早期リタイアしたら生活コストはどうなる?FIRE実践者が語る現実。 早期リタイアしたら生活コストはどうなる?FIRE実践者が語る現実。

早期リタイアしたら生活コストはどうなる? FIRE実践者が語る現実。

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※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」、生命保険料を「保険料」と記載している部分があります。

昨今注目を集めているFIRE(早期リタイア)。早期リタイア後の「実態」は、いったいどうなっているのでしょうか? 40代にして早期リタイアを実現した持田亨さんに、早期リタイア後の暮らしぶりや、生活費、資産額、生きがいなどを伺いました。

目次

32歳で早期リタイアを決意、約8年で実現。

お話を聞いた方:持田亨さん(40代)
家族構成:妻、小学生の子ども1人の3人家族
お住まい:シンガポール在住

32歳から8年間の準備期間を経て早期リタイアを実現した持田亨さん。2017年、退職するとすぐに一家でシンガポールに移住しました。

もともと大手メーカーから金融関連会社へ転職し、海外事業責任者として働いていた持田さんの当時の年収は750~1,000万円ほど。そんな持田さんが早期リタイアを目指したきっかけは、「定年まで会社のために働き続けることに、魅力を感じなかった」ことだそう。

そこで、転職して金融関連会社の海外事業責任者として働きはじめた32歳から一念発起して早期リタイアを目指しました。資産運用を行い総資産額が3億円に達したと同時に、早期リタイアを決めました。

具体的には、持田さんはどのような方法で早期リタイアを実現したのでしょうか?

「早期リタイアするための資金の多くは、資産運用で作りました。」と持田さん。

早期リタイアの資金の準備と同じくらい時間をかけるべきことは?

早期リタイアの資金の準備と同じくらい時間をかけるべきことは?

持田さんが早期リタイアを達成したのは、目指しはじめてから約8年後。

しかし、それがそのままほかの方の目安になるとは言い切れない、と語ります。

「早期リタイア実現までの期間を明確に示すことは難しいと思います。準備をはじめるときの年齢や資産状況、目指すゴールなどいろいろな要素が影響するからです。

とはいえ、準備をはじめる時期は早ければ早いほどよく、資金も多ければ多いほど有利であることはまちがいありません」

早期リタイアを達成するまでにはどんなことを心がけたのでしょうか。

「主に、早期リタイアに成功している人のやり方をリサーチして、すぐに実践することを心がけました。肝心の資産運用については、1つの方法で大当たりを目指すのではなく、複数の方法を試しながら、それぞれコツコツ資産を積み上げることや、取り引きで発生する手数料を節約することなどを地道に行いました」

一方、持田さんが早期リタイアするにあたり、資金の準備と同じくらい時間をかけたことが、「家族との話し合い」だったそうです。

資産がある程度の金額に達した段階で、経済的な不安はなくなったそうですが、海外移住を目指していたこともあり、「妻とお互いが納得するまで話し合った」と言います。

「たとえば子どもにとって海外での教育はどうなのか、将来日本の家族に介護が必要になったらどうするか、いつ日本に戻るべきかなど、考えれば考えるほど不安も大きくなりました」

しかし夫婦でとことん話し合い、さらには心配事や起こりうる問題をノートに書き出して可視化し、将来の不安を解消。前向きに海外移住の計画も具体化できたそうです。

「家族での話し合いは、早期リタイアを成功させるために、絶対にすべきこと」と断言する一方で、「30代も半ばを過ぎると人生の軌道修正が難しいときもあるので、早期リタイアと海外移住は分けて、それぞれ慎重に検討することが重要」ともアドバイスします。

早期リタイアを実現させて感じる「いちばんの贅沢」。

早期リタイアを実現させて感じる「いちばんの贅沢」

憧れの早期リタイア。とはいえ、思いどおりにいくこともあれば想定とは違う局面に対峙することもあるでしょう。早期リタイアを実現させた持田さんの場合はどうだったのでしょう。

「早期リタイアをしてよかったことは“選べる自由”があることです。たとえば、他人によって自分の人生が振り回されることがない、お金を気にせず買い物できる、時間を気にせずに好きな人と好きなことができる、付き合う相手を選べる、などですね」

さらに「早期リタイアをしてから、家族との時間が増え、互いのよいところにあらためて気づく機会ができた」と語ります。

一方で、「孤独感や不安感がつきまとう」とも語ります。

「早期リタイアがブームになっている一方で、途中で諦めてしまう人は少ないように感じます。望みを叶えたはずの私ですら、ときどき“自分は社会のレールを外れているのではないか”と、不安に苛まれることがあるのも事実ですね」

そんな持田さんにとって喜びは、日常のささやかなひとときにありました。

「毎週末の朝には、家族で好きなコーヒーとケーキをお気に入りの食器に盛り付けていただいているのですが、その時間をいちばん贅沢に感じています。もちろん、早期リタイアしなくてもできることですが、精神的にも時間的にも余裕がある今だからこそ、そんな何気ない日常に幸せを感じるのだと思います」

早期リタイア後のリアルな家計と生活を大公開! 意外な節約ポイントとは?

持田さんの会社員時代は、激務そのものといってもいいほど多忙な毎日でした。

「会社員時代は、1日12時間くらい働く毎日でした。年収は1,000万円ほどあったので、経済的には豊かでしたが、そのぶん、自分や家族との時間を犠牲にする日々でした」

現在は、1日のほとんどを自分や家族のために過ごしています。

早期リタイアを実現させた持田さんの1日の過ごし方。

起床後、株式市場を見ることから1日をスタートし、24時には就寝するという持田さん。

「月に1回程度、運用に関する調査や交渉が入ることもありますが、それ以外は、料理や読書、投資仲間と集まる、家族と出かける、スポーツジムで体を鍛えるなど、自分の好きなことに時間を使う日々です」

早期リタイアを実現させた持田さんの1日の過ごし方。

意外に堅実!? 早期リタイアした持田家の家計収支公開。

実は持田さんは、早期リタイアの準備をはじめた当初、3,000~5,000万円あれば、早期リタイアは実現可能だと思っていたそうです。

「実際は予測を裏切られました。もちろん目指す早期リタイアのタイプにより必要額は違いますが、シンガポールのような富裕層が暮らす国でビザと生活を維持するのであれば、1億円以上あったほうが安心です」

実際に持田さんが準備した資産は3億円。さぞ贅沢に暮らしているのかと思いきや、意外にもメリハリを利かせた堅実な暮らしぶりがうかがえました。

早期リタイアを実現した持田さんの1か月の家計支出。

※すべて日本円で換算
費目 金額
家賃 25万円
食費 20万円
日用品費 10万円
光熱費 3万円
被服費 3万円
理髪代 5,000円
医療費 6,000円
レジャー費 10万円
保険料 1万円
通信費 1万円
教育費 15万円
合計支出 89万1,000円

「家族全員、食べることが好きなので、食費は奮発することが多いです。また、レジャー費も、惜しみなく使っています」(持田さん)

「日本と同程度かやや高めの物価」と言われるシンガポールにおいても、月20万円の食費はなかなかの出費。その一方で、毎月の支出となる「固定費」が大きくならないよう常に無駄な出費はできる限り抑えるように意識しているそうです。

持田家の節約ポイント。

  • (一般的にシンガポールは家賃が高いため)家賃を抑える。
  • 車を持たない。
  • 携帯電話やインターネットサービスは、最小限使える程度の定額プランを選ぶ。

「本当は教育費をもう少し削れるといいのですが、シンガポールは教育にかかるお金が割高な国なので、こればかりはどうしようもないとあきらめています……」

早期リタイア後の収入は生活を回せる程度で十分。

若いころから保険を活用した保障の確保にも努めていたという持田さん。

「会社員時代から、退職金目当てで会社にしがみつきたくなかったため、20代後半から貯蓄型生命保険などの複数の保険に加入しました。早めに老後資金の準備を開始したので、すでに保険料の支払いは終えています。医療費への備えも必要だと感じていたので、日本にいたときも、シンガポールに移住したあとも、毎年掛け捨て型の医療保険には加入しています」

一方、持田さんの月の収入は、「毎月の支出より少し多いくらいの金額」だといいます。収入源は、「資産運用による利益が中心です。収入は生活を回せる程度あれば十分」だと考えていて、それより「資産価値を上げることに力を入れている」と語ります。

また、もともとお金のかかる趣味をもっていなかったこともあり、早期リタイアしたあとも、金銭感覚や生活レベルはあまり変わっていないそうです。

「がむしゃらに働いてお金を貯めていた会社員時代に比べれば、むしろ欲しいものは我慢しなくなりましたが、資産総額が大きくなったぶん、維持や管理には真剣に取り組むようになりました」

早期リタイアがもたらしたポジティブシンキング。

早期リタイアがもたらしたポジティブシンキング。

早期リタイアは、持田さんの考え方に大きな変化をもたらしました。

「一番の変化は、ポジティブ思考になれたこと、でしょうか。経済的な余裕は、失敗を恐れたり、他人の目を気にしたりせずに“やりたいことだけをやればいい”という原動力になります。実際に、興味のあるものには前向きに挑戦して、プロセス自体も楽しめるようになれたことが大きな変化です」

「務めていたころは、仕事にやりがいを感じていました。とはいえ、どこか“生きていくため”だったり、“会社のため、いやいや働かされている感じ”だった」という持田さん。

「今現在は投資家としてお金を投資することで、社会の役に立っているという場面を経験することが増えました。そのことから、会社のためだけではない、自分や社会にとってプラスになるための仕事をするという、よりポジティブな考え方へと変化したと思っています」

早期リタイア希望者が「やるべきこと」と「やらないほうがいいこと」。

ここで持田さんに「早期リタイアを目指すなら絶対にこれだけは学んでおいたほうがよい」ことを聞いてみると……。

「財務諸表は絶対に読み解けるようにすべきでしょう。金の流れを見極めるうえでも、企業の売上、営業利益、流動資産、利益余剰金などが理解できるようになるので、投資をするうえでも重要な能力です」

反対に、やらないほうがいいことは?

「副業ですね。世間一般では早期リタイアのために副業をすることが推奨されていますよね。でも個人的には、副業は競争が激しく、一過性のものが多い。時間がかかるわりに稼ぎが少なく、キャリアや経験につなげるのも難しいと感じます。自分のまわりで早期リタイアを成功させた人たちを見ていると、副業ではなく、むしろ本業に専念して給料アップや昇進を狙ったり、退職して本業を応用できる分野で起業したりするほうが、よい結果に結びついていました」

早期リタイアの動機は「流行りだから」「楽そう」でも構わない。

最後に早期リタイアを目指す人に向けたメッセージをお願いしました。

「私は、“流行っているから”とか、“人生が楽になりそうだから”という軽い理由から、早期リタイアを目指しても構わないと思っています。ただし、早期リタイアの準備期間に、人と違う選択をしたことを悩むこともあるかもしれません。ですが、自分が心からやりたいことに挑戦しながら、一歩ずつ自分の人生を歩める人が増えることを、心から願っています」

会社員としての安定した収入がなくなるのはリスクではありますが、“自分が本当にやりたいことは何なのか”を一度考えてみてはいかがでしょうか?

写真/Getty Images


持田亨
32歳から8年間の準備期間を経て、2017年には早期リタイアを実現。同時に一家で海外移住。シンガポール在住。


※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。
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(登)C21N0087(2021.11.9)
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