公認会計士・税理士YouTuberの山田真哉さんが解説!ふるさと納税の魅力とメリット 公認会計士・税理士YouTuberの山田真哉さんが解説!ふるさと納税の魅力とメリット

公認会計士・税理士YouTuberの山田真哉さんが解説!ふるさと納税の魅力とメリット

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“検索したことはある”けど、”結局よくわからなかった”を「なんとなくわかる!」に変えるお金の知識を学べるマネーバラエティ、「もっと!マネバラっ!」。ゲストと視聴者さんがお金について一緒に学べる、生配信のオンラインイベントです。

今回はにじさんじの8名と、公認会計士・税理士YouTuberの山田真哉さんをゲストに迎え、全4回にわたってお金にまつわるお話をお届け。第1回はローレン・イロアスさん、奈羅花さんと一緒に「ふるさと納税」について学びました。

※配信の様子はこちらからご覧いただけます

本記事では、第1回のイベントを終えた公認会計士・税理士YouTuberの山田真哉さんに「そもそもふるさと納税って何?」「ふるさと納税をするメリットは?」などを改めて伺ってみました。初心者の方にも理解してもらえるよう、詳しく解説していますので、ふるさと納税に興味のある方やこれから始めようと思っている方はぜひ参考にしてみてください!

そもそもふるさと納税とはどんな制度なんでしょう?

そもそもふるさと納税とはどんな制度なんでしょう?

──山田さん、まずはふるさと納税についてどんな制度なのか解説いただけますでしょうか?

ふるさと納税には「納税」という言葉がついています。納税と言うと、多くが義務や責任が伴うため、少し固いイメージを持ち敬遠する方もいらっしゃるのではないでしょうか。

でも実際には、都道府県や市区町村への「寄付」なんです。通常、自治体に寄付をした場合は、確定申告を行うことで、その寄付金額の一部が所得税及び住民税から控除されます。ですが、ふるさと納税では原則として「自己負担額の2,000円を除いた全額」が控除の対象となります。

──つまりその住民税の控除が、ふるさと納税のメリットのひとつということですね?

そうです。お話ししたとおり、自己負担金2,000円を除いた寄付金の全額分を「寄付金控除」として受けられます。ただし、年収や家族構成によって控除額に上限が設けられていますのでご注意ください。

なお、控除を受けるためには確定申告が必要となりますが、「確定申告が不要な給料所得者」かつ「ふるさと納税をした自治体が1年間で5カ所以下」であれば、確定申告なしで控除を受けられる「ワンストップ特例制度」を利用できますよ。

──なるほど、それでは寄付者にとってのメリットはなんでしょう?

ふるさと納税のメリットは、寄付金控除を含めて4つあります。

  1. 故郷やゆかりの土地を応援できる
  2. 全国の特産品を楽しめる
  3. 寄付金の使い道を選択できる
  4. 税金の優遇が受けられる(寄付金控除)

 

寄付する自治体は生まれ育った地域や家族ゆかりの地域、思い入れのある地域など、全国約1,700自治体の中から選べます。イベントでもお伝えしましたが、納税先を自分で選べる点が、他の税制度にはない特徴なんですよね。 

また、ふるさと納税では、寄付先の自治体から寄付者へ「お礼の品」が贈られます。地元の特産品や工芸品、宿泊券や食事券など、魅力的な返礼品が用意されていますので、私も毎年どれにしようか楽しみながら選んでいます。

加えて、ふるさと納税では、「寄付の使い道」からも寄付先を選ぶことができます。子育て支援、動物愛護、環境保全、産業振興など、使い道を選んで寄付することで、寄付金が有意義に使われていることを実感できますよ。

──地域貢献しつつ、税金の優遇や特産品を得られるメリットの多い制度なんですね。ちなみに自治体にはどのようなメリットがあるのでしょう?

寄付者にメリットがあるように、自治体にも以下のような大きなメリットが生まれます。

  1. 寄付金が自治体の収入になる
  2. 地元産業が活性化する
  3. 地域のPRになる
  4. 地域課題解決のきっかけになる
  5. 災害時の支援金を得られる

 

ふるさと納税で寄付したお金は、そのまま寄付先の自治体の税収になります。過疎化、高齢化、産業の衰退など地域課題を抱える自治体にとって、地域外から税収を増やせるふるさと納税は大きなメリットと言えます。

また、返礼品を生産する農業、漁業、畜産業、加工業などの事業者にとっては、受注量の増加や産業のPRも見込めます。地域産業の活性化という点でも期待できる制度であり、寄付をしてもらうために、それぞれの自治体が知恵やアイディアを出し合っています。中には、ふるさと納税で特産品が有名になり、旅行者が増えた地域も。そのように、頑張った自治体が報われるようになったことも、ふるさと納税のメリットと言えるかもしれません。

それから、昨今、自然災害のニュースを耳にすることも多いですよね。被災にあった地域を応援するためにふるさと納税を利用する、という方も増えています。自治体としては、迅速な復興のためにふるさと納税を利用できる、というのは有事の際のメリットです。

──ちなみに山田さんが実際に利用して「これはよかった、おもしろい」と感じた返礼品と地域をお教えください。

ユニークな返礼品は全国各地たくさんあるんですよね。最近は、旅行券や宿泊券なども増えてきていて、私も出身地・神戸のホテル宿泊券をもらったことがあります。朝食が有名なホテルで、一度は泊まってみたいと思っていたんですが、実家から15分の場所にあるのでなかなか宿泊する機会がなくて(笑)

宿泊券を利用して実際に泊まってみたところ、「やっぱり神戸はいい街だな」とふるさとを再発見できたので、選んで正解だったと思います。そんなふうに、普段自分では買わないものや、できないことを基準に返礼品を選ぶのもおすすめですよ。

中には「1日村長体験」や「エゾジカハンティング」などユニークな返礼品を用意している地域もあります。どんな返礼品があるか調べるだけでも楽しいので、ぜひポータルサイトをのぞいてみてください。

──なるほど!ふるさと納税ならではの体験型ギフトですね。そんなふるさと納税で、山田さんが話題と感じている地域はありますか?

成功を収めている地域でパッと思いつくのは、宮崎県都城市でしょうか。肉や酒など地域のブランドをしっかりアピールし、2022年のふるさと納税受入額日本一に輝きました。

また、大阪府泉佐野市では早くからふるさと納税特設サイトを開設し、特産品や地場産業を独自にアピールしています。私も、2022年に泉佐野市に寄付を行い、泉州南部織のハンカチをもらいましたね。

いざ、ふるさと納税を始めるときに準備すること

いざ、ふるさと納税を始めるときに準備すること

──それでは、いざふるさと納税を始めるとき、最初にやることはなんでしょう?

イベント中にも解説しましたが、ふるさと納税のステップはいたってシンプルです。具体的には以下の5ステップです。

  1. 寄付金控除上限額などの情報を調べる
  2. ポータルサイトにアクセスする
  3. 寄付をする
  4. 寄付金控除証明書をもらう
  5. 確定申告を行う

 

寄付金控除上限額については、「かんたん控除額シミュレーション」などのサイトで調べることができます。サイトにアクセスする前に、源泉徴収票もしくは確定申告書の控えを用意しておくとスムーズですよ。

あとは寄付をする自治体を決めるだけです。ただ、この自治体を決めるのに悩む人も多いはず。もちろん返礼品で決めるのも選択肢としてありますが、まずは、自分の出身地や思い出の旅行先など、ゆかりのある地域を選択するのがおすすめです。思い入れのある地域の発展に貢献できることは気持ちいいもの。「こんな特産品があったんだ」など、地域の魅力を再発見することにもつながりますよ。

──ちなみに山田さんが初めてふるさと納税を行ったときは、どのような理由で寄付先の地域を選択しましたか?

私はふるさと納税がスタートした2008年から寄付を行なっていますが、寄付先として最初に選んだのは、たしか鳥取県米子市でした。その理由は、複数の特産品から好きなものを選べるカタログを出品していたから。いまのように専用のポータルサイトがなかった時代、返礼品をじっくり選べるカタログは画期的だったと思います。

ふるさと納税を行う際の注意点は?

ふるさと納税を行う際の注意点は?

──簡単に始められるふるさと納税ですが、注意しておきたいことはありますか?

注意点や勘違いされやすい点を、いくつかピックアップして解説しましょう。

  • 節税・減税の効果はない

ふるさと納税は住民税や所得税から寄付した金額が控除される制度であり、減税・節税の効果はありません。寄付という形で税金を前払いし、後で税金から前払いした額が引かれる仕組みなので、支払う合計額が減る減税・節税とは違うということを認識しておいてくださいね。

  • 控除申請の手間がかかる

寄付をすれば自動的に税金が控除されるわけではなく、控除申請を忘れずに行う必要があります。申請には確定申告とワンストップ特例制度の2つの方法があり、どちらも申請の手間がかかります。

  • 自己負担2,000円がかかる

ふるさと納税を利用した場合、寄付した額が税金から控除されますが、それでも必ず自己負担の2,000円はかかります。控除の限度額内でも寄付額から2,000円を引いた金額までしか控除されません。

  • 返礼品がいつ届くかわからない

ふるさと納税のポータルサイトには、肉や魚など魅力的な特産品がたくさん並んでいます。「おいしそう」と思ってそればかり選んでしまうと、返礼品が同時に届いて冷凍庫に入りきらない…なんてことも。そうならないためにも、米や日用品、災害用の備蓄品など、腐らないものや、いずれ必ず使うものを交えるのがおすすめです。

ふるさと納税は、ふるさとへの応援の声。地域への愛をぜひ届けて欲しい

ふるさと納税は、ふるさとへの応援の声。地域への愛をぜひ届けて欲しい

──山田さんは、ご自身のYouTubeチャンネルでもふるさと納税を解説されています。視聴者の方からどのような質問やコメントがありますか?

会計士・税理士のチャンネルなので、給与のほかに収入がある場合の控除上限額の算出方法や、控除手続きの申請方法など、ウェブ検索では得にくい情報を聞きたいという方が多いですね。今回のイベントのように、これからふるさと納税を始めたいと思っている方向けに基本的な知識を解説する動画もアップしていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

──これからふるさと納税を始める、というみなさんに山田さんからメッセージをお願いします。

ふるさと納税は、地域への感謝や愛情を届ける納税の新たな形です。と同時に、離れた土地の特性や産業を学ぶきっかけにもなります。スタートの動機は、食べものでも工芸品でもまったく問題ありません。まずは、ふるさと納税のポータルサイトをのぞいて、魅力的な特産品や工芸品の数に驚いてみてください。そんなふうに、日本各地の地域の魅力を知ることも、ふるさと納税の楽しさのひとつだと私は考えています。

勉強熱心なにじさんじのお二人の姿勢に、解説も力が入りました

勉強熱心なにじさんじのお二人の姿勢に、解説も力が入りました

──第1回のイベントを終えましたが、ローレンさんと奈羅花さんにはどのような印象を持ちましたか?

VTuberの方とのトークイベントは初めてで緊張していたのですが、お二人とも熱心に解説を聞いていただき、さすが盛り上げ方もうまくてとても楽しかったです。「なるほど!」「わかりやすいですね」などお二人の温かい反応に気が良くなり、ついたくさん話してしまいましたね(笑)

にじさんじのみなさんのことは、クリエイターとして以前からチェックしていたので、今回ご一緒できてとても嬉しかったです。

──視聴者のみなさんを巻き込んで、次々に質問されていましたね(笑)

はい(笑)。視聴いただいたみなさんを巻き込んでイベントを盛り上げていくお二人のエネルギーに圧倒されっぱなしでした。でもおかげさまで、ふるさと納税の魅力を伝えられたのではないでしょうか。

奈羅花さんは、さすが経験者だけあって、クイズに全問正解されていましたね。ローレンさんは「ふるさと納税をしたことがない」とおっしゃっていましたが、ノリノリだったのですぐにでも実践していただけそうだと思いました。ぜひ、ふるさと納税を利用して、大好きなカニを堪能していただきたいです。

──次回は1/20(土)に、生活にまつわる「お金の基本」を学んでいきます。ここではニュースでよく聞くお金のキーワードについて山田先生に解説いただきます。ゲストは渡会雲雀さんとセラフ・ダズルガーデンさんですが、イベント当日はどのような一日になりそうですか?

次回は、知っておくと日常生活でかなり役立つ「お金の基本」です。「インフレとデフレってなに?」「円安と円高はどう違う?」といったよく耳にする話題やキーワードを、にじさんじのお二人をはじめ視聴者のみなさんに、分かりやすく伝えていきます。みなさんのお金に関する知識をアップグレードできる内容にしていきたいと思いますので、楽しみにしていてください!

 

イベントのアーカイブ配信や記事はこちらからご覧いただけます。

「もっと!マネバラっ!」第1回のテーマである「ふるさと納税」いかがだったでしょうか?ふるさと納税は思ったより手軽に始められて、各自治体のアイディアあふれる返礼品を選ぶのも楽しい、魅力的な制度なんです。本記事を参考に、ぜひふるさと納税にチャレンジしてみてくださいね!

 

「もっと!マネバラっ!」では第2回「お金の基本」、第3回「将来のお金」、第4回「身近なお金」についても学びました。

各回アーカイブもございますので、ぜひご視聴ください!


山田 真哉   
大阪大学文学部卒業後、東進ハイスクール勤務を経て、公認会計士に転身。著書『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は160万部突破のベストセラー、YouTube「オタク会計士ch」は登録者数70万人超に。講演では、貯蓄、投資、税務全般について分かりやすく解説し好評を得ている。 


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