまな出費をまかなえます。

【まとめ】もしものときに備えて、自分に合った医療保険を選ぼう。

20代~30代は、中高年に比べれば病気のリスクは少ないとはいえ、公私ともにアクティブに活動する機会が多く、思わぬ事故に遭ったり、ケガをしたりすることもあるかもしれません。

まだ収入や貯蓄がさほど多くはないからこそ、もしものときのために、コストはなるべく抑えて必要な保障を確保しておくことが大切です。

思いもよらない病気やケガをしたときに、使える預貯金はどの程度あるか、家族などを頼ることはできるのか、また、自身が加入する健康保険や勤務先からはどのような給付を受けられるのかなどを確認し、必要であれば医療保険で備えておくとよいでしょう。

「掛け捨て型の医療保険」の特徴や「貯蓄性のある医療保険」との違いを知ったうえで、保障内容と保険料のバランスを見て、ご自身に合った医療保険を選ぶとよいかと思います。

写真/PIXTA

 


黒田 尚子

ファイナンシャルプランナー。1969年、富山県生まれ。日本総合研究所でSEとしてシステム開発に携わりながらFP資格を取得。1998年に独立し、各種セミナーや講演などで活躍。2009年に乳がん告知を受け、自らの実体験から、がんなどの病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動も行っている。著書に『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか「自然に貯まる人」がやっている50の行動』(日本経済新聞出版)など。


※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。
※ 掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。
※ 記事内容の利用・実施に関しては、ご自身の責任のもとご判断ください。

(登)C22N0232(2022.12.27)
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#保険 #万一への備え #病気・けがへの備え #医療保険
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