![「仕事疲れた」と感じたあなたへ。医師が教える要注意なサインと対処法。](https://image.mirashiru.dai-ichi-life.co.jp/prod/sites/default/files/image/2024-12/mv_2410_01_PC.jpg?VersionId=ejUZ3dGhMGkPyxu.ojk0KliMjpw1VFW9)
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「仕事疲れた」と感じたあなたへ。医師が教える要注意なサインと対処法。
「最近、『仕事が楽しくない』『疲れたな~』と感じることが多いけれど、病気でもないし、仕事を休むほどではない……これって甘え?」と思うこと、ありませんか? でも、その疲れ、心と体のSOSかも!? 見過ごせない疲れの見極め方や疲労の原因、対処法について、心療内科医の鈴木裕介先生に解説いただきました。
目次
仕事で疲れたときの要注意サイン。
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私たちは日々、ストレスにさらされながら生活をしています。ストレスの中には自覚できるものから、自覚できない小さなものまでさまざま。ストレスを受け続けている心と体にダメージが蓄積していきます。
もしも、「夜中に目が覚めて眠れない」「せっかくの休日なのに寝て終わる」「毎日、仕事を休みたいと思う」といった状態だとしたら、それは体からのメッセージ。こうした状態に加え、意欲や気力の低下があったら要注意です。
気分の波は1日を通じてあるものですし、誰だってテンションが高いときがあれば低いときもあります。ただし本来、目覚めて活動モードに入るはずの朝、まったくエンジンがかからず、加えて、仕事だけでなく生活全般に意欲がわかないといった状態が続いていたら、まとまった休みが必要だと考えられます。
夜眠れない。
「体内時計」のリズムがズレれば、夜眠れないことはあるので、寝つきの悪さだけで要注意サインとまでは言いきれません。ただ、明日が来るのがイヤすぎて、「夜、寝たくない」という思いにとらわれたり、夜中、何度も目が覚めてしまったりする場合は、心身に異常をきたしているかもしれません。
なんとなく「仕事休みたいな」と毎日思っている。
誰しも「今日は仕事に行きたくない」と思うことはあるものです。ただ、仕事を含めて、それまでプライベートで楽しんでいたことに対しても意欲がわかず、その状態が続いていたら、心の疲れはかなり溜まっていると考えられます。
せっかくの休日なのに寝て終わる。
平日、忙しくて十分な睡眠がとれず、休日に「寝だめ」をする人は少なくないでしょう。それだけで要注意サインとは言いきれませんが、とにかくやたら眠くてボーッとする、活力や興味が一切わかないなど、無気力な状態が常態化していたら要注意です。
こんな働き方は仕事で「疲れた」と感じやすい!
以下は、ある会社員Aさんの3日間のタイムスケジュールです。Aさんの会社ではリモートワークが推奨されているので、この3日間も1日目と3日目は在宅で勤務しました。満員電車に揺られて通勤する機会が減って「楽になる」と思っていたのですが、なぜか毎日、ひどく疲れています。
![1日目のスケジュール。](https://image.mirashiru.dai-ichi-life.co.jp/prod/sites/default/files/inline-images/img_2410_01_002_0.png?VersionId=K5E.g8t3vfPUtI8RThXkh.5CK3WJMZKM)
![2日目のスケジュール。](https://image.mirashiru.dai-ichi-life.co.jp/prod/sites/default/files/inline-images/img_2410_01_003.png?VersionId=8lyrsLK2rc60E2drdSddsPvIF_WjY9oI)
![3日目のスケジュール。](https://image.mirashiru.dai-ichi-life.co.jp/prod/sites/default/files/inline-images/img_2410_01_004.png?VersionId=SaitdV8hs7nmGUrVUuXe5R6Oan97ZnR4)
【お疲れPOINT】起床時間がバラバラ。
8:30、6:30、9:00と、起床時間が結構バラバラですね。起床時間にバラつきがあると体内時計がズレてしまい、自律神経のバランスが乱れやすくなります。
本来人間の体は、朝に、活動的になるための交感神経が優位になり、夜になると副交感神経が優位になってリラックスモードに入るようにできています。このゆらぎを自動コントロールしているのが自律神経です。自律神経のバランスが崩れると、日中正しく覚醒できず睡眠の質も落ちてしまい、その結果、疲労がとれず心身の不調を招きやすくなります。
【お疲れPOINT】日光を浴びていない。
リモートワークの日は通勤する必要がなく、昼食も家の中で済ませ、外出をしていないAさん。日光が不足している可能性があります。
うつや疲労、不安障害とかかわりがある神経伝達物質に「セロトニン」があります。セロトニンは、日光の吸収とタンパク質の摂取によってつくられます。不足するとメンタル不調を招きやすく、睡眠にも影響を与えます。
現代人の体は意識しないと自然と夜型に傾いていきます。夜型に傾いてきたと感じたら、午前9時から11時ぐらいの間に、窓越しでもいいので、日光を目の中に入れることが重要です。晴れた日は太陽をギリギリ目視しないくらいの角度で、曇りや雨の日は太陽がある方向を見るようにしましょう。
【お疲れPOINT】いきなり仕事がはじまる。
通勤するのが当たり前だったころは、朝起きて身支度をして家を出て、会社に到着してデスクに座って「さぁ、仕事だ」というモードの切り替えがありました。しかし、リモートワークにはこうした“儀式”がありません。仕事に入る前に、覚醒度(覚醒しているレベル)を十分に上げていくのが難しくなっている可能性があります。
リモートワークの日は、仕事の前に近所を散歩するなど、仕事モードに入るためのルーティンをつくるといいでしょう。
【お疲れPOINT】休憩時間がない。
Aさんの1日目はオンライン会議が3本、立て続いています。インターバルがまったくないのですから疲れるのも当然。休憩時間はやはり必要です。どのくらい休むべきか、時間的な目安は特にありませんが、疲れを感じる前に一息つくようにしましょう。
作業時間を見積りながら、休憩をあらかじめスケジュールに組み込んでおくのがおすすめです。また、会議や打ち合わせを設定するとき、30分単位でスケジューリングをするのではなく、20分単位や50分単位で設定すると、インターバルをとりやすいです。
たとえば、会議1は10時から10時20分まで、会議2は10時30分から11時50分まで、といった具合に。予定を組むときは、使える時間の8割~9割の予定を入れる習慣をつけるといいでしょう。
その状態、もしかして心や脳が疲れているのかも?
![その状態、もしかして心や脳が疲れているのかも?](https://image.mirashiru.dai-ichi-life.co.jp/prod/sites/default/files/inline-images/img_2410_01_005.jpg?VersionId=LhXnM_ddANCD9muVBeXPs8tETrpxUKVU)
心理的な負担がかかると、頭痛、胃痛、吐き気、便秘や下痢、肩こりや腰痛、微熱など、あらゆる身体症状がでることがあります。もちろん単純に体調不良ということもありますが、心のバランスが崩れると、まず症状は体に現れるということを知っておいてください。
こうした身体症状に加え、いつもより作業に時間がかかるようになったり、とっさに言葉が浮かばなくなったり、リアクションをすぐにとれなくなったり。こうした症状がでたら、心はかなりお疲れモード。なんらかのケアが必要です。
一生懸命に働いていたのにあるときひどく疲れを感じ、人にも冷たい態度をとりはじめたら、それは「燃え尽き症候群」かもしれません。
医学用語ではないものの、「脳疲労」という言葉が世間でよく使われているようですが、集中力が低下したり、頭がボーッとしたり、ささいなことでイライラしたり、頭痛やめまいを感じたり、といったことを放置し、仕事をし続けることにはリスクがあります。
いずれにせよ必要なのは「自分はいま、とても疲れている」と気づくことです。
仕事に疲れたら、休むのは当たり前。自分を大切にしよう。
![仕事に疲れたら、休むのは当たり前。自分を大切にしよう。](https://image.mirashiru.dai-ichi-life.co.jp/prod/sites/default/files/inline-images/img_2410_01_006.jpg?VersionId=eV9ccgccXDt9kx8BSasu9pTtU_WkWa.p)
心と体が疲れていることに気づいたら、きちんと休むべきです。ただ、この「休む」ということが難しくなっているのかもしれません。現代は生産性の高さをよしとする価値観が蔓延し、ずっと高ぶった状態が求められます。エネルギーが枯渇するのも当然ですし、エネルギーが切れたら生産性が下がるのは当たり前のこと。
そんなときに、エナジードリンクを飲んだりして、誤魔化しながら奮い立たせることは、体にとっては不自然で不合理なふるまいです。
休息は決して悪いことではありません。むしろ、自分の持っている力を正しく発揮し、高いパフォーマンスを維持し続けるためには不可欠なもの。ビジネスパーソンとしての責任をまっとうしたい、というのであればむしろ休むべき! どうか、自分を大切にしてあげてください。
写真/Getty Images、PIXTA イラスト/こつじゆい
【監修者】鈴木 裕介
内科医・心療内科医・産業医・公認心理師。2018年、「セーブポイント(安心の拠点)」をコンセプトとした秋葉原内科saveクリニックを開設し、院長に就任。研修医時代の近親者の自死をきっかけに、メンタルヘルスに深く関わるようになり、産業医活動や講演、企業のメンタルヘルス対策のコンサルティングなども行っている。主な著書に『我慢して生きるほど人生は長くない』(アスコム)などがある。
※ この記事は、ミラシル編集部が取材をもとに、制作したものです。
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