子どものための保険って必要?保険の目的や検討のタイミングについてFPが解説。 子どものための保険って必要?保険の目的や検討のタイミングについてFPが解説。

子どものための保険って必要?保険の目的や検討のタイミングについてFPが解説。

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#保険
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※ 記事中で言及している保険に関して、当社では取り扱いのない商品もあります。
※ 文章表現の都合上、生命保険を「保険」と記載している部分があります。
※ 本文中に記載の保険に関する保障の条件は、保険会社によって異なります。詳しくはご加入の保険会社にお問い合わせください。

子育て中、あるいはこれから子どもが生まれるというパパやママ。保険の見直しを考えている方も多いかと思います。自分たちに何かあったときの保障に加えて、子どもの保険にも加入しておいたほうがよいのでしょうか? 加入するとしたら、どんなタイミングがベストなのでしょうか? ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんが解説します。

目次

子どものための保険に加入する目的は?

子どものための保険に加入する目的は?

「子どものための保険」とは、一般的に親が保険の契約者になり、子どもを被保険者とする保険です。氏家さんは、「FPとしてお客さまからのご相談を受けるなかで『子どものための保険には加入したほうがいいの?』というご質問をよくいただく」といい、保険に加入する目的として多いのは、「ケガや病気などのリスクへの備え」「教育費の確保」だといいます。では、主にどのような種類の保険があるのでしょうか。

教育費の確保。

子どもの教育費を目的にした貯蓄性のある保険の代表が「学資保険」です。

ケガや病気のリスクに備える。

大人の場合と同様に、子どもの病気やケガによる入院・手術・通院に備える保険としては、「医療保険」や「傷害保険」があります。

他人に損害を与えた場合の補償。

日常生活の中で、子どもが他人の体や物品を傷つけ、賠償責任を負うリスクに備えるための保険として、「個人賠償責任保険」や「自転車保険」があります。

子どものための保険、その必要性と検討のタイミングは?

子どものための保険、その必要性と検討のタイミングは?

子どものための保険について、どんなときに役立つのか、さらに、検討するタイミングもみていきましょう。

学資保険

学資保険は、一定期間保険料を払い込み、決められた時期にまとまったお金を受け取れる貯蓄性のある保険です。子どもの教育費を、時間をかけてコツコツ備えていくことに適しています。

一般的に、契約者となる親・被保険者となる子どもの年齢があがるにつれて保険料は高くなります。そのため、教育費のために学資保険を検討する際は、出産前後、なるべく早い時期がよいでしょう。商品によっては、出産予定日140日前から加入できるものもあります。

医療保険

子どもの病気やケガによる入院・手術・通院に備える保険です。ただし、今は公的な制度である「子ども医療費助成制度」が充実しているため、子どもの医療費の自己負担はかなり軽減もしくは無償化されています。中学校卒業までを助成の対象とする自治体が多く、お住まいの自治体の制度を確認してから医療保険を検討するとよいでしょう。

傷害保険

ケガが原因の入院・手術・通院を補償するのが傷害保険です。幼稚園や保育園に入園し、集団生活がはじまるときや運動系の習い事などをはじめるタイミングで、思わぬケガなどに備えて検討する方もいます。ただし、医療保険と同様に、子ども医療費助成制度がありますから、助成の対象外となる年齢を踏まえて検討するとよいでしょう。

個人賠償責任保険

日常生活で、子どもが他人の自動車に傷をつけてしまった、お店の商品を壊してしまった、友達にケガをさせてしまったなど、誤って他人に損害を与え、賠償責任を負った場合の備えとなる保険です。

個人賠償責任保険単独でも加入できますが、同様の保険が、火災保険や自動車保険、クレジットカードなどに付加されていることも少なくありません。また、一般的に、個人賠償責任保険でカバーされるのは「契約者および生計をともにする同居の親族・別居かつ未婚の子ども」のため、親が加入していれば、子どもが原因の事故でも補償の対象になります。

ただし、商品によっては補償に限度額などの条件を設けてある場合があります。もし、条件が補償額無制限である場合は、新たに加入する必要はありません。

自転車保険

昨今、自転車で他人を死傷させる事故が増えていることから、自転車に乗る人には「自転車損害賠償責任保険」などへの加入を義務づけている自治体もあります。

参考:国土交通省「自転車損害賠償責任保険等への加入促進について」

自転車保険は、自転車事故による自分のケガと、相手のケガなどを補償する保険です。つまり中身は「傷害保険+個人賠償責任保険」と同じです。特に備えておきたいのは、相手への賠償が高額になってしまう場合です。

ただし、上述したように、家族のうちどなたかが個人賠償責任保険に加入していれば、子どもの自転車事故による相手方への補償も条件内でカバーされます。条件が補償額無制限である場合、新たに自転車保険に加入する必要はなくなります。

親の保険は必要十分ですか?

子どものためにいろいろな保障(補償)をつけていった結果、保障が重複する可能性もあります。また、お金がたりなくて教育費をためられない、親の保険がたりない、ということにもつながりかねません。

家計の主たる支え手であれば、もしものときに備えて生命保険や医療保険に加入している方は多いでしょう。ですが、子どものことが心配で、いろいろな保険を検討しているけれど、自分は何も保険に加入していない、というケースもあります。氏家さんの経験によると、特に女性は、ご自身の保険をあとまわしにしている方が少なくないようです。

本当に子どもが困るのは、親が病気などになったときです。子どもにいろいろな保険をかける前に、親にもしものことがあったときの保障は十分か、こちらもぜひ見直しておきたいところです。

学資保険、その役割と検討のタイミング。

学資保険、その役割と検討のタイミング。

子どものための保険で検討しておきたいのは「学資保険」です。

教育費は必要になるお金。

ケガや病気や事故は、もしかしたら起こるかもしれないリスクですが、教育費は決まった時期に必要になるお金です。特に、大学進学をする場合には、まとまったお金が必要になります。

リンク:ミラシル「大学の学費準備は計画的に。学資保険でどう備えるのがおすすめ?」

教育費の確保を目的に学資保険に加入するなら、子どものための医療特約などはつけずに、返還率(返戻率)を重視するとよいでしょう。また、「入園・入学などの節目にお祝い金が給付される商品もありますが、できればいちばんお金がかかる大学進学のときにまとめて受け取れるようにするのがおすすめ」と氏家さんはいいます。お祝い金などを受け取らずにまとめることで、返還率が上がるためです。

もしものことがあっても学資保険で教育費を担保できる。

学資保険の商品によっては、契約者である親が死亡したり、高度障害などが残ってしまったりした場合に、以降の保険料が免除され、学資金・満期保険金は当初の予定どおりにもらえる保険料払込免除の保障があります。親にもしものことがあっても、学資保険で準備したぶんの教育費はしっかり確保されるのです。

もしものときのために、パパには十分な保険をかけているけれど、ママの保険は何もない、というような場合は、学資保険の契約者をママにするのも一案です。

学資保険は早めに検討しておきましょう。

教育費の準備のために学資保険に加入するのなら、妊娠中にある程度検討しておき、早めに加入するとよいでしょう。無理なく払える保険料に設定しておき、余裕ができたら貯蓄や投資など、別な方法を検討すればよいのです。

学資保険の商品によっては、加入時の子ども・親の年齢に上限を設けているものもあります。教育費のことはあまり考えておらずに、生まれてからもう数年たってしまった、という方は、今すぐ教育費を着実に積み立てる方法を検討しましょう。

第2子・3子にも、できれば第1子と同様の備えを。

第1子には学資保険があるけれど、第2子・3子は余裕がなくなり、学費の準備が十分できていない、というケースもよくあります。また、親の年齢があがるぶん、受取総額は同額でも、保険料が高くなる可能性もあります。

とはいえ、氏家さんは、「学資保険があると、学費が必要なタイミングでお金が用意できます。下の子どもにも、できる限り第1子と同じような準備をしておくことをおすすめします」といいます。

子どもの保険に迷ったら、まずは学資保険を検討してみよう。

子どものための保険にはさまざまなものがあります。保障(補償)の内容が、公的制度や親がすでに加入している保険と重複していないかなどをチェックして、加入を検討するとよいでしょう。

また、将来必要になってくる教育費は、生まれる前、または生まれて間もない時期からぜひ考えておきたいもの。超・低金利の現状では、学資保険でお金を増やすことは昔ほど期待できず、インフレリスクに弱い、というデメリットはあります。ですが、時間をかけて少しずつ教育費を準備でき、親にもしものことが起こった場合にも、契約時に決めた学資金は確実に受け取れます。子どもに将来どんな教育を受けさせてあげたいか、ご夫婦で話し合い、学資保険について検討してみてはいかがでしょうか。

写真/Getty Images、PIXTA


氏家 祥美
FP事務所ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー、セカンドキャリアアドバイザー。旅行会社、FP会社で働いた後、2010年に現在の事務所を開業。金融リテラシーの普及に努め、高校の家庭科の教科書では経済パートの執筆も行う。


※ この記事は、ミラシル編集部が監修者への取材をもとに、制作したものです。
※ 掲載している情報は、記事公開時点での商品・法令・税制等に基づいて作成したものであり、将来、商品内容や法令、税制等が変更される可能性があります。
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(登)C22N0235(2022.12.28)
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