疲れを取る食べ物とは?コンビニで手に入る食材を管理栄養士が紹介!
※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。
仕事に家事や子育て、資格の勉強……。働き盛りの世代は、元気なつもりでもいつの間にか疲れがたまっていることもあります。疲労回復の重要な鍵は食べることですが、忙しいと料理をする気になれない人も多いはず。コンビニで手に入る食べ物で疲れが和らぐなら、とても助かるのではないでしょうか。
では、疲れを和らげるにはどんな栄養素を含む食べ物を食べたらいいのでしょう? トップアスリートを「食と栄養面」からサポートしている管理栄養士・橋本玲子さんに、コンビニでも買えるおすすめの食べ物を疲労のシチュエーション別に伺いました。
目次
- 今日も残業でクタクタ……精神的疲労。
- 子育て中、抱っこのしすぎで筋肉の疲労に。
- 資格試験にむけて追い込み中!脳の疲労に。
- 栄養学のプロも実践している「疲れを和らげる食べ方」とは?
- レトルトのカレーやサラダチキンで簡単アレンジ。
- 「バランスのとれた食生活」は、できることからはじめてみよう。
今日も残業でクタクタ……精神的疲労。
「残業終わりでクタクタで、会社から帰宅する途中。上司との折り合いもよくなくて、ストレスを感じている。今日はもう料理もしたくない。この時間じゃスーパーも閉まっているし、コンビニで手に入るもので、疲労回復に効果的な食べ物ないかなぁ……」
精神的疲労におすすめの栄養素と食べ物。
栄養素 | 精神的疲労を和らげる食べ物の例 |
ビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・リコピン | ニンジン・ブロッコリー・レモン・ナッツ類など |
私たちは強いストレスを感じると、体内に活性酸素が過剰に発生し、体が処理しきれなくなってしまいます。すると、体の細胞の機能が低下したり組織が損傷したりして、結果的に体の機能がうまく働かないことで疲労感が生じるのです。
そのため、精神的疲労を和らげるためには、要因である活性酸素に対抗する栄養素を積極的に摂る必要があります。これらの栄養素には、ビタミンA(β-カロチン)・C・Eのほか、カロテノイドの豊富なリコピンなども含まれます。
具体的な食品としては、体内でビタミンAに変換されるβ-カロチンが豊富なニンジン・ほうれん草・春菊・カボチャ・ニラなどの色の濃い野菜です。リコピンが豊富なトマトやピンクグレープフルーツなどもおすすめ。
ビタミンCは柑橘系の果物(レモンなど)やキウイ、野菜ではパプリカやブロッコリーに豊富に含まれています。ビタミンEはひまわり油やナタネ油などの植物油、アーモンドや落花生などに多く含まれます。
忙しいと野菜や果物が不足しやすいかと思いますが、ストレスを感じている人は「野菜」「果物」というキーワードだけでもぜひ覚えておいてください。
コンビニでトマトソースのパスタを買って帰ろう。
リコピンは加熱をすると抗酸化力がアップするため、トマトのソースを使ったパスタは、おすすめです。代表的なものはミートソースですが、最近ではコンビニでもチキンのガーリックトマトソース、ナスとひき肉のトマトソース、冷製パスタのエビクリームトマトソースなど、いろいろな種類が出ています。
パスタだけでは栄養素の量が足りないので、パックに入っているブロッコリーとニンジンのサラダなど、野菜をプラスできるとなおいいですね。冷凍ブロッコリーをコンビニなどで買ってストックしておき、レンジで温めてパスタに添えるのもおすすめです。
さらに、野菜ジュースもおすすめ。ただし加工する段階でビタミンCが壊れてしまうので、市販のレモン汁をプラスするといいでしょう。
子育て中、抱っこのしすぎで筋肉の疲労に。
「今日は休日。だけど、子どもを連れて外出して、疲れた……! ずっと子どもを抱っこしていたから、筋肉痛も感じる。スーパーは開いているけど、手のこんだ料理はしたくない。もうお惣菜買っちゃおうかな」
筋肉の疲労におすすめの栄養素と食べ物。
栄養素 | 筋肉の疲労を和らげる食べ物 |
たんぱく質 | 肉・卵・魚・豆・豆製品・牛乳・乳製品など |
筋肉痛は、普段よりも筋肉に大きな負荷がかかり、傷ついた筋繊維を修復するときにおこる痛みです。それを修復するのは、筋肉の主な材料であるたんぱく質。筋肉だけではなく、気持ちを安定させて疲労を防ぐ効果があるドーパミンやセロトニン(脳の神経伝達物質)の材料にもなります。
たんぱく質が足りないとそれだけ筋肉の修復が遅れ、疲れが取れないため、体を酷使したら、なるべく早めに食べるようにしましょう。また、たんぱく質は動物性のものと植物性のものに分かれますが、筋肉のダメージを修復するためには、吸収が早い、動物性のたんぱく質をしっかり摂ることが重要です。
1回の食事あたり、20グラムから25グラムぐらいのたんぱく質を摂取することを意識しましょう。
スーパーでハンバーグを買ってこよう。
筋肉が疲れているときにスーパーやコンビニで買える食べ物としておすすめしたいのが、ハンバーグ。レトルトでも冷凍でもいいと思います。1人前の大き目のハンバーグで、たんぱく質約17グラムに相当します。ほかには、ホッケやサバの塩焼きの1人前のパックで、電子レンジで温められるものが売っていますよね。魚も1尾で約17グラムのたんぱく質が補給できます。
20グラムに足りないぶんは、納豆や豆腐などの植物性たんぱく質で補いましょう。そのほか、紙パック入りの豚汁や、ゆで卵を加えると、1食で十分たんぱく質が摂れます。
資格試験にむけて追い込み中!脳の疲労に。
「資格試験の受験日が近い! 退勤後や休日も勉強で根をつめていて、脳が疲れたな……。この疲れに効く食べ物ってないかな? そんな食べ物があったら、効率よく勉強し続けられるのに」
脳の疲労におすすめの栄養素と食べ物。
栄養素 | 脳の疲労を和らげる食べ物の例 |
ブドウ糖・イミダペプチド | 米・パン・麺類・ラムネ・鶏胸肉など |
脳の疲労を感じているときは、脳のエネルギー源が不足している可能性があります。脳のエネルギー源とは、栄養素でいうとブドウ糖のこと。食べ物でいうと、主食の米・パン・麺類に、果物、ラムネなどですね。
最近は若い人でも太るのを気にして、糖質を控える人が多いようです。でも、何か目的があって勉強している人は、脳をフルに働かせ、疲れを回復させるために食事で糖質をしっかり摂ることが大切。また、食事と食事の合間に、ちょっとほっとするという意味でも、脳の栄養になるものを補給するのがおすすめです。
それに加えて、脳疲労を回復するために食べてほしいのが、鶏胸肉です。鶏肉にはイミダペプチドという物質が含まれており、体内に吸収されると活性酸素を除去し、脳や筋肉の疲労を軽減する効果があるといわれています。
ただ、イミダペプチドが疲労回復効果を発揮するためには1日200ミリグラム程度を一定期間摂り続けることが理想とされています。これは、鶏胸肉100g程度に相当します。そのため、脳を使う人は、しばらくの間、主食(糖質)と鶏胸肉を意識して食生活に取り入れるのも一案です。
気分転換がてら、コンビニでラムネを買ってこよう。
勉強の休憩タイムには、ブドウ糖が豊富なラムネやグミなどのお菓子がおすすめ。また、素早く吸収されるゼリー飲料なども冷蔵庫に冷やしておくと便利です。疲れたなと思ったら、合間合間にエネルギーを摂るのも脳の栄養補給になります。
また、イミダペプチドを摂るためにおすすめなのがサラダチキン。1日100グラムぐらい食べれば、必要量が補えます。コンビニで糖質が豊富なおにぎりやうどん、パスタを買って、一緒に食べるといいでしょう。また、簡単に作れるものとして、冷凍うどんにサラダチキンを手で裂いて加え、そこに冷凍ネギを乗せたりすると、脳疲労を回復するランチになります。
栄養学のプロも実践している「疲れを和らげる食べ方」とは?
私も疲れを感じたときは、簡単に食べられるものをいただきます。コンビニも利用しますよ。
レトルトのカレーやサラダチキンで簡単アレンジ。
食事としてよく利用するのは、レトルトのカレーで、うちに常備しています。ただそれだけではたんぱく質が足りないので、サラダチキンを買って、鍋に移したカレーの中にチキンを手で割いて加え、余った野菜があればサラダにして食べます。
年齢を重ねるとともに、疲れると酸っぱいものが欲しくなるようになりました。そこで、茹でたうどんに鰹節・醤油・ネギをトッピングし、レモンやすだちをたっぷりかけて食べることもあります。また、無塩のトマトジュースにレモン1個をまるまる絞って飲むのは毎日の習慣になっています。
コンビニは、脳を使ったときに甘いものを求めて行くことが多いです。新しく発売されたスイーツ・和菓子・ナッツ入りチョコバーなどをよく買いますね。疲れやストレスを和らげるには、好きなものを食べて癒やし効果を得て、リラックスすることも重要。おやつも、量を決めて食べすぎなければ大丈夫です。
「バランスのとれた食生活」は、できることからはじめてみよう。
忙しいと、食べ物のバランスに気を配るのは難しいと思います。残念ながら「これだけ食べれば疲れに効く」というメニューや食品はありません。「朝昼晩必ず毎食」でなくてもいいので、主食(糖質)・主菜(たんぱく質)・副菜(ビタミン)をなるべく組み合わせて食べるよう心がけてみてください。この3つを揃えることが、栄養のバランスを整えることに繋がり、疲れにくい体を作るのに役立つはずです。
そして疲労回復のためには、やはり食事だけでなく睡眠をしっかりとることが大事です。また、全身の血液のめぐりをよくし、栄養や酸素を取り込みやすくするため、適度に体を動かすことも重要。
運動は特に、必要だとわかっていてもなかなか行動できないという人もいるでしょう。そんなときは、コンビニに飲み物やスイーツを買いに出かけてみませんか。外に出られない日は、軽くストレッチをする程度でもかまいません。必ずしもジムに行く必要はありませんので、少しでも体を動かすことを心がけてみてください。
食事も、疲れたときに実践できることからはじめてみましょう。例えば、コンビニで選ぶものを変えてみる。それが習慣になったら、さらに「別のこともやってみよう」と思うようになるでしょう。小さなことでも体調面での効果を実感できれば、続けようという気になるはずですよ。
写真/PIXTA
【監修者】橋本 玲子
管理栄養士、公認スポーツ栄養士。ラグビーW杯日本代表など、数多くのトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者にむけての食育活動も行う。
※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。
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